プロローグ
新規小説です
全11話(プロローグ、エピローグ含む)になります。
最初から主人公が救われる事がない完全バッドエンドになります。
予約投稿で毎日1話ずつ自動投稿です。
感想等受け付けておりますが、返信できるかどうかは実生活の事情により分かりません。
また内容の修正は行いません。誤字は一応チェックしておりますが、投稿後に再編集する予定も現在はありません。
基本エピローグ以外で主人公が登場しますが、どれも気分が良い物ではないと思いますので、閲覧時にはご注意下さい。
何事も突然の物事というのは突然に起きるし、それって自分の意思とは関係無しに起きたりする。当然予告や予兆なんて有るはずも無い。あったとしたら突然とは言わないと思う。そして突然だから対処なんか普通は出来ない。
僕が学校生活の中でスクールカースト最底辺に固定されたきっかけなんて、正直僕には分からない。ただ小学校に入ってすぐに、その位置は固定されたと思う。そして高校生になった今も、その位置は変わらない。変わるきっかけはあったかもしれないけど、それが分かっていたらとっくにやっている。
当然スクールカースト最底辺に位置するような場合、様々なイジメに遭うのだけど、なぜか今まで何度も行った自殺に成功した事はないし、周囲から行われたイジメを超えた殺人的行為ですら、何故か僕は助かっている。そして僕が自殺未遂した事はかなり知られているみたいだけど、それでもイジメがなくなったりはしない。むしろ酷くなる。
高校に進学して、進学校とはとても言えないところだけど、少なくとも底辺の高校とは違うはず。それでもスクールカースト最下位の立場は小学校から変わりがないのと、悪質化している事は分かっているけど、僕には止める手段がない。そもそも止めてくれる人がいない。
小説とかにあるような、助けてくれる存在がそんな簡単にいたら苦労はしない。誰だって自分が可愛いから、余計な事をして自分にまでイジメが飛び火するのは嫌なんだとは思うけど、世の中って残酷だと思う。仲の良い幼馴染みなんていない。そもそも幼馴染みがいないのと、イジメを受けている僕に友達となってくれる人がいない。世の中残酷だ。
そんな僕は、今も6人の同級生(男子4人、女子2人)に加え、さらに他のクラスの同期生の男子3人、合計9人にイジメという名の暴行を加えられている最中だ。既に傷も負っているので、傷害事件だと思うけど、誰も取り合わないだろう。ちなみに既に殴られて顔は腫れ上がり、足は散々踏みつけられたりして青あざになっているし、見えない胸や腹は、さっきから悲鳴を上げている。そんな状態だから、僕は悲鳴どころかまともに声すら出せない。口の中は血の味がするし、鼻から血が出ている。ブレザーは脱いでいるからまだマシだけど、ワイシャツには所々新しい血が付いているし、古い血痕も残っている。
授業開始のチャイムが鳴る。他のクラスの男子3人はクラスから出て行ったけど、男子同級生4人の暴行は継続中。流石に女子2人は席に戻った。最後に蹴りをそれぞれくれたけど。これは担任がクラスに来るまでいつもの事。しかも次の授業が男の教員であったとしても関係ない。そもそも学校側が黙認している。高校に入って教師にも当然相談したけど、何の解決にもならなかった。むしろ悪化している。
チャイムから多分1、2分ほど遅れて、やっと担当教科の教師が来た。それと同時に暴行が終わるけど、クラスの最後尾壁際にいる僕は、痛みで立ち上がる事すら出来ない。
「古河、さっさと席に着け。お前らも程々にしておけよ。それと古河、掃除は忘れるな」
社会科の教科担当で担任の藤沢武彦が声をかけてきた。同時に柔道部の顧問で、段位持ちらしい。イジメの事は把握しているけども、見て見ぬ振りどころか、時々笑っているのを知っている。当然僕はこんな奴を先生とは思っていない。そもそも『程々にしておけよ』というのがおかしいし、血で汚れた床を僕が拭くのもおかしな話。学校でのイジメなんて、こんな物だ。結局味方なんてどこにもいない。
結局授業の半分ほどが過ぎた辺りでやっと席にたどり着く事が出来たけど、痛みは継続中。痛みが引くのは大抵次の休み時間の頃になるので、授業に集中できないどころか、まともに授業を受ける事が最近は出来ていない。当然成績は悪くなる一方だ。今では成績もかなり下位に位置している。いくら自宅で復習しようとしても、そもそも授業をまともに聞けなかった状況で、教科書以上の内容なんて知る事は出来ないし、出題範囲が知らされていたとしても僕には分からない。そして何故かテストで出した答案用紙が汚されたり破られたり、時には紛失する。教師もグルなのはここでも分かる。
再度休み時間の度に、同じ事が起きる。暴行を加える奴が時々変わるけど、僕にとっては同じ事だ。なのでクラスの連中は全員敵としか思っていない。今も女子の何人かが、僕を汚い物でも見るかのような目で見ながら横を通り過ぎる。その足は僕の教科書やノートを踏んでいて、ページの一部が破ける。
お昼休みはいつも弁当を持参して、お金は持ってきていない。最初の頃は購買で買うために持ってきていたけど、そんなお金が無理矢理取られる事はいつもの事になり、今では自分でお弁当を作って持参し、金銭は一切持ってこない事にしている。
それでも無理矢理買いに行かせる行為はいつもであり、今日も10人から無理矢理頼まれ、しかも監視付きの荷物持ち。無理矢理連れ回されるので、逃げる術はなく、そもそも力で敵わない。
そしてその間に作ってきた弁当にイタズラされる事はいつもだ。大抵は弁当の中身がグシャグシャにかき混ぜられたりする。最悪の時は、弁当箱ごと中身が無くなり、別々にゴミ箱にあるか、弁当箱が破壊されているか。そして今日は、中身が全部なくなって、その中身はゴミ箱に入っていた。なので今日は昼食抜き決定。水道の水で無理矢理腹を膨らませようとしても、結局お腹が空いている事に変わりはない。そもそも水に栄養なんて無いので、喉の渇きを潤す程度にしか飲まないし、飲み過ぎるとこの後の暴行で吐き出してしまう。
もちろん昼食時の事で助けてくれる人など誰もいないし、むしろ誰もが笑っている。しかも指を指して笑っている者までいる始末だ。
一応最初に部活動に所属はしたけど、今は退部した。正確には逃げ出した。とてもじゃないけど、部活が出来るような状況じゃない。それに入った初日に、いきなり先輩から集団暴行を受けた。その時は救急車騒ぎになったけど、結局学校の責任など問われず、それどころか暴行その物が無かった事にされた。だから翌日に退部届けを書いたけど。
最後のホームルームの時間となったけど、折られた鉛筆やボールペンなどを片付ける。消しゴムはいつの間にか無くなっていた。折られた物は家で捨てるしかない。顔には今もアザが残っているはずで、ホームルームで何を話しているのかすら理解出来ない。というより、耳鳴りがしてよく聞こえない。
ホームルームが終わったのか、周囲が騒がしいのが分かった。腫れた顔をゆっくり上げると、教室の中が異様に明るく感じて、僕はそのまま気を失った。