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[前日譚]ELEVEN

ELEVENは韓国人男性6人組による

アイドルグループ




6年前のデビューからその圧倒的なビジュアルの良さとレベルの高いダンスで人々を魅了し、国内の賞を総ナメにしていた。

メンバーらが作詞作曲したものは多様性に溢れ今ではその実力が世界でも認められ人気爆発中の真っ只中だ。


間違いなくアジアNo.1のアイドルと言えるだろう。



この日も日本での撮影を終え他のメンバーらが先に韓国へ帰国する中、メインボーカルのジョンガンは単独取材や楽曲提供予定の日本人アーティストとの打ち合わせのため1人日本に残っていた。



そんな過酷なスケジュールをこなしているジョンガン達の移動時間は、貴重な睡眠時間でもある。


彼らの為には常にプライベートジェットがチャーターされていた。

サセンという過剰なファンによる飛行機内でのストーカー行為が過去にあったからだった。



予定通りに日本での仕事を終え、空港に到着したが急に慌ただしくなるスタッフ達と不穏な空気が現場に流れる。

ジョンガンが韓国へ戻るために手配していた飛行機に、予想外の設備不慮が見つかり飛ばなくなったのだ。

このままでは翌日のメンバーとの合流に遅れてしまい迷惑をかけてしまう。



仕方なく数名のスタッフと韓国行き最終便の旅客機へ乗ることにした。

日本からソウルまでの2時間30分。

ジョンガンはスタッフと共に手に持ったチケットで座席を確認しながらエコノミークラスの空席へと散らばっていった。



ジョンガンは全身黒い服に黒い帽子を深くかぶり、黒いマスクと伊達メガネで顔を隠し、目線を落としたまま自分の座席を見つけると深く腰掛け、少しだけ座席を倒しすぐに目を閉じた。



その隣の女性はまさか横に推しが座ったことなど1ミリも気がつかない。


人生初のお一人様旅行を化粧も落とし楽な服装に着替え、寝る準備万端だったので離陸前から爆睡でスタートしていたからだった。




爆睡している2人を乗せた飛行機は

ゆっくりと空へと飛び立った。









ELEVENのリーダー、最年長のチョン・リソンは

身長190センチ 韓国人と日本人のハーフで、韓国語、中国語、日本語、英語の4ヵ国語を話すことができる。

メンバーを支えるお母さん的な存在で、バラエティ番組で見せる天然なイヂられキャラに心を奪われた女性は数知れず…


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