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~Before the chapter3~
これは序章。
ある者が考え出した、果て無い物語の。
それもそのほんの一部に過ぎない。
例えるなら、フルマラソンの最初の百メートル。
例えるなら、五分ほどある楽曲の最初の1小節。
例えるなら、リバーシでの最初の一手。
一体誰が考えたのだろう?
こんな絶望の物語を。
こんな悲しみの物語を。
一体どうして考えたのだろう?
どんな理由で?
何をするために?
一体いつまで続くのだろう?
何日後?何週間後?
いや、何か月後?何年後?
すべての答えを知っているのは、張本人だけである。
その時、まだ誰も知らぬ場所で、誰かが笑った。




