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大神犬太郎の日記

さていよ始まりです。

前の二話イルカ? イルヨタブン

 なぜかわからないが、いつの間にか報告書を書かされることになった。

 今回は、姉の部下の堤下が勝手にやったことらしいが、まあどちらにしろ姉に迷惑かけられたことには変わりない。


「なんでこんなことに」


 そういいながら机に向かって日記をPCで書いていく。

 姉が帰ってきたらおもちゃにされることは避けられない。

 もしも、逃げようものならより一層ひどい遊びに付き合わされる羽目になる。

 なんであんなに横暴なんだよ、どこの家庭の姉もあんなのなのか? もしそうなら全国の弟諸君に弟代表として言わしてもらう。


 姉ちゃんやめてくれ!


 ふう、机の上にある瓶の中から飴玉を一つ取り出し口に放り込む、そして一息入れるため椅子から立ち上がりベッドに寝ころぼうと座ったとき携帯電話が鳴る。


「タイミングがなあ」


 とぼやきながら立ち上がり机に置いてある携帯の着信を見ると生徒会長となっていた。


「はい、もしもし、大神犬太郎です」


 そういうと電話の向こうで噴き出す音がした。 なんだ?


『ぷっ、ふふっ、携帯なんだから名前言わなくてもいいのに』


 ああ、そういうこと


『やっぱり、人と知覚が違うと感覚も違うものなの?』


 彼女の声は楽しそうだった。


「さあ、他人の感覚なんてわかるもんでもないしな」

『それもそうね』

「で、生徒会長、なんの御用件でしょうか?」


生徒会長、そして唯一の友人である岩手千暁いわてちあきに尋ねる。


『あ、そうだね。 おもろいからつい、ね』


 言葉の真意がわからず首をかしげていると生徒会長は咳ばらいをして


『明日ね、少し早めに学校に来てほしいのよ』

「うん、いいよ」


 即答した。


『うん、良い返事。 でも理由は聞かなくていいの?』


 あっと、肝心なことを聞かないと


「聞かせてください」


 それが今夜電話かけてきた理由でもあるでしょうから


『じゃあ、発表します』


 彼女はその声のあと、効果音をわざわざ言ってから


『妖怪捕獲作戦!』

「………………」


 思わずベットからずり落ちるところだった。


「かかわっちゃダメだって言ってるのに」


 ため息をつく


「まあどうせ止めてもやるんでしょ」

『ふふっ、専門家がいれば安心でしょう?』


 そりゃ、素人だけでやるよりは安全だけど、専門家としても積極的にはあちらとかかわりたくないんだよな。

 しかし、彼女をほっとくことも出来ないし彼女を説得することも出来ないんだよ。だって生徒会長に立候補するぐらいには意識高いからこの人。


「けど、なんで早朝なんだ? 妖怪、けぶつの類は夜のほうが良いだろう?」

『その妖怪の目撃情報が朝のほうが多いからなのよ』

「目撃者とかいる時点で妖怪の類じゃない気しかしないんだけど」

『だからそれを確かめるために早朝から出るのよ』

「捕獲作戦は?」

『あ、妖怪捜索任務でお願いします』


 ……しまらないな。


「で、何時になるんだ?」


 登校時間から考えると5時か早くても4時だろうなと高をくくっていると


『3時に校門前集合』


 絶句した。


『ちゃんと朝ごはんは食べてきてね。 出来ればもう少し早いほうが良いんだけど私の都合に合わせてもらうんだから遅くしたんだよ。もし希望の時間があれば言ってね』


 思わず本日二回目のため息、そして、生徒会長も感覚変だと伝えたいのをこらえて


「早い、普通は5時だろう、早くても4時」

『えっ、いつも犬太郎が言う時間に起きてるから別に早くないと思ってたんだけど、犬太郎は何時に起きてるの?』


 意識高いのもいいかげんにしろと言いたい。朝4時起きって生まれてこの方したことないぞ!


「大体、3時って下手すりゃ起きててもおかしくない時間帯だろ」

『うん? まあ、たまに3時起きするときあるけど』


 絶対勘違いしてらっしゃるよこの完璧人間。


「いや、待て、会長、そもそも何時に寝てるんだよ」

『6時』


 うーーーーーーん、やばい、何か根本的に違う


「待て待て待て、食事の時間は?」

『5時には食べ終わってるよ』


 意識高くて生きている場所が違うとは思っていたけどまさか生きている時間が違うとは思いもしなかったぞ。


「なるほど、分かった3時に集合だな」


 駄目だ探れば探るほど疲れそうだ。


『ちょっと、いきなりわからないでよ。こっちがわからないんだから』

「いや、ただ時間が一周回って都合いいと思ってな」


 一徹すればなんとかなるかな?


『一周回ってってまさか寝ないつもり? あなたいったい何時に寝てるの?』

「11時だ」


 どうやら今度は向こうが絶句しているようだ。


『呆れた。 道理でいつもぎりぎりに登校してくると思ったら、だめよちゃんと寝なさいそれも早く』


 しっかりしてらっしゃる。 でも、こちらにも生活時間というものがある。なんと返事をするか考えるためしばらく黙っていると


『ごめん、人の生活に文句を言うのは悪かったわね』

「謝る必要はないよ、会長、思うところがないわけじゃないからね」


 変な気を使わせちゃったな。


「とりあえず明日、午前3時で間違いないな?」

『うん、じゃあその時間で、場所は学校の正門前でいいしょ?』

「ああ」


 という感じで集合時間と集合場所が決まった。

拙作をお読み頂きありがとうございます。

一応は伝奇モノにしようと思いますがどうなることやら自分もわからないです。

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