沈む
明けない夜はないという言葉がある。とても深い意味を感じます。
辛いこともいつかは……という感じですかね。今なら解らなくもない。
しかし深い海に沈みゆくモノにとっては、日が昇ろうと沈もうとあまり意味がない。
深い海に沈むと光は届かない。とても辛くて苦しいし、そこにいると時間の感覚が解らなくなる。ただ長い時間が過ぎていく。
私は沈みながら長い時間考え続けていた。
人間は日々いろいろ考えるものです。
その中から一握り取ってみて、一生の内にどれだけその一握りのことについて考えるだろう?
普通? に生きて考えるであろう時間。
仮に人の一生が百年として、その手のことに関して考える時間はどれ位?
それを大幅に超えた時間考えることは、百年以上考えたことになるのかもしれない。
私は一人沈みながら考え続けた。その時間は千年分を軽く越える。
深い海の中に囚われて何年過ぎた? とりあえず、長かった……。
現実では何度、日は昇り沈んだのだろうか?
私は夜の方が好きだ。暗い方が光を見つけられる。それが綺麗だと感じる。
昼間は光るモノを見つけるのが難しい……。
私の心の風景は、月明かりの夜の海辺で海には月が映っている。
もう、深い海の暗いところじゃない。