第7話「火花と片腕」
拠点の撤収
夜を越えた三人は、レイナの判断で拠点を捨てる決断を下す。
「もうここは危ない。昨日のドローンは探索ルートに組み込まれてる。次は中を覗かれる」
レイナが地図を広げて指差したのは、西の丘陵地帯にある廃コンビニの裏倉庫。
以前、一度だけ隠れ場所として使ったことがあるという。
ミナが荷物をまとめ、ユイをゆっくりと手を引きながら出発する。
市場・工作師ヨゴロウの工房
三人はヤゴ市場に立ち寄り、ヨゴロウの作業小屋を訪れる。
「おう、また変なの連れてきたな。……おいおい、コイツ、アンドロイドじゃねぇか?」
レイナは黙ってユイの片腕の断面と、破損した装甲部位を見せる。
「右腕を仮でもいい。動けばそれでいい。……できるか?」
ヨゴロウの見立て
状態は「戦闘型の上位モデル」「パーツ供給が少ない」
仮設パーツで可動域30%、出力50%の簡易義腕を組むことは可能
損傷部のコーティングと関節メンテを行えば、小規模な移動・防御は可
ヨゴロウの要求
「で――対価の方は?」
「……手持ちはもう弾薬と乾パンくらい」
「なら、仕事をひとつやってもらおうか。報酬と引き換えってわけだ」
新たな依頼内容
地点:北西方向の第十七工業区跡
目的:電子制御チップと放熱モジュールの回収
企業系ドローンが時々出現するが、今は巡回が薄く“入りやすい”
ヨゴロウ「こないだのパネルの中身、評判よかったんだ。で、次の客は義体パーツの補修屋ってわけよ」
「ユイの義腕を完成させたきゃ、持ってこい。部品と手間はそれなりにかかる」
レイナ「了解。三日で戻る」
ユイの反応
ユイは仮に接続された義腕を見つめ、ぎこちなく手を開閉する。
「……これ、動きます。……ありがとうございます」
ヨゴロウが鼻を鳴らす。
「礼なら、部品持ってきた時に言え 死ぬなよ」
再出発の準備
ミナは市場でパン缶と濾過パックを補充。レイナは工具の刃を一本交換。
三人はまた、荒れた都市の影の中へと足を踏み出す。