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闇の雫  作者: 冬美冬
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第一滴:闇の雫②

どうも^o^



よんで下されば嬉しいです(^^)

第一滴:闇の雫②











ーどうすれば?どうすればあいつを家から追い出せる?どうすれば姉さんが苦しまない?


ビニール袋が重い。これを買うだけの金があれば、どれだけ姉さんにいい思いさせてあげれるのか。憎しみが憎しみを呼んだ。空が黒い。また…夜が来る。


「僕は、…弱い。」


涙が出る。僕がもう少し強かったら。姉さんは、姐さんは…。


「すんごい量の憎しみだね!」


どこからか声がする。あたりを見回すが、街灯が照らすこの路地には僕しかいない。


「ここだよ!」


また声がする。どこにも人がいない。


「ここだってば!」


目の前に顔のついた赤い球体が浮かんでいる。


ー何だこれ?


赤い奴はにいっと笑った。


「あなた、私と契約しない?」


「なんの契約ですか?保険なら入りません。」


ーこいつなんなんだ?早く帰らなきゃ行けないのに。


「違うわよ!あんた、とんでもない量の恨み辛みが有るでしょ?」


「だったらなんなんですか?」


「ねぇ、…その憎い奴を殺してみたくない?」


「こ、殺す?」


また赤い奴は卑しい顔をして笑った。


「そうよ。こ、ろ、す、の!どう?いい話でしょ?」


正直驚いた。どうすればあいつを家から追い出せるのか?答え:殺せばいい。こんな単純なことだったんだ。


「どうすれば、どうすればいいんですか?」


「これよ。」


そう言うと赤い奴は何もない空間から中が真っ黒の何かで満たされた小瓶を出した。


「これはね、《闇の雫》っていうの。人間の心の中にある闇の部分を具現化させる薬よ。飲めばあなたの心から闇が解き放たれるわ。」


僕はゴクリと息を飲んだ。


「それで、どうやって殺せるんですか?」


「簡単よ。あなたが思い描く武器を闇で作り出せばいいのよ。闇はあなたの望むままに変花するわ。」


「じゃあ、契約させて下さい。」


迷いはなかった。これで姐さんは救われる。そう思っていた。


「でもね、一つだけ条件があるのよ。この≪闇の雫》ね、100個の数量限定なの。」


「お金、…ですか?」


「そんなものいるわけないでしょう⁈私実は裏神様の使いでね、その神様がいま死にそうなのよ。それでね、この薬を飲んだ人間に闘わせて、あ!もちろんデスゲームよ!殺し合いの。それでね、次の裏の神様、通称"裏神"を選出するって裏神様がおっしゃるもんだからね、

「つまり、その薬を飲めば殺しの道具は手に入るけど同時にその裏神選びの候補者にも選ばれてしまうということですね?」


「話の腰を折るんじゃないよ…。まったく。

まぁいいわ。んで、私と契約するのしないの?」


ー1度だけの殺人の為にこれ程のハイリスクは大きすぎる。この先の人生を棒に振りかねない…。


また僕は自分のことしか考えていなかった。


「あの、じゃあ考えさせて下さい。」


「ふぅ、まあいいでしょう。私はこれより24時間あなたのそばを離れませんから、決心ついたら呼んで下さい。」


「あの、名前は?名前はなんというんですか?」


「私は『オズ』。ではまた、会いましょう。』


そう言って姿を消した。24時間。まだ時間はある。ゆっくり考えよう。

そして僕は急いで帰った。遅くなってごめんなさい。と言ってドアを開ける。


「…おう、遅えじゃねえか。」


目の前には信じられない光景が広がっていた。父親が素っ裸になって、奇声をあげながら姐さんを、姐さんを犯していた。僕は目の前のものが信じられず、腰を抜かした。ビニール袋から酒が散乱した。


「あ、…あ。いや。」


姐さんが喘いでいる。


ー頭がおかしくなりそうだ。


途端に怒りと悔しさがこみ上げてきた。こいつをどうやってここから追い出すのか…、脳裏を駆け巡った。しかしふと、思い出したのだ。


ーそうじゃん。殺しちゃえばいいんだ。


「オズ。いる?」


「居ますとも居ますとも。まあ、お盛んですこと。」


「黙ってさっさと薬をよこせ。」


「"裏神"の候補者になるということでいいってこと?」


「当たり前だよ。御託はいいからさっさと寄越せ。」


「はいはい。」


気付くと僕の手にあの薬が握らされていた。慌てて瓶の蓋を無理矢理取って急いで中身を飲んだ。味は…、なかった。


「契約ありがとうございます!」


「ねぇ、もう武器出せるの?」


「もちろん!」


ーそうだな、あいつを確実に殺せる武器がいいな。やっぱり一発で貫通できるように…、刃渡りは長い方が。


僕の手にはどす黒い刀が握られた。そして僕はゆっくり、ゆっくり父親がの方へ向かった。


「あ?なんだ?おまえも混ざりたいのか?」


「だ、だめ!類!みないでぇ!!」


ー大丈夫だよ。姉さん。もう、安心して。


僕は笑顔で、父親の腹に刀をゆっくり突き刺した。


「そんなことよりてめえさ…あばぁ。」


父親の血が、姉の背中に垂れた。


「え?なんだ。これ。」


また血が垂れる。自らの傷をみて気づかない所からすると、どうやらこの闇は普通の人間には見えないらしい。

また血が垂れる。今度は床に垂れた。まだ生きてるので、今度は馬乗りになって頭蓋に突き刺した。


「あぎゃゃゃょ'g'@tDm@,!」


よくわからない断末魔が家中に響いた。それでもまだ生きていたので、今度は目玉をえぐった。これが結構難しくてやっとの思いでえぐったかと思うと、父親は動かなくなっていた。父親は死んだ。それでもまだ、憎い憎い!僕の心が叫んでいたので、何回も何回も父親だったものを切り刻んだ。そして僕は父親だったものからはなれた。部屋中血まみれになっていた。ふと、部屋の隅に姉さんが怯えてるのが見えた。


「る、類?なにをしたの?」


「何って、父さんを殺したのさ!」


僕は笑顔で答えた。


姉さんの顔が引きつる。


ーなんで?姉さんの為に殺したのに。なんで喜んでくれないの?


「姉さんは父さんが死んで嬉しくないの?」


「…めて、やめて!もうやめて!…。ってよ。出てってよ!父さんと一緒にこの家出てってよ!」


「な、なんで?」


姉さんは裸のまんま、なにもみたくないかの如く目を手で覆って泣いていた。

仕方がないので、父さんだったものをひきづって僕は家を出た。夜空が綺麗だった。


「っっっっっぁぁぁぁああ!」


空虚と混沌の中で僕の心はしっちゃかめっちゃかに成った。


始めて声にならない涙が出た。

この度は少し残酷になってしまいました


次からは…、ということはないと思うので、残酷な描写がニガテだと言う方がいらっしゃったら、コメントの方で御指摘いただければ幸いです(*^^*)

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