第五章 セカイヘノミチ
――――――翌朝
「なぁ、起きてるか?朱音?」
「・・・・まだ、起きてないのか」
俺は、朱音が起きていないのを確認すると、リビングへと向かいソファに座って
本を読んでいた。
「ん~~~~はぁ・・・あ、おはよう~」
「ん?あぁ、おはよう、朱音」
「君は起きるのが早いんだね・・・」
「今日はなんか目が覚めまってな」
そんな他愛もない会話をしていた・・・・
世界崩壊なんて物騒なことなくて、このまま二人で暮らせればいいのに
俺はそんなことを考えていた。
「今日はどうするの?」
「どう・・・とは?」
「脱出方法よ、あと二日しかないのよ!」
「ああ・・・そっか・・・」
俺は少し忘れかけていた。
そして、この世界には、逃げるすべなど存在しないのではないのかと
少し考えてしまっていた。
「・・・・・」
「どうしたの?具合でも悪い?」
「あ、いや、大丈夫だ、今日は地下街のほうに行ってみないか?」
「わかったわ!準備してくるからちょっと待ってて!」
そして俺たちの長い長い二日間はこうして始まった・・・・
――――――――地下街階段前
「じゃあ、行くか!」
「これで脱出する方法が見つかればいいね!!」
「ああ!」
階段を降りると、そこはやはり、電灯の明かりはなく、暗いままであった。
「懐中電灯もってきといてよかったな・・・」
俺は少しつぶやいた。
朱音は暗いのが怖いのか俺の服をしっかりと握っていた。
コツン、コツン
誰もいない地下街に俺たちの靴音は響き、俺たちの恐怖をあおっていた。
「ねぇ、なんか話ながら、いこうよ・・・」
朱音がかすれるような声でつぶやいた
「・・・怖いのか?」
「こ、怖くなんかないわ」
「で、でも君のほうこそ怖いんじゃないかって思ったから!!!」
「・・・ふ~ん」
「・・・ふんっ!」
朱音は怒ってそっぽを向いてしまった
全く、怖いのならはっきりといえばいいのに
「このへんで一度休憩しないか?」
俺は朱音へと持ち出してみた
「いいわね!、そうしましょ!」
「・・・・なぁ、俺たち本当に帰れるのかなあ」
「当たり前じゃない!!諦めてどうすんのよ!」
俺はだんだんと諦めかけてしまっていた
そして、地面に大の字になって寝転がってしまった
「なんだ?アレ」
「どうしたの?」
「いや、上を見てくれ、なんか周りと違う色の壁が見えないか?」
「あ、ほんとだ、なんなのかな?」
「調べてみようぜ!」
俺は内心、期待で胸いっぱいであった
なにかこの世界の手掛かりを見つけたんじゃないか・・・と
「お~い、ハシゴとスコップ借りてきたよ~」
朱音はどこからか、道具を借りてきていた。
「助かるぜ!朱音!」
これで、救われたかもしれない、そんな淡い期待を抱きつつ
俺は壁を掘り壊していた。
「この壁・・・まさか絶対領域!? ビクともしねえ」
「そんな・・・!」
「チクショォ・・・ここまできたのに、ここまできたのによおお!」
「開けよおおお!!!!!このバカ扉ああああああああ!!!!!」
扉?俺はなぜ扉なんて口走ったんだ?
これは壁のはずではないのか?
いや、その前に、なぜ俺はこれが扉だと知っているんだ???
どこかで見たことがあるのか??
・・・思い出した
俺が小さい頃、近くの森で遊んでいた時に見た扉だ
そしてこの扉の開け方を俺はよく知っている
「扉よ!開け!」
俺は強く心に念じながら、そう告げると扉は開いた
「すごい・・・!!」
朱音も少し驚いた表情で出来事を見つめていた
「この部屋に、ヒントが・・・!」
そこは研究所のような場所だった
さまざまな資料が散在し、怪しげな液体まであった
まるで、誰かが住んでいたかのように・・・・
「ここは・・・?」
俺はそうつぶやいた。
「研究所・・・のようね、あ、君!ちょっとこれを見て!」
それは、俺と朱音のカルテ?であった。
「誰がこんなものを・・・?」
誰がなんのためにこんな資料や研究所があるのかわからなかった
「!!」
「どうしたの?」
「朱音、これを見てくれ」
to be continued




