《ロジカル★まりこ》
「ねぇ、ニャンティ、あの人一体何者なの…?」
「…ななはは、君と同じ魔法少女だけど…でも、彼女が魔法少女になったのは…」
「100年前、よね。ニャンティ。」
ニャンティの体が固まる。
ななはさんが初めて口を開いたのだ。
ななはさんは冷たい声で続ける。
「その子は何人目の魔法少女?…あは、いちいち数えてないか…」
「ななは、なぜ君がここに…」
「魔法はなんにでも使えるんだから、100年後にだって行けるでしょ。地球の滅亡を見届けるのよ。」
「そうはさせないわ。」
私はステッキを振る。
「隕石よ、止まれ!」
……
まだドーンと地鳴りがする。
隕石が止まらない…なぜ…?
「あなたが止めても私がまた降らせるもの。こうなるのは当たり前よ。」
「…どうして地球を滅ぼすの!?」
「……」
ななはさんは答えない。俯いてるだけ。
「ニャンティ、魔法を与えることができるのなら魔法を取ることだってできるでしょ!」
「…ななは、ごめんよ。」
「ななはの魔法、無効化★」
ーーーーー
隕石が止まった。
今まで鳴り響いていた音が止み、うるさいほどの静寂が訪れる。
ななはさんも消え、世界が元通りになっていく。
「終わったんだ……もう、世界は滅びないんだ……」
膝の力が抜け、その場にへたりこむ。
「ありがとう、まりこ。これで僕は魔法の世界へ帰れるよ。」
「えっ…?帰っちゃうの?」
「うん…短い間だったけど、また来るさ。この世界に夢あるものがいる限りね。」
「そう…ま、待っといてあげてもいいわよ。」
「ふふ、まりこったら。」
ニャンティがビルの谷間に消えてゆく。
まばゆい光とともに…
ーーーーー
「劣等人種共に告ぐ。」
たくさんの白猫を乗せた宇宙船のようなものが上空に現れる。
「全人類、居なくなっちゃえ★」
一匹の白猫がそう言った瞬間、ななはさんのことを思い出し、すべてを理解した。
でももう遅かった。
《終わり》
《ロジカル☆まりこ》おしまい〜
次回から最終章でございます。《シニカル★ななは》お送りいたします。
なぜななはは世界を滅ぼそうとしたのか、ニャンティは一体何者なのか。明かしていきたいと思います。よろしくです。