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水没世界。  作者: こむぎ
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決意と消失

明日こそ告白しよう。


そう毎日思いながらも、挑戦出来ずにいた。


僕には好きな人が居る。


C組の詩乃 紗儚さん。


清楚で落ち着いてて、声が好き。


だから今日こそは告白──


までは難しいから話しかけてみようと思う。


神様、無事成功しますよう見守っててくださいね。


そう願いながら学校へと向かった。








そんな出来事も数日前の話。


僕は今、崩壊した世界に1人佇んでいた。


あの日、僕が話しかけるのを決意した日。


世界は水没した。


しかも僕は話しかけられずに終わっている。


真夜中の0時に人々は水に飲まれ、


永遠の眠りとなった。


大切な家族も友達も紗儚さんだって。


みんな亡くなった。


なのに僕は生きていた。


「僕だけ生き残っても意味ないんだって...」


そんな声を零すも、


誰一人として慰めてくれない。


そもそもここには今、


僕だけしか居ないのだから。


世界は深海にあるようで、


空を見上げると光の梯子がゆらゆらと揺れるのみ。


なのに僕は今、息が出来る。


普通ならとっくのとうに死んでいるはずなのにも関わらず僕は生命の証となる呼吸をしていた。




ビルなどの建物は破壊され、道は水浸し。


藻が生えているものだってあった。


「これからどうすればいいんだろ...」


居場所も食事も無い。


なのにも関わらず、


お腹は空かず案外冷静な僕だった。


もし、今誰かに会えたならどれだけ幸せなのだろうか。

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