魔法少女を産む者こと黒色聖母の物語
電車での移動時間に、暇だったのでスマホで作った物語です。
続きを書くとしても通勤内です。
尚、キミオレセカイ(君が見ていた世界と俺が見ていた世界)はPCのみでの投稿となりますのでご了承ください。
17/3/19 21時:誤字脱字を修正しました。
駅では人々の悲鳴で埋め尽くされていた。
外に出ようと皆が同じ方向に走っている。
そして俺もその内の一人だった。
だが俺のすぐ後ろには既に奴が近づいて来てた。
俺の後ろには沢山の人が居たはずなのに、その人らは食べられてしまったのだろうか。まあそんなんじゃないけど。
あ、俺の前にいた一人の少女が転んだ。そして俺が少女を追い越そうとしていた。
奴はその少女に襲いかかろうとしている。それと同時に少女の叫び声が響き渡る。
ちょうどいい。
俺は方向転換して、奴を殴りつける。
「グラァー!」
奴は声を上げて少し吹き飛んでこちらを睨みつけてくる。
「たっ、助けてくれたの?」
少女は俺の姿を見て、喜びに溢れた声を出す。なんだ?俺の事を白馬の王子様とでも思ってるのか?
「いや、俺が助かるためにお前に戦ってもらおうと思ってな」
「え?」
俺は少女の疑問を気にせずに少女の腕を掴む。そして少女の手が奴に向かうようにする。
「力を与えてやる。一緒に唱えろ。途中からは自分の中に響き渡る声をそのまま唱えろ!」
「え?」
「え?じゃない!死にたいのか!」
「わっ、わかった」
奴はまだこちらを警戒したまま動かない。と言うよりも動かなくしてるのは俺なんだが。まあそこは秘密で。
「「私は願う、過去、未来、」」
そして俺と少女は唱える。俺はそれと同時に掴んでいる少女の腕に魔力を流し込む。壊れない程度に強引に流し込む。
「あっつ」
「おい!」
そしてその魔力に熱さを感じたのか途中で少女は、詠唱とは関係ない言葉を出してしまう。
「我慢しろ!死ぬよりはマシだ!もう一度行くぞ!」
「はい!」
死ぬよりは怖くないだろと脅しをかけてもう一度詠唱が始まった。
「私は願う、過去、未来、そして今を築く」
俺が唱えるのはここまで、あとは魔力に込めたからこの少女が唱えるだけ。あとここから先は人それぞれ違うから俺じゃ唱えることできないし。
【私は願う、過去、未来、そして今を築く。この力と共に、守りあげる世界を!】
そして少女は変身する。
ただの少女から、魔法少女へと。
学校の制服だった姿から、薄緑色を基本とした魔法少女の服へと変わった。
ふむ、守りあげる世界をか。大層なことで。
「あとは手の先にでも力を溜めて、やりたいことを想像しながら願えばいい、じゃ、あとよろしく」
俺はそう言って誰もいなくなった出口の方へと逃げる。
「えっ!ちょっとまっ・・・」
少女が何か言ってたが俺は気にしない。俺は元々逃げていたのだ。奴ではなくもっと面倒なものから。
そいつらは、近くまで来てるのが分かったから俺は逃げなくてはいけなかったんだ。
走ってる途中で前髪が視界を邪魔する。
あー、もう、邪魔だな。
さっきまでは視界を邪魔するほど無かったが、魔力を使ったせいで伸びて来たのだ。
とまあ、そんな感じで俺は逃げ延びたのであった。
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学校の帰り道で電車を降りて外に出ようとすると、それは突然現れた。
黒い霧を纏いながら見える一見外見は黒いライオンの様な物に、牙や爪が長く伸びている化け物。モンスターが。
私たちは直ぐに逆方向の出口に逃げようとした。モンスターを見ると1匹だけじゃなく、何匹かいた。
そしてそれに立ち向かう人もいた。
魔法少女だ。
赤と青の服を着た少女が魔法を使って向かっていった。
しかし、多数対二人という状況で、1匹はこちらに向かって着た。
それに気付いた青の魔法少女は、私の後ろにいた男の人の手前までは、魔法で防壁を張ったが、男の人と私は取り残されて逃げる羽目になった。
そして私は転んだ。
そのまま男の人に抜かれて、モンスターが近づいてきた。
「いやーー!」
私は叫んだ。叫んでもどうしようもないけど、叫ぶ事しか出来なかった。
私はモンスターに噛みつかれると思って目を瞑る。
・・・
けど、私は噛みつかれなかった。
「グラァー!」
モンスターは叫びながら小さく後ろに飛ばされていた。
それをしたのは、先ほど私の事を抜いたと思っていた男の人だった。
その男の人が殴りつけてモンスターが軽く飛んだのだ。
「たっ、助けてくれたの?」
私は半信半疑に問いかける。
だって基本的にモンスターを倒せるのは特殊な女の人、魔法少女だけなのだ。
だから男の人が、自らの身を呈して守ってくれるなんて思ってもいなかった。
この人はとても良い人!?
「いや、俺が助かるためにお前に戦ってもらおうと思ってな」
「え?」
だが思っていたのとは、全く違う言葉が返ってきて私は驚いた。
私が戦うって何?貴方が助かるなら私を見殺しにしてその間に逃げれば良かったんじゃないの?
この人の言ってる事はよくわからなかった。
「力を与えてやる。一緒に唱えろ。途中からは自分の中に響き渡る声をそのまま唱えろ!」
「え?」
また男の人はよくわからない事を言った。
力って何?唱えるって?しかも腕を握ってきて、私の手をモンスターに向ける。何をするの?
「え?じゃない!死にたいのか!」
「わっ、わかった」
そして疑問に思っていると怒鳴られた。確かにこの状況だと何かを考えている暇がなさそうだ。取り敢えず死ぬにしても、助かるかもしれない道としてこの人の言うとおりにしてみよう。もしそれで死んだならこの人を恨めば良いんだ。
そして私は男の人と同時に真似をしながら復唱した。
「「私は願う、過去、未来、」」
しかし、唱えていると男の人が触れているところから何かが流れ込んできたみたいで、それがとても熱く感じて私は咄嗟に反応してしまう。
「あっつ」
「おい!」
そしてまた怒鳴られた。けど熱いって知らなかったんだもん。知ってたら耐えられたよ!
「我慢しろ!死ぬよりはマシだ!もう一度行くぞ!」
「はい!」
男の人がまた怒鳴って、ああ、この人も必死なんだなって思った。
だから私は素直に返事をした。
そしてまた唱えていく。
「私は願う、過去、未来、そして今を築く」
男の人が途中まで一緒に唱えて、その後男の人は何も言わなかったけど、私の中に流れ込んでくる声をそのまま唱える。
【私は願う、過去、未来、そして今を築く。この力と共に、守りあげる世界を!】
そして、私の周りは輝いた。
そして、私は普通の少女から、魔法少女になったのだ。
そして、私はモンスターから人を守る役割を得たのだ。
そして、男の人はそれを見て、最後に言葉を残して去っていった。
「あとは手の先にでも力を溜めて、やりたいことを想像しながら願えばいい、じゃ、あとよろしく」
「えっ!ちょっとまって下さい!」
私はそれを見て叫んだが、それは無駄に終わった。
こういうのって、パートナー的な人が魔法の使い方を説明してくれるものじゃないの?
なんで去っていったの?
「グルルッ、グラァー!」
そして、男の人がいなくなったとばかりにモンスターは動き始めてこちらに襲いかかってきている。
私はまだモンスターに向かって手を向けたままだった。
えっと、最後に男の人が言っていた言葉は、手の先に力を入れてやりたいことを想像して願う?
私は手の先に力を入れる。
私はこのモンスターから人々を守りたい。
あの男の人が私を一瞬でも守ってくれたみたいに!
そう、守りたいんだ!
「グラァ!」
モンスターが私に攻撃してきた。
けど私はさっきみたいに目をつぶらなかった。
私が守るんだ!
「守るんだーー!」
そして、私の手の先から薄緑色のした半透明の壁が生まれた。
「グゥラァ!」
そのままモンスターはそれにぶつかって悲鳴をあげた。
これが私の力・・・
モンスターは薄緑色の壁に攻撃しているが、何も影響がない。
あれ?でも、このままだと勝てないよね・・
えっと、さっきの男の人、助けて下さい・・・
そう思ったら、次の瞬間には、そのモンスターが燃えた。
そして、氷に貫かれて消滅した。
「大丈夫!?」
それと同時に、モンスターのいた奥の方から声をかけられた。
その人は、赤い服を着た魔法少女だった。その隣からは青い服を着た魔法少女もいる。
あー、助かったんだ。
「えっと、君は・・・、うん。魔法少女になったばかりだね。ようこそ、魔法少女の世界へ。でさ、少し前に不思議な男の人いなかった?」
「いや、最近なったてことは、ハルがこの子を魔法少女にしたんだと思うよ」
赤の魔法少女が私に話しかけてきたと思ったら歓迎されて質問された。それと時間差がなく青の魔法少女が赤の魔法少女に言葉を返す。
えっと、男の人ってさっきの人かな?その人がハルって名前なのかな?
「あ、そっか!またハルの奴、魔法少女を作るだけ作って逃げたな!」
「そうみたい、となると、もう近くにはいないね」
私をほっておいて話を続ける二人の魔法少女。
「えっとその男の人って?」
私は取り敢えずこう聞いてみた。
「あ、えっとね。私達の母っていうか、父っていうか、まあそんな感じの人!」
私の事を忘れていたのか、最初は驚いた感じだった。けどその後ちゃんと返してくれた赤の魔法少女さん。
「母?父?」
そこまで年取ってたように見えないけど、いや、むしろ私達とあまり年代が変わらないように見えた。
「私達を魔法少女にしてくれた人。魔法少女が魔法少女を作るには魔力を分け与えないと行けない。分け与えた魔力は相当な時間が経過しないと直らない。魔力とは魔法少女にとってとても大切なもの。だから魔法少女にしてくれた人は魔法少女にされた者にとって母みたいなものなの」
私の疑問に答えてくれた青い魔法少女さん。
えっと、でもあの人、男じゃなかった?男の人って魔力ないんじゃなかったっけ?
「あの人は特別なの」
わたしの思っていたことが顔に出ていたのか、またも答えてくれる青い魔法少女さん。
特別なんだ・・・
あ、でも、そうなると私にとってもあの人、ハルさんは、母?父?みたいなものなんだね。
「取り敢えず!魔法少女になったからには、優菜魔法学園に転入する事になるからよろしくね!」
赤い魔法少女はそう言った。
あー、魔法少女だけが通えるというあの魔法学校か!
小中高と大学、専門を取り入れた学園で、制服も可愛くて、周りから憧れているその学園に私が入れるの?
ハルさん、ありがとうございます。
「これから、いろいろ環境が変わると思うけど頑張れ」
青い魔法少女がそう言って応援してくれた。
「はい!頑張ります!」
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俺は逃げれた事に確信して安心したのもつかの間、
あー、あいつら、まだまだだな。
先ほどの駅から隣の駅に向かうモンスターがいるのを発見した。
まったく、結局こうなるのかよ。
【私は願う、過去、未来、そして今を築く。唯、自分の時間を過ごすために、この力を使う事を】
そして俺は魔法少女に変身した。
その姿は黒の衣装で、短かった髪は伸びてロングに、胸に脂肪がなかった筈なのに脂肪がついて大きくなり、腕や腿の筋肉は細くなり、男とは思えない姿になってしまった。
「全く、なんで俺が、後処理だけの為に、この姿にならないといけないんだよ」
そして声は低かった筈なのに、高くなった。
んと、モンスターの位置はと・・・
あー、そこね。
【ワープ】
俺はモンスターの位置を確認して、魔法を発動する。
この魔法は基本的に危険だが条件付けや保護を入れると問題がなくなる。
移動先に空気以外の物質がある時は魔法が発動しなかったり、気圧の変化はバフによる保護でなんとかなる。
だから俺は気兼ねなくこの魔法を発動した。
そして、目の前に現れるモンスター。
まあ俺が逆にモンスターの前に現れたんだが。
「劣化しろ!」【タイムアウト】
そのまま攻撃魔法を発動する。
そしてモンスターは徐々に動かなくなり、最後には粉になって崩れて、消滅した。
「こんなことだけの為に・・・」
「こんなことをするのが魔法少女ですよ」
俺がこんなことだけの為に魔法少女になるのかと呟こうとすると、後ろからそれを遮るように声がかかる。
「魔法ババアか・・」
魔法少女ならぬ魔法ババア、こいつは魔法少女になってから30年くらいたって尚も魔法を使える。
とはいえ、見た目は魔法で循環しているのか20代並みの綺麗さだ。
「だれがババアですか!、それよりもまた貴方は魔法少女を作ったのですね。自分のために・・」
「魔法少女を作っても喜ばれるならまだしも、呆れられるとはな」
魔法少女はモンスターに有効的すぎる。自然に生まれる場合もあるが、今の世界では魔法少女から魔法少女が生み出された人が8割以上だ。
とはいえ、魔法少女が魔法少女を作るには魔力の半分以上を分け与えないといけないうえに、そこで使用した魔力は基本は半年以上たたないと回復しないという大きな代償があるのだ。
だから、あまり魔法少女が魔法少女を作るといった行為は頻繁に行われない。
ただ、行われたらその人は魔法少女になった人に母と呼ばれて尊敬されるし、周りからも喜ばれる。
まあ俺も半分以上の魔力を与えて魔法少女を作るわけで、魔力の回復も普通にしていると半年以上かかるのは確かだが、特別なことがあってあまりリスクを感じない。
「世界の為になら褒めましょう、讃えましょう。しかし、貴方は自分の為になのでしょう?」
魔法ババアはため息をついてそんなことを言ってきた。
よくわかってるじゃねえか。さすがは俺の事を長年知ってるだけはあるな。
「ああ、自分の為だな。けど、それで世界が救われてるのも事実だ。だから問題ない筈だ」
「確かに世界は救われている。けど、学園の方では諍いが起きているのです」
ああ、勢力が偏るのね。
俺が作った魔法少女がチームを作り、その数が増えると他の魔法少女達のチームよりも大きくなり、その結果、発言権とやらもそのチームが強くなり、それに不満をもつチームと俺が作った魔法少女のチームで諍いが起こると。
「んなこと知るか!俺には関係ない!あんたが学園長なんだからあんたがなんとかするべきだ!」
たとえ俺が魔法少女を作ったとしても、俺は基本的にその子らに接してないから関係ないし、学園の問題は学園長がなんとかするべきなのだ。なのに、なぜ、それを俺にいうんだ。
「私が学園長だからこそ、彼女らの母である貴方にこの件をなんとかしてもらおうと思ってこの話をしたのです」
「俺が母であろうと関係ない。作った時以外は接してないし、もしあっても好きにしろと言う。俺らは周りから子供に見えても、世界を守るものなんだ。自分たちのことくらい、好きにやらせてやればいい。もし、それで何かしらのツケがまわってきてもソイツのせいだ。自分のツケを払えない者に世界を守ることなんてできないからな!」
「では、貴方はどうなのです?魔法少女をたくさん作って出来たツケを払わずに何をしているんです?自分が楽をする為に魔法少女をつくったのでしょう?その魔法少女が何か問題を起こしているのだから、それは貴方のツケでしょう?」
「うぐ・・・」
「さあ、どうするのです?」
「はあ・・・、んじゃあ魔法大会でもやったらいい、それに優勝した奴の命令を聞くってことで」
俺はため息をついてそう答える。
魔法大会で優勝するのなら、それだけ世界を守ることができるってことだし、それならそれだけの権限を与えてもいいだろうと思う。
もし、魔法少女が暴れても一番強いのなら問題ない。
「分かりました。貴方が言うなら周りの人もその話を聞いてくれそうですし」
「ああ・・・」
「ところでそれに優勝したのなら、貴方も言う事をきくんですよね?黒色聖母ことブラック・マザーさん」
「その名前で呼ぶな!」
「ああ、すいません。蓮野 春さん、まさか自分から提案しておいて自分だけは指示に従わないなんてことはないですよね」
こいつ、元々、魔法大会の件を考えついていてわざと俺に言わせたな。嫌なやつ。
「はぁ、もう、それでいいですよ」
もうどうでもよくなってきた。まあ、だれが優勝しても俺に何か言ってくることなんてあまり無いだろうし、問題ない。
「ちゃんとその言葉、映像を記憶しましたからね。では、話を進めておきます」
そう言って、学園長は段々透明になっていきやがて消えた。
ああ、明日が憂鬱だな。
これだから女になりたくなかったのに。
学園長が見ているのなら、俺が出張る必要なかったじゃないか。
ほんと出てきて損だったな。
そうして私はワープをして自宅に戻って今日が終わったのであった。
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私は私の幻影とハルさんの話を、もう一つの視界みたいなもので見ていた。
やっとあの問題児をなんとかできる案件が出来たのですね。
世界で珍しい男で魔法を使える人物。
この世界では、男は魔法を使えずに女だけが使えると言われているが、実際は違う。元々、男女関係なく魔法を使えるほどの魔力量をもつ人物はほぼいない。稀に生まれつきか成長過程で自然に魔力量が多くなり魔法使いになる人がいる。それも、ほとんどが女で男なんて滅多にいない。例えいても男は魔力の扱い方自体が女ほどスムーズじゃないみたいで魔法を使うというまでいけないことが多い。
また、魔力の受け渡しで魔法使いになる者がいる。だがこれも女だけの特権で男には受け渡す事の意味が無い。何故ならば受け渡される魔力は受け渡された人の子宮に蓄えられて、その後、変換されてその人の魔力に生まれ変わる。子宮のない男に魔力を受け渡したところで意味がないのだ。
ハルさんは産まれた時は魔力量はほとんど無かったが、成長過程で徐々に魔力量が多くなったのだ。しかし魔法を使う程の器用さは無かった。だがある事件をキッカケで無理やり魔法を発動した。その時にその無理やりを正常にするべく身体は進化した。魔力を扱い易い身体、つまり女になるという方法で。
しかしその進化も無理やりと言うことだけあって、魔法を発動してから数日たつと元の男に戻る。以降、魔法を使えば女になり、魔法を使わなければ男に戻ると言う事がハルさんの普通になった。
女になったハルさんは、男の時の魔力量の30倍程という桁違いの魔力量の持ち主になる。男から女に戻る時は、その時の魔力量関係なく、魔法を使用しなくなってから3日というのが今の現状だ。女から男に戻る時に、男の時の方が魔力量を蓄えられないので、その時の許容量の超えた魔力はハルさんの近くの空気に吸収される。
さて、ここで不思議な事が起こる。男から女になるとその時の魔力量が30倍になる。女から男に戻る時は基本的に男の時の許容最大量の魔力量をもって戻るのだ。さて、この時にまた魔法を使って女になったら、魔力量が30倍になる。これはとてつもない事なのだ。3日魔法を使わなければ魔力量が最大限まで回復することが世界の常識を壊した。
魔力を多く持つ者が、魔力の少ない人に魔力を受け渡すと、魔力の少ない人が魔法を使えるまでに魔力量が増える。その代わりに受け渡した人は許容量最大量の半分以上を消費する。その時に消費した魔力は半年以上の月日をかけてやっと回復する。魔力量の多さは魔法使いにとってとても大切なものだ。魔力量によって使える魔法が変化したり、学校の評価も変わってくる。同じ魔法を発動しても威力が変わったりする。威力が弱いとモンスターが出た時に苦労する事になるし、殺されてしまう事も多くなる。だからこそ魔力の受け渡しは頻繁に行われない。
しかし、ハルさんは半年でなく3日で魔力が全回復するのだ。だから頻繁に魔力の受け渡しができるし、実際に多くの魔法少女を作っている。
魔法少女が多くなる事は世界を守る力が強くなる事だからいい事なのだが、1人から魔法少女が沢山産まれると、その派閥が大きくなり小さい派閥を飲み込むといった問題が起きる。いえ、起きたのです。
それにより学校の雰囲気は最悪になる。イジメがでたりするだろうし、そのイジメで自殺する子だってでてきてもおかしくない。貴重な魔法少女に自殺で死んでほしくない。ここまではまだ起きていないけど、何も対策をしないと以降起きてもおかしくない状況なのだ。
ハルは自分の産んだ魔法少女に全く興味なく殆ど接点を持ってない。だからハルさんから産まれた魔法少女は自分独自で動く事ができる。例え悪い事をしてもハルさんという母同然の人は叱らないのだからそれを続ける。それが今の状況だからハルさんにどうにかしろと命令をしたが、聞いてくれない。その為にここまでの作戦を練って、やっとの思いで取り付けた約束だ。
魔法大会で優勝したものが学校の基準となって、いろいろと命令できる。ハルさんは、周りから興味持たれてないと思い関係なさそうにしていたがそんなことはない。ハルさんはたくさんの魔法少女を産み、大きな魔力を持っていて、魔法少女になった姿は見め麗しくかっこいい。そんな人が皆の興味をひかないわけがない。学校にはほぼ来ていないが、そのような話により噂になり、学校に姿を現さない深層の不思議多き人物として有名になった。だから優勝した人はハルさんに何かを命令するに違いない。また、勢力とか関係ない状況になり、もしハルさんから生まれた魔法少女が優勝しても、さすがに優勝したっていうのだからそのときは他の勢力も認めることだろう。
さて、ハルさんはこのことに気付くだろうか。皆がハルさんに興味津々で優勝したらどんな命令をされるかわからない状況。もし気付いたとしたらハルさん自身が優勝しにくるかもしれないが、私はルールに面白いものを作った。
これでハルさん対策はバッチリだ。
さて、驚いたハルさんの顔が楽しみだ。
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魔法大会開催のお知らせ
魔法によりお互いを競い合う大会を開催します。
特別な服を着てもらい、物理的ダメージが精神的ダメージに変換されます。
精神的ダメージを許容量以上与えられたものは気絶します。
勝敗は、気絶した者の負けとなります。
優勝決定戦で引き分けた場合は再度試合を行います。
優勝者にはこの学校の命令権を得ます。
ある程度の命令を生徒にすることができ、もしそれに聞かなかったものは学校から罰が下ります。
ただし、常識に背かない程度の命令にしてください。
最後に出場条件は、魔法が発動でき、身分登録に女性となっている人のみです。




