マリオネット・フォーミュラ

世界を熱狂させる人型機械競技「マリオネット・フォーミュラ」。
人々が「モータースポーツ」と呼びながらも、その戦いは軍事兵器を思わせる熾烈さを帯びていた。

国際大会に挑む数多のチームの中に、日本の弱小チーム「ready」がある。
彼らは公式大会期間中ただの一度も勝利を掴めず、解散の危機に瀕していた。
資金も人材も心許ない。
それでも彼らは諦めない。
紫色の機体《ブルー・ヘヴン》と共に、仲間たちは最後のチャンスに挑むのだった。

中心となるのは若きトレーナー・釈迦堂礼人。
冷静で不器用な彼と、天才肌のクリエイター空也、真面目な新米オペレーター土筆、皮肉屋の麗、そして美貌と冷徹さを兼ね備えた監督・久梨奈。
彼らが織りなす人間模様は時に滑稽で、時に痛烈だ。友情、裏切り、恋愛の揺らぎが、機械の戦場に交錯していく。

だが大会の裏では、マリオネットを「兵器」として売り込もうとする巨大企業の陰謀が進行していた。
軍事利用を禁じられたはずの機械人形が、戦場へ投入されつつある----企業の思惑と国家の野望が交錯する中、「ready」の仲間たちは、ただの敗北続きの弱小チームに過ぎないはずの自分たちが、知らず知らず世界規模の陰謀に巻き込まれてゆくことを知る。

試合に負ければチームは解散。勝ち残れば、望まぬ「戦争の歯車」に組み込まれる。
果たして彼らは「操り人形（マリオネット）」のように運命に踊らされるのか。それとも己の意思で未来を掴むのか。

友情と野心、笑いと涙、そして巨大機械が激突する熱きバトル。
弱小チームの反撃が、今始まる----