プロローグ
昔々、神様が人々にとってそれほど親しい存在ではなかった頃。
世界はこれまで経験をしたことのない大災害に見舞われました。
空には雷鳴が轟き、大地は割れ、海は荒れ狂い、多くの人々が命を落としてしまいました。
悲しみを抱えた人々は、空へ向かい、まだ見ぬ神様へ祈りを捧げました。
その時のことです。
雷鳴轟く暗雲が割れ、一筋の光の柱が地上へと降り注ぎ、神様が人々の前に姿を現したのです。
その姿は人々が知りえる言葉では言い表すことができないほど、それはそれは美しいものでありました。
こうして人々の祈りを聞き届けた神様は、そのお力で悲しみに覆われた世界に光をもたらしたのです。
やがて人々は神様に感謝をし、降臨されたこの地を≪リヒテンヴェルト≫と名付けました。
『誰にでも分かる優しい建国神話』から抜粋。
大陸の東側に位置する大国≪リヒテンヴェルト帝国≫。
国土面積と保有資源は大陸随一であり、多くの交易の中心として成り立つ。
この物語は帝国から北西側へ位置し、国境山脈を有するフックス領の中にあるのどかな農村【フェルネ村】から始まる。
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初めての作品になります。
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