アンドロゲン不応症と僕の不感症
掲載日:2015/03/10
私は勤務医である。彼女はただ美しい。
私はくだんのその女子高生に勤務中の病院のロビー、待合室で出会った。
彼女の周辺では、まるで核弾頭が爆発し、そしてその光を鏡で反射しそしてそれからきらきらと泡立つように身体が燃えるように尋常じゃなく輝く。
そのような、鮮烈な印象を、私に与える。
そう、それくらい、彼女は美しい。
私は、その日こともなげに、なんでもないふりをし他の勤務医に彼女のことを訪ねてみる。彼女は、彼女の病気はアンドロゲン不応症という奴らしい。
確かにそうだと彼は言った。
だがしかし、いくら頑張っても彼女をご飯のお供にしての自慰は何故かうまくいかない。……一生涯、彼女の顔を覚えることはできないのだろう。
彼女を忘れることが出来ないように。
原子爆弾の炸裂のごとく、本当は薄い青色光である、だがごく普通に見えるぶんには真っ白い圧倒的な光の輝きのように。
そこにはただ美しさだけが存在して居る。
いやでもまあ、数日たって、当然と言えば当然、脳の働きとして、私は覚えきったはずの彼女の存在の、その何処かを少しづつ忘れていく。
いい、ただ、このまま忘れよう、忘れてしまおう彼女のことは。
あれは体に良くない、そういう美しさだった。
忘れよう。
忘れたい。
忘れられないなあ。
彼女に後で手紙を渡そう。




