大神少年の能力
ハリポタ的にはオオカミもどきですね
まあ、月による影響もあるのですがはてさてそこまで気力が持つか
「しかし、遅いなあいつら」
もうかれこれ二時間は経っているだろう。
「それに、携帯で電話しようにも圏外になってるしどうなってるんだ?」
「ふむ、お主の結界の外の霧が何か関係しているかもしれんの」
「結界を維持するにもこの場所に留まる必要があるし、一応厄払いをしておくか」
「ここでしても意味ないじゃろうに」
「それが意味があるんだよ。お前……えっと」
「花楽里鳴知じゃ」
「からくりみんち……すごい名前だな」
「花鳥風月の花に楽勝の楽、海里の里で花楽里、あと鳴くを知るで鳴知じゃ、みんちゃんと呼んでくれていいぞ」
「んーリミちゃんは?」
「なぜそうなったのじゃ!」
おおう、なかなかいいツッコミだ。
「みんちゃんはちょっと物騒だからな、からくりのりとみんちのみでリミ」
「ふむ、しかたがないそれで許そう」
少女に上から目線で言われると若干イラつくが、笑顔が可愛いから許さざる負えないところが何か不公平だ。
まあ、態度から気に入ってくれたようだし、しかし、この子の親は何を考えてこの子にミンチなんて名前をつけたんだ?
「おっとっと、話を元に戻すとリミちゃんが気づいた人間でない部分の俺」
オオカミに変身しながら話す。
「人狼の咆哮で縄張りを主張する」
「ほう、人狼じゃったのか。 奇遇じゃのう一回会ってみたかったのじゃ」
そう言ってリミちゃんは俺を撫でてくる。
「なんでこの姿になったらみんな撫でてくるんだ?」
「犬は撫でるものじゃろう?」
「犬じゃねえ狼だ」
全く、犬と呼ばれるのは御剣だけで十二分だ。
「とにかく、大声を出すから耳を塞いでおいてくれ」
「もう少し触っていたいのう、見事な毛並みじゃ」
「二人が来るまで触らしてあげるから」
そう言うとしぶしぶリミは離れた。
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「ワオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」
「ワオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」
割と近くで狼の遠吠えが聞こえました。
今、声はまさか大神でしょうか?
フ、グフフ、こんなところでグズグズしてられませんね。
幸いなことに大きな赤ちゃんは遠吠えを聞いた時点でよちよち歩きとは思えない速度であさっての方に逃げ出しました。
歩行がスピードに合っていなかったのでおそらく变化の類だったのでしょう。
あるいはヤコだったのかも。
「あ、あの赤ちゃん逃げてったね。 あれって狼の遠吠えだよね?」
「はい、大神のでしょう」
岩手会長は一般人の部類だが、大神の正体は知っている。
大神が人狼であることを
でもまあ、人狼ゲームのような危険な存在じゃない。
むしろ、あいつより危険な怪異なんていくらでもいるし人なんてあいつと比べ物ならないほど悪いやつがいる。
まあ、兎にも角にもこれで霧が晴れるだろうから大神の元へ行けるだろう。
フフッ、狼化している大神、ああ、早く行かないと。
「岩手会長、大神の元へ急ぎましょう、何かあったかもしれません」
「そうだね、三人寄らば文殊の知恵って言うし、できるだけ一緒にいたほうがいいかも」
何か使用方法がずれている気がするけど、まあ、細かいことは今はいいあの毛並みを楽しむためにも一刻も早く大神の元へ向かわないと。
「ああ、そう言えば刀子ちゃんは狼になった大神くんのこと大好きだったね」
「はて? 何のことやら」
バレてる。
「気まずいからって、大神くんを犬呼ばわりするのはどうかと思うけどね」
くすくすと笑う岩手会長。
しかし、岩手会長も人が悪い、どうかと思ってもやめろとは一言も言わない。
「私のためと思って眼をつぶっていてください岩手会長」
「はいはい」
拙作をお読みくださりありがとうございます。
石の上にも三年かしんどい




