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え?私に婚約者がいたんですか?~婚約者に婚約破棄してくれと言われたんですが、あなた誰ですか?~

作者: 加藤 すみれ

私はマードナー公爵家に生まれた一人娘、シリカ・マードナー。今私は、恋人のクロード様とお茶を飲んでいる。クロード様は皇太子様なのだ。私たちの関係はまだ親たちには伝えていない。(恋人ができたと言ったら、父が大泣きする未来しかないからだ。しかもその相手は皇太子様ですしね。)それなのになぜ、こうやって外で一緒にお茶を飲めるのかというと、私たちが生徒会長と副会長だからだ。


今日もまた、いつものように生徒会の大事な話をするという名目で防音魔法を使っている。防音魔法は、白い球体みたいなものの中に入っているので、外からも中からもそれぞれを見ることができなくなっている。

「シリカ、そろそろ私たちの婚約をすすめようと思うんだ。今日この後、君の家に行ってもいいかい?」

「はい!もちろんです!」

私は少しうれしかった。今まで、クロード様は婚約の話を進めると言わなかったからだ。

「そこでだな、問題が一つあるんだ。」

「問題?」

私がよくわからないという顔をすると、クロード様は「やれやれ」という顔をした。

「君には婚約者がいるだろう?」

「・・・え?」


私が驚いていると誰かが防音魔法を解こうとしていた。

「ちょうどいい時に来たな。」

そういうと同時にクロード様は防音魔法を解いた。

防音魔法が説かれた瞬間、見たこともない男が私に近寄ってきた。

「シリカ・マードナー!!お前とは婚約破棄させてもらう!!」

少しの沈黙が流れた。

「え?あなた誰ですか?」

校庭に集まっていた者たちが一斉に驚いた顔をして私を見た。


「彼は君の婚約者、フェレス侯爵家のキース・フェレスだろう?」

「婚約者?私にはいませんよ?」

その話を聞いていたキースという男は顔を真っ赤にしていった。

「そういって、自分の罪をなかったことにするつもりだな!?俺は騙されないぞ!このくそ女!」

「あ?」

隣にいるクロード様から低い声がでた。

「ひっ」

「罪?いったい何のことですか?」

「お、お前は、私といるネルカに嫉妬してネルカをいじめていただろう?」

彼は声が裏返りながら、私の罪とやらを言った。


私が、誰だ?と考えているとキースの後ろから、女の子が駆け寄ってきた。

「キース様!良いのです!!私が悪いのですから、しょうがないことなのです!」

少女は涙目になりながら、キースに縋りついた。「かわいらしい」という言葉が似合うような女の子だった。

「ネルカ!なんと優しい心を持っているんだ、お前は!だというのに、お前は何故自分の罪を認めない!!シリカ・マードナー!!」

彼は、自分よりも位の高いはずの私に偉そうな言葉遣いに、名前を呼び捨てにした。


「キース・フェレスさん、でしたっけ?私があなたよりも高いくらいだということをお分かりですか?」

「そうか!今までそうやって権力を使って、ネルカをいじめていたんだな!?なんというやつだ!!」

「いい加減にしろ!!キース、お前は何の証拠があってシリカを責めているんだ?」

その声により、キースは震えながらも話し始めた。


「2か月前のことでした。ネルカが、シリカにいじめられていると言ってきたのです。その証拠に、破れた教科書や粉々にされたネックレスを見せてくれました。そしてこの間、階段からネルカが落ちたんです!それを押したのはシリカだと、泣きながら教えてくれたんです!」

「この間というのはいつだ?」

「み、三日前です。」

「そしたら押したのはシリカではないな。三日前は一日中シリカは俺と卒業式の会議をしていた。家に帰ったのは日が暮れてからだ。そのころにはもう、学園には誰もいないはずだろう?」

「え?」

それを聞いた、二人の顔は青ざめた。


「そもそも、押したやつをお前は見たのか?キース。」

「いいえ、見ていません。それでは、物を壊したり破いたりしたのは?」

「見ていないです。」

「それはそうだろうな、俺たちはいつも生徒会の仕事で、いつも一緒だったからな。」

二人の顔はどんどん悪くなっていった。違う理由で。

「嘘をついたのか!ネルカ!」

「ち、違います!!私は本当に、シリカ様に!」

「証拠は?」

「・・・ありません」


二人には確実な証拠がなかった。代わりに私たちには、たくさんの人の証言があり、生徒会か皇太子さまの近くにいつもいたという証拠があった。どちらが嘘をついているのか明白だったのだ。

「ならなぜ!なぜ、シリカは私のことを知らないと?」

「それは俺も聞きたかった。なぜだ?キースとの婚約は俺たちが5歳のころに決まっていたはずだぞ?」

「確かに一度、私に婚約者ができるかもとは聞いたことがあるのですが、手紙もプレゼントも、似顔絵さえも一切、私の家に送られてこなかったので、なしになったものだと思っていました。」

キースは「あっ」という顔をした。

「そうか、それはないものだと思っても仕方のないことだな...」


それから、ネルカは自分よりも位の高い私を悪者にした件で、キースは、婚約者に一度もプレゼントを渡したりしなかった件とネルカに協力した件で二人仲良くとらえられた。

ネルカは、王子と仲良く話していた私をねたんでの行動だったらしい。ネルカのことを恋人だと思っていたキースは絶望した顔をしていたそうだ。


私達はそのまま、マードナー家に行き婚約することを伝えた。

お父様とお母様はとても喜んでいた。なんせ、キースは贈り物の一つもよこさないのに対し、皇太子のクロード様は今までにたくさんの贈り物をくれたからだ。


これから私は、王妃になるために忙しい日々を送るだろう。でも、クロード様とともに支え合っていくので大丈夫だ。

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