巫女と四季折々の瞳
遅くなりました。
四季折々の瞳の持ち主達は皆…大切な人達がどんどん亡くなって行った…。
桜良、夏維、千秋、冬空は大切な人達から言われた通り春咲神社に向かう事にした。
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〜春咲神社〜
【鈴乃】「まさか…こんなにも早く敵が来るだなんて…。桜良ちゃんと桜兎君、夏維君に千秋君、冬空ちゃん…大丈夫かな?」
春咲神社の巫女である春咲鈴乃は神の神託により、月雲一族、南雲一族、出雲一族、神雲一族に悲劇が起こった事を知った。
四季折々の瞳の持ち主が皆生きているのは知っているが…
今まで育ててくれた家族。
幼く可愛い妹。
ずっとそばに居てくれた幼馴染。
何も知らなかった自分に沢山の知識や知恵を授けてくれた恩師。
今まで平穏な日々を送っていたのに急に大切な人達が…それも、もう二度と会えないのだ…。だから精神的な傷を負っているだろう。
もしも今此処で鈴乃の妹、春咲鈴音が何らかの悲劇で居なくなったら…と考えると鈴乃は震えた。
鈴乃が色々と考えていると、何かに服の袖を引っ張られた。
何かと思うとそこにはまだ幼さの残る妹の鈴音が…。
【鈴音】「お姉ちゃん…どう…したの?そんな怖い顔して…」
少し怯えたような表情で鈴音は尋ねてきた。
【鈴乃】「あぁ、ごめんね…。桜良ちゃん達、大丈夫かなって思って…」
そう言うと鈴音は少し悲しそうな顔で
【鈴音】「桜良お姉ちゃん達に何か合ったの?」
鈴音にどう伝えるべきなのだろう…。
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〜月雲一族の悲劇後〜
桜良と桜兎はお母様に言われた通り春咲神社へ向かう事にした。春咲神社はいつもは馬に乗っても1ヶ月は掛かっていた。桜良は体力が無いから桜良を連れてなら多分2ヶ月は掛かるだろう…。
【桜良】「ねぇ……桜…兎。春咲…神社に…行ったら、あの…怖い人達は…居ない…よね?」
桜良の声は震えていた。
声が震えるのは仕方ないだろう…。あんな事があったのに平常心でいられる訳が無い。
【桜兎】「あぁ。居ないよ。居たとしても俺が桜良を守るよ!」
桜兎は冷静だった。
【桜良】「桜兎…鈴乃ちゃんも鈴音ちゃんも…死んでないよね?私達の一族みたいになってないよね?」
桜良は完全に落ち着きを失っている。
【桜兎】「分からない。でも、あの二人は巫女だ。だから、神様からの神託があるから2人に危険が迫っても神様に守って貰えるよ」
桜兎はまたも冷静に応えた。
だが…桜良は桜兎が冷静に応えてもすぐにまた違う質問をする。
桜良は他の瞳の持ち主とは違って、桜兎が護衛をしていたので精神的な鍛錬も肉体的な鍛錬もしていなかったので今の状況がどうしても理解できなかった。
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〜南雲一族の悲劇後〜
写真を見て春咲神社へ向かう事にした夏維は短刀と忍具を用意した。
火事になった時…夏維は人影を見たのだ。
その人影は夏維を見た瞬間逃げ出したのだ!
【夏維】「そう言えば…写真の裏に何か書いていたな」
そう言って夏維は写真の裏を見た。
そこには幼い妹の陽葵の字が!!!
写真の裏には
『おにいちゃんになにかあったらはるさきじんじゃにいく!おかあさんとのやくそく!』
陽葵は幼いのでまだ漢字が書けなかったのか…。
春咲神社は夏維の屋敷からはすごく遠い。歩いて行くと考えると半年は掛かるだろう…。それでも妹の思い出の場所でもある春咲神社に行こう!
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〜出雲一族の悲劇後〜
千秋は一族全員と大好きだった秋辻楓が化け物になってしまい…妖刀村雨で皆を斬った。
楓に自分の気持ちを伝えられなかった…。
何故…楓が化け物に…。そもそも、あんな化け物にどうやって…。
その方法を春咲神社に行けば知れるだろう。
【千秋】「なぁ…村雨。君の力では化け物を人間に戻す事は出来ないの?」
千秋は刀に話し掛けた。
すると!!!!
【村雨】「あぁ無理だね。僕の力は斬った物の傷口から様々な呪術を掛ける事しか出来ないからな…。呪いを呪いで治す事は出来ない」
千秋の刀、妖刀村雨は急に話し出した。
出雲一族では昔から珍しい色の瞳の持ち主は魔物の力が宿った刀を使うのだ。
千秋の刀、村雨は呪術を得意とする化け狐の宿った刀だ。
魔物にも沢山の種類が居るのだ。狐以外にも化け猫や魔犬など。
【千秋】「そうか……」
千秋は残念に言った。千秋も分かっていた。それに…死んだ者が帰って来ない事は千秋が1番知っている。
兎に角、楓が化け物になった理由、それからその様な呪術が使える者について調べる為に春咲神社へ向かう事にした。
千秋達の屋敷からはだいたい3ヶ月位かかるだろう。
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〜神雲一族の悲劇後〜
葉月の手紙に書かれていた春咲神社に冬空は向かう事にした。冬空の屋敷から春咲神社は1ヶ月程で行ける!
辻斬りで精神もズタボロな筈だか日々の鍛錬のお陰で何とか平常心でいられた。
【冬空】「先生…。今までありがとうございました…」
そう言って葉月のお墓の前で合掌をしてから冬空は歩き出した。
先生が私達の一族を恨んでる筈は無かったのだが…。
【冬空の内心】「先生はもしかして操られていたのか?」
そんな風に思考がハチャメチャな方向に行ってしまう…。
また間が開きますが…テストが終わったらまた次話を頻繁に投稿します