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モジシャン  作者: 9741
第1章 遅れてやってくるのはヒーローだけで十分
2/9

写真家の仮面ライダーってそこそこ多い

「分かってはいるけど、一応言い訳を聞いてあげるわ。どうしてに・じ・か・ん

も遅れたの?」


 2時間という単語を、これでもか、というくらいに乃々(のの)は強調する。


 乃々(のの)勇助(ゆうすけ)は近くで営んでいる、良い感じの喫茶店に入った。


 ここの店は若い男女に人気で、2人もよく利用している。もしかしたら乃々(のの)をお茶に誘ったナンパ男も、この店を選んだかもしれない。


 なお遅刻した罰として、勇助(ゆうすけ)は彼女にデラックスパフェを奢らされている。この店で1番高い品だ。


「ははは。いつものあれだよ。隣町に怪人が現れてさ、その写真を撮っていたんだ。ほら見てみろよ、この写真なんか良い感じに撮れていると思わないか?」


 勇助(ゆうすけ)は写真をテーブルに自慢げに並べる。 簡素に説明すると、この町ではしばしば怪人が出現する。


 怪人とは何かの隠語ではない。アニメや特撮に登場する、地球上の生物ではない摩訶不思議な存在、あの怪人を指している。


 そして勇助(ゆうすけ)はフリーのフォトグラファーであり、それも怪人を専門とした写真家だ。


 怪人が出没すれば、東西南北どこへでも現場に駆けつける、江角(えすみ)勇助(ゆうすけ)はそういう男なのだ。乃々(のの)もその点は理解している。


 ちなみに彼愛用のカメラは『blackbird, fly』。仮面ライダーディケイドこと門矢士が使っていたものと同じカラーリング。


 乃々(のの)はパフェをつつきながら、勇助(ゆうすけ)の写真を横目で見る。


 カメラや写真に関しては素人である彼女の目から見ても、勇助(ゆうすけ)の写真は綺麗でアングルも良いと思う。


 だが、彼の写真には致命的な欠点があった。


「相変わらず、ヒーローは写ってないのね、アンタの写真」


 スプーンの柄尻でトントンと写真を叩く乃々(のの)。彼女の核心をついた発言を誤魔化すかのようにコーヒーを口に含む勇助(ゆうすけ)


 さきほど、この町には怪人が出ると説明した。


 しかし怪人だけではない。光があれば影があるように、怪人がいればそれを倒すヒーローも存在する。平和を脅かす悪から人々を守る正義の味方だ。


 だが勇助(ゆうすけ)の写真には怪人だけ。怪人が町を破壊する写真ばかりで、ヒーローと怪人の戦う画が無い。


「はは……。ほら、俺って怪人専門の写真家だから」


 怪人単体よりヒーローと怪人のツーショットの方が良いのではないか、と口には出さないが乃々(のの)はそう思う。


「ハァ、まあいいわ。でもあんまりこういうことが続くと、私の気持ちがアンタから離れちゃうかもしれないから気をつけてよね」


「サーイエッサー」


 勇助(ゆうすけ)は軍人のように敬礼をした。


 登場人物情報が更新されました


佐倉(さくら)乃々(のの)

 19歳。女性

 ミスコンで銅賞を貰えるほどの容姿を持つ。


 甘い物が好きな、典型的な女子。

 よくデートに遅れてくる勇助にパフェを奢らせている。


 好きなライダーは、仮面ライダー電王(超クライマックスフォーム)



江角(えすみ)勇助(ゆうすけ)

 19歳。男性

 乃々(のの)の彼氏。


 怪人を専門とした、フリーのフォトグラファー。怪人が出没すればどこへでも行く。


 好きなライダーは、仮面ライダーディケイド(通常形態)。


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