大神犬太郎とのやりとり
大神くん登場の上仕事を押し付けられる。
「え? なんで俺が俺の観察報告なんかしなきゃなんないんだよ。 おまえの仕事だろ」
不本意ながらその通りでございますが、あなた様を観察するより私はそろそろ結さまを観察、いえかんししないといけませんので
「監視ぐらい漢字で書けよ」
ああ、間違えました。しかんしたくなったんです。
「より質が悪いな」
このまま報告を続けてもよろしいのです。しかし、結さまそろそろ本当に何をしでかすかわかりませんので、そもそも私がこの報告を続けること自体無理なのはわかっておりました。
「じゃあ、なんでこんな報告をしようとしたんだ?」
ひとえに結さまのためでございます。
「おい」
しかし、結さまはお忙しいながらも優秀でございますので報告する必要はございませんでした。
「じゃあ、この報告は誰に対してやってるんだ?」
あなた様にございます。
「ひでえ、興味がないのに追跡して人の行動を監視するとか新手のストーカーかよ」
どちらかと言えば探偵ですが、まあとりあえずは本人が書いた報告書のほうが、残念ながら結さまは喜ばれますので、大変残念で遺憾の至りでありますがあなたにあなたの報告をする権限を強制します。
「おいっ!」
ああ、報告を怠った場合、ペナルティとして結さまに休暇を与えます。
「え、それのどこがペナルティなんだよ」
残念な頭ですね。当然のごとくあなたのもとに直行すると思われます。
「ああああああああ、もう! わかった、わかったから休暇を出すな」
はい、わかりました。
「というやり取りがありました」
私は、そう言って結さまに報告書を渡した。
「はは、さすがわが弟だな、私とお前がいなければ組織の回転が遅くなってしまうからな。 やはり自慢の弟だ」
すごくいい笑顔の結さま、ああ、なるほどそう解釈しましたか。
今回も駄目ですね。さて結さまにこちらを向いてもらうには、どうしたものか。
「それにわざわざ、日記まで私にくれるというのは願ってもいない僥倖だ。よくやった堤下礼香」
そうきましたか。
まあ、結さまによろこばれたのなら良しとしましょう。
「ああ、それと、私に黙って弟に会うとはどういう了見だ?」
……あれ?
拙作をお読み頂きありがとうございます。
流れ修正、この話も前話に入れれば良かった。




