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6.秘密結社の作り方
廃デパートの地下には巨大な空間と円卓があった。
そこでは闇の取引や話し合いが行われているようだ。
社長は役員たちの計に嵌って、地位を失った。
私の視点は映画を見ているように親切に切り替わっていく。
役員たちの話によると、その秘密結社が存在できるのは、廃デパートの電気供給を密かに復旧しているためであった。
◇
私は道を急ぐOLで、路地を走っていた。
バスに乗るには廃デパートのエントランスホールを突っ切るのがはやい。
しかし、エントランスに入ったはいいものの、肝心のバス側の入り口にシャッターが降りていた。
立ち止まる私の後ろから、数人の作業員が来た。
「電気復旧しろ」
と現場監督が言い、誰かが天井のスイッチを押した。
通り沿いのシャッターが開く。
そうだった。
ここはこの時間、道を急ぐ人のためにシャッターが開くんだった。
私はほっとして、バス停に走ろうとした。
作業員の一人がにやりと笑った。
私は気づいた。
こうやって電気の復旧のさせ方を知ったんだ。
やばい、秘密結社ができてしまう。
そこで、目が覚めた。




