熊の行方
ひとまず全員集合です。
生徒会長とのじゃロリこと花楽里鳴知、リミちゃんの初遭遇なので実質当初の目的は達成してますが、何やら胡散臭い状況になっていたようです。
リミこと花楽里鳴知が今回のことに関わったのは土地神の不在が原因だそうだ。
土地神がいないと困るとのことなぜかはぼかしてきた。
今回リミと出会った小さな社は、悪いことをして殺された大熊の供養をしたもので、その供養をした大熊がそのまま土地神になったのだ。
しかし、ここ最近土地神としての大熊を確認できないという案件が発生したためそのために状況を確認しに来たということだった。
「それを調べるために霧を使っていたのじゃが、大神殿の声で逃げたというそれは狐狸の類であろう」
そう言いその発言に対し俺は首をかしげる。
「しかし、その狐狸の類は何が目的だったんだ?」
「それは、不在の土地神の座であろう」
「土地神ってそんなにいいものなのか?」
「本能みたいなものじゃな。 いいものかどうかなんぞなってみた本人にしかわからん。 結婚と似たようなものだと考えれば良い」
結婚してないやつにその例えはどうかな?
「犬にわからないことを言ってないで結局どうすればいいの?」
口を挟んできたのは刀子さんだった。 駄犬から犬にランクが戻っている。
「刀子ちゃん別に解決する必要はないんじゃない?」
そしてそれを制するように会長が言う
「土地神がどんなものであっても基本的には問題ないでしょ?」
ん~ん? 至極まっとうな意見だけど何か引っかかる。
「ダメじゃ、邪なものが土地神になるとよくないことが起きる」
ピシャリと言い放つリミ、しかし、会長は納得していない。
「人食いの大熊は邪なものじゃないの?」
「うむ、人食いをしていたとしてもそれが邪とは言わん、邪なものはむしろ人を謀ることの出来るものが多い、無論、人も大抵は邪じゃ」
人=邪ということだろうか?
「まあ、ともかく、土地神の行方を調べているところにソナタたちが関わってきたということじゃ」
「ふーん、で、どこまで調べれてるんだ?」
「……それはのう…………」
うつむいて言葉を詰まらせるリミ。
「見つかっていないのか?」
「いや、見つかったには見つかったのじゃが、のう?」
「のう? じゃないだろ」
何でまた言葉をつまらせるんだ?
普通に教えてくれればいいだろうに。
「うん、分かった、これは、絶対誰にも言うでないぞ」
「ああ、約束する」
そう言った俺を上目遣いで見た後、会長と刀子さんにも目を向ける。
「うん、わかったよ」
「承知しました」
リミは、深呼吸をする。
いや、深呼吸をするほどのことって何やったんだよ聞くのが怖いよ。
「儂は、土地神を殺してしまったかもしれん」
拙作をお読み下さりありがとうございます。
若干進みが悪いので連投します。
具体的にはこれが投稿された一時間後にもう一話投稿します。




