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レイモンド グレイ

最近、少し肌寒く感じる日が増えて来た

。僕が王立魔術学園に勤め始めてもう1か月が過ぎた去った。

はじめて、学園に来たときは驚いた。

僕は学校に通ったことは無かったが前世の大学でさえもっとこじんまりとしているのではないだろうか、在校生のほとんどが貴族であることに納得せざるを得ないような贅沢なものの使いかたをしている。


僕の赴任と同時に妹と同じ学年に転入して来た男爵令嬢の存在は確認済だ。

そして、彼女が設定どおりヒロインであることを僕は確信している。

ヒロインは僕の記憶通り王太子殿下とその周囲の後をストーカーの如く追っかけまわしている。


「エドワードはローゼリーンと比較されて苦しいんだよね。でも、人は生まれながらにしてオンリーワンなの。そんなに頑張る必要はないと思うの。」


今も、ヒロインは剣術の稽古をする殿下に大きな声でアピールしている。

しかし、基本的に剣術と魔術の鍛錬にしか興味がない王太子殿下は彼女のことを華麗にシカト中だ。

その声に反応しているのはどちらかというと殿下の周囲の人間だ。


「アマネ(ヒロインの名)は優しいのですね。」


と彼女の言葉に返事をしたのは確か現宰相の孫だ。

彼はだらしない顔でうっとりとヒロインを眺めている。


所で、妹のセラフィーナの方は僕の予想の斜め74度を突っ走っている。

彼女は休暇中のお茶会で話していた王太子殿下の幼馴染のローゼリーン スカーレット様に夢中なのだ。

ローゼリーンはスカーレット侯爵家の次女で無限の魔力に後押しされた強力な魔術と洗練された剣術で王国最強の名をほしいがままにしている。


顔立ちは中性的であるが、本人の気質が男性よりなため『理想の騎士様』ともてはやされている。

極度のフェミニストで一般男性よりも女性の扱いに長けており、モテることでも有名。

男の僕の目から見てもかっこいいが、婚約者がいる妹が女性とはいえ別の方に夢中なのは問題だ。

しかし、殿下を追い掛け回しヒロインと正面衝突するぐらいなら現状を維持した方が得策だろう。


このままでは、ヒロインは断罪イベントに進むことはできないだろう。

つまり、僕はヒロインがセラフィーナに虐められていることを自作自演することに警戒しなくてはならない。

この時のために僕が開発した光と闇属性の混合魔法スニークが大変役に立つ。

この魔法があれば、僕のような尾行初心者でも簡単に相手に気付かれなくなるのだ。


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