第三章 カクゴトゲンジツ
―――俺の願いは、本当にこんな世界だったのだろうか
最近、俺は感じていた。
何もなく、誰もいない・・・確かにそんな世界に憧れはあった。
でも、俺は本当に、本当にこんなわびしい世界をのぞんでいたのだろうか
「夢か・・・・」
俺は無言でベッドからでると、身支度を整え外に出た
「今日は、森のほうへ行ってみるか」
森は街のはずれのほうにあり、うす気味悪い空気が漂っており現実の世界でもあまり
近づこうとする人は少なかった。
「俺のほかのひとがいたりして・・・な」
この前の少女の言葉を思い出しながら俺は森のほうへと、一人向かった
「ったく、いつみても不気味な森だよなぁ・・・」
「入る気失せてくる・・・」
文句をたれながらも俺は奥へと進んでいった。
「確か・・・この先にでっかい樹があるんだったな」
「ん?あれは・・・誰だ?」
その樹の下に“彼女”はいた
死んだように眠りについて・・・
「この世界に・・・俺以外の人間?こいつが少女のいってた“願い”を共有するものだってんのか?」
俺はその少女を、置いていくわけにもいかず、抱え
森を駆けて行った
どこまでも
どこまでも
森で光が閉ざされ暗いこの闇の中を
「痛っ!!」
俺は“何もない場所”に頭をぶつけていた
「まさか・・・これは・・・この世界の限界、なのか?」
何度挑戦しても同じだった
そこには、“見えない壁”のようなものが存在していた
「やっぱり・・・この世界は偽物だ」
「俺は・・・作られた世界でいきるなんて・・・嫌だ!!」
「必ず・・・必ず脱出してやる、この偽の世界から・・・!!」




