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とりあえず転生らしい③

『猫』

と表示しているスロットを眺めていた。


何が起こったのかわからない。

現実として認識が出来ない。

俺、猫になるの?

いや、可愛いけど。

好きだけど。


侵略される現代で猫に何が出来るというのか。

無双もハーレムもない。猫でハーレム出来ても嬉しくない。


自分で運命を決めることも出来ず、ハズレを引かされた。

この事実こそが真の絶望だ。

どうせならば自分で運命を決めたかった。

一番の失態は時間制限がないと思ったことだった。

あれほどうるさかったドラムロールももう聞こえない。

頭の中でウワンウワンと歪むような音が聞こえてくる。


血の気が引いて目の前が真っ暗になりかけた時「チャンス」の文字が目に入った気がした。

頭をふり意識を戻す。


先ほど押したストップのボタンがチャンスのボタンに変わっている!

状況は分からないが、理解するよりも早くチャンスのボタンを押す。


「ギューーーーーーン」


『猫』のスロットが再び高速回転を始めた。

再びドラムロールが鳴り、ストップのボタンが再び現れる。


目にも止まらない早さで回り続けるスロット。

いつまた勝手に止まるか分からない恐怖と焦りで頭が回らない。

しかし、考えている間に運命を決められてしまうかもしれない。

目をつぶり右手を大きくあげ

「よろしくおねがいしまーーーーーす!」

と叫びながら訳も分からずストップボタンを強打する。


「ピコーン」

電子音がなった。

ドラムロールが再び止まり、心臓の音だけが強く自分の中で鳴り響く。

固く閉じた為、開かないまぶたを剥がすように無理矢理開いていく。

止まったスロットにはこう表示されていた。


『最高難易度』


意味がわからない。

『自分の状態』ではなかったのか。

騙された!『最高難易度』とは何を表しているのか?

頭が混乱する。

「説明をしてくれ!」

「だれか!いるんだろう!」

今さらながら当たり前の要求をする。


「説明シマス」

突然どこからか機械音声のような声が聞こえてくる。

「コレカラアナタハ、異世界ニ転移シマス」

「異世界ヲスロットデ決定シテクダサイ」

「自分ノ行キタイ世界ナルマデ、ストップボタンヲ押スコトガ出来マス」

「運ガ良イ場合チャンスボタンガアラワレマス」

「チャンスボタンハ99%当タリデス」

「全テノスロットガトマリ、一分タツト世界ヲ決定シマス」


は?

説明あるんだ。

早く言えよ。


「ジャジャーン」


ん?一分だと?今の説明で…


「異世界ガ決定シマシタ」

「コレヨリ転移ヲ始メマス」


しまった!

と思った時にはまぶしい光に包まれ、めまいに襲われ意識を手放し始めていた。


『現代』デ『最高難易度』ノ『侵略される世界』ガ選バレマシタ!


ヨリ困難ナ世界ヲ望ムアナタニボーナス!


困難ヲ乗リ越エラレル能力ヲプレゼント!


アラタナ異世界ニ幸アレ!


薄れていく意識の中チートの雰囲気を感じるセリフが聞こえていた…


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