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1話 乙女ゲームの主人公に転生しました。

 乙女ゲーム

 ラブ☆メモリー 〜剣と魔法とプリンス〜

 通称ラブメモ


 わたしが佐藤愛真(えま)という日本人だった頃に遊んだことのある恋愛ゲーム。


 なんとわたしはラブメモの主人公に転生してしまったようだ!

 ラブメモでは主人公の容姿がはっきりとは描写されておらず、珍しいピンク色の腰まであるウェーブがかった髪の毛と透き通った水色の瞳という情報しかなく、デフォルトの名前もないのだ。

 おそらくそのせいで今の私の名前はエマ。

 日本人だった頃の名前と全く同じである。

 平民なので苗字はない。

 苗字があったらサトーとかシュガーとかになってたのかなぁ?


 前世の記憶を思い出してからわたしの世界は一変した。

 わたしはラブメモの主人公なのだからこの世界のシナリオを狂わせる訳にはいかないと思い、美容に学力、そしてマナーに沢山の教養を身につけた。

 まずはラブメモの舞台である王立学院に必ず合格しなければならないからだ。

 最初に家族に学校に行きたいと話した時にはとても驚かれた。辺境の小さな村ではまだまだ学校などには行かずに家の手伝いをするのが常識だからだ。

 それでもシナリオの強制力のおかげか、両親に家庭教師を付けてもらい、それからはひたすら勉強漬けの日々。

 小さい頃は動きにくく肩口で切りそろえていた髪の毛もケアをしながら腰の辺りまで伸ばし、体型維持のために運動も忘れない。


 王立学院の入学試験は大きく分けて、学力、武力、魔力の三部門あるらしい。

 というのも、ゲームでは主人公が学院に入学するところから始まるので入学試験がどんなものなのか分からないのだ。



 平民、貴族、王族の垣根なくお互いの技術や知識、教養を高め合う王立学院。

 普通科、教養科、騎士科、魔術科、芸術科、特進科に分かれている。

 身分の垣根なく、と銘打ってはいるが特に目立った成績がなければ、平民なら普通科、貴族なら教養科に組み分けられる仕組みだ。

 騎士科は剣や弓などの武力に秀でた者。

 魔術科は魔力が高く、それを操る能力に優れた者。

 芸術科は美術、音楽などの才能を認められた者。

 特進科は王族と特に秀でた才能を持っていると学院側から認められた生徒で構成されている、と言われているが学院の長い歴史の中で主人公が選ばれるまでは平民で特進科に選ばれた者はいなかった。


 という訳で主人公のわたしはただ入学するのではなく、ゲームの設定通りに特進科に配属されなければならないのだ。



 ラブメモのゲームシステム的には


 ・学力

 テストではストーリーの内容について四択のクイズが出題され、その正否で学力数値が決まる。


 ・魔力

 いわゆるリズムゲーム。音楽に合わせてボタン入力する。

 その成功率で魔力数値が決まる。


 ・武力

 画面上にいくつか表示されているボタンを、指示通りに素早く入力する。

 その成功率と素早さで武力数値が決まる。


 学力数値は勉強で補えるとしても、問題は魔力と武力である。

 当然だが入力するためのボタンが目の前に表示されるわけはないし、そもそも現実の世界で入力ってなんだ……。

 魔力量は生まれつきのもので変えられないが、その魔力を操り魔術として扱う技術は訓練を続けるしかない。

 武力の方もとりあえず生活の中で運動神経を磨くしかなさそうだ。

 合格のために、わたしができることはなんだってしなきゃ……!


 これもラブメモの攻略対象たちに囲まれて過ごす甘々な学院生活のため……!



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