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モジシャン  作者: 9741
第1章 遅れてやってくるのはヒーローだけで十分
3/9

特別な日には、とびっきりのお洒落をして

 6月22日。

 

 今日も乃々(のの)勇助(ゆうすけ)とデートの約束をしていた。駅前に12時に集合で。


 乃々(のの)は11時55分に来て、勇助(ゆうすけ)を待った。


 そして勇助(ゆうすけ)はきっちり来た。きっちり1時間遅れの13時に。


 遅れた理由は、また同じ。怪人の写真を撮りに行っていたから。






 6月28日。


 この日、乃々(のの)勇助(ゆうすけ)と流行りの映画を見る予定だった。予定だったのだ。


 だがしかし、彼は劇場入場開始時刻になっても現れなかった。


 仕方ないので乃々(のの)は1人でポップコーンとコーラを買い、1人で映画を見た。


 映画が終わり、シネマから出ると土下座の勇助(ゆうすけ)が出迎えた。


 遅れた理由は、やっぱり、怪人の撮影をしていたから。






 6月29日。


 昨日の埋め合わせにと、勇助(ゆうすけ)乃々(のの)を遊園地に誘った。


 頂上でキスをすると永遠に結ばれる、という噂がある観覧車に2人は乗った。


 さすがに観覧車の中なら彼も撮影には行けないだろうと、乃々(のの)は思っていた。


 しかし、頂上に到達する前、スマホから怪人の出没情報を入手した勇助(ゆうすけ)は、観覧車の扉を無理矢理こじ開け、外に飛び出してしまった。


 このせいで観覧車は緊急停止。撮影から戻ってきた勇助(ゆうすけ)と、そして連帯責任という理由で乃々(のの)は係員にしこたま怒られた。






 6月30日・7月1日・2日・3日も、こんな感じでデートは滅茶苦茶になった。


 理由は全て、勇助(ゆうすけ)が怪人の写真を撮りに行っていたから。


 しかし彼がどんなに遅刻しても、乃々(のの)は本気で勇助(ゆうすけ)を怒らなかった。


 不満はもちろんあったが、彼女は彼の仕事を理解していたし、何より乃々(のの)勇助(ゆうすけ)を愛していた。


 だから乃々(のの)は毎回、彼を許した。友人達が『そんな彼氏、別れなよ』ともっともなアドバイスをくれても、乃々(のの)はスルーして勇助(ゆうすけ)との交際を続けた。


 そして今日、7月7日は彼らが交際を始めてから、記念すべき1周年。アニバーサリーだ。


 1年続いた愛を祝うため、そしてこれからの愛を誓い合うために、乃々(のの)勇助ゆうすけは町1番のレストランで食事をすることにした。


 このレストランはとても人気で、予約しても1ヶ月待たなければならない。だから2人は1ヶ月前に予約をした。


 乃々(のの)はとびっきりお洒落をした。普段は絶対着ないようなドレスを身に纏い、ハイヒールの靴も履いた。


 念入りに化粧もしたし、美容院で髪を整えてもらったし、ネイルサロンで爪も磨いてもらった。


 勇助(ゆうすけ)にプレゼントするためのペアリングも用意した。


 勇助(ゆうすけ)は変わったペンダントを持ってはいるが、指輪は持っていない。プレゼントには最適だと自信満々な乃々(のの)


 ルンルン気分で彼女はレストランに到着した。


 登場人物情報が更新されました


佐倉(さくら)乃々(のの)

 19歳。女性

 ミスコンで銅賞を貰えるほどの容姿を持つ。


 勇助(ゆうすけ)との交際1周年記念デートをとても楽しみにしている。


 好きなライダーは、仮面ライダー電王(超クライマックスフォーム)



江角(えすみ)勇助(ゆうすけ)

 19歳。男性

 乃々(のの)の彼氏。


 怪人を専門とした、フリーのフォトグラファー。怪人が出没すればどこへでも行く。

 だがその行動は行き過ぎることが多々ある。


 好きなライダーは、仮面ライダーディケイド(通常形態)。


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