第四章 ナカマトコドク
俺は、少女を抱えて、家へと戻った。
誰もいない森を抜け、商店街のほうへと向かう
「帰りに、こいつの分の飯も買っていくかな」
「ま、適当になんか買っとくかな」
俺は商店街の一角のとあるスーパーから適当に食べれそうなものを失敬し
帰宅した
「それにしても、こいつ誰なのかな・・・」
俺はその少女をベッドに寝かせ、リビングでくつろいでいた
ガタッ
突然寝室のほうから音が聞こえた
「あぁ、あいつ起きたのか」
そういいつつ、寝室のほうへと俺は向かった
「起きたかー?」
ぶっきらぼうに俺は言い放った
「ここはどこ?なんで私はこんなところにいるの?」
少女は少しおびえたような雰囲気をだしながら言った
「・・・ここはな、“孤独の世界”だ」
「こどくの・・・せかい・・・?」
やはり少女も事態がのみこめてないようだった
俺は、少女に状況を説明した
この世界が俺たちの“願い”から生まれたこと、偽りの世界であること
謎の少女と羽のこと、森にあった謎の限界点のこと・・・・
俺はすべてを少女に話した
少女はときどき悲しそうな顔をしながら俺の話を聞いていた
「なあ、君は・・・誰だい?」
「名前くらいわからないのか?」
「私は・・・朱音よ」
「あなたは?」
「俺は・・・」
そこまでいったとき、ふと感じた
俺は、一体誰なんだ?
今まで全然気づかなかったが、自分が何者かわからなかった
「俺は・・・自分の名前も何者だったのかも思い出せないんだ」
「気づいたらここにいてな、思い出せなくなった」
「ただ、世界に飽き飽きして“孤独”を望んだ学生だったのは覚えている」
「そうなのね・・・」
「私も、学生だった、ただ一つ私が覚えているのは、私も“孤独”をのぞんだってこと」
「でも・・・こんな限界があったり縛られてるような孤独はイヤ!」
「だよな・・・」
「なぁ、一緒に脱出について考えないか?」
「脱出するまで一緒にここに住もう」
「いいわ、そうする、そのほうが多少は安心するしね!」
「あなたも、悪い人ではなさそうだしね」
「よし!決まりだ」
「これからがんばろうな!」
そして俺たちは、この家に二人で住むことになった
世界の限界まで、あと、3日




