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秋風に吹かれて  作者: アオト★★
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第5話 「高尾山」

第5話 「高尾山」


その夜、茉莉は晴斗に改めて電話をかけて来週の土曜日に高尾山にピクニックに

行くことになった。紅葉が今の季節綺麗だと茉莉は思った。

茉莉も旭も晴斗も楽しみにしていた。あっという間に土曜日になった。

当日、茉莉は旭と旭のお母さんと朝早くから

一緒に、ピクニックに持っていくお弁当を作っていた

定番のおにぎりやサンドイッチ、それからゆで卵。といっても

ほとんど旭のお母さんが準備してくれていたのだが・・・。

高校生になったので保護者同伴で行かなくていい事に茉莉は喜んでいた


高尾山口までは高尾駅から京王線で一駅だったから晴斗とは高尾山口の駅の改札

で待ち合わせた。駅に着くと晴斗はもう居た。

「おはよう、旭と茉莉」晴斗はそう言った。

「おはよう!!晴斗、みてみて、お弁当作ってきたんだよ」

茉莉は晴斗の顔を覗き込むようにして晴斗にサンドイッチの入ったバスケットを見せた。

「こっちは、おにぎりなの」旭がおにぎりの入った包み紙を晴斗に見せた

「おー。美味しそうだな~!どうせ旭と旭のお母さんがほとんど作ったんだろうけどw」

晴斗は嫌味たっぷりにふざけた顔をしながら茉莉に言った

「・・・・・。」茉莉はムッとして黙ってしまった。

「まあまあ。二人とも早く行こう」

旭はそう言い二人の仲裁に入り先頭を歩き出した

高尾山口駅から暫く歩くとお土産屋さんが左右に立ち並ぶ

その先に高尾山のケーブルカーとリフト乗り場があるのだ。

右側が登山口らしかった

「今日はケーブルカーで行こうよ~」そう茉莉が言い

券売機で券を三枚買ってきた

そして三人は清滝駅でケーブルカーを降りて歩き出した

すぐにかすみ台展望台、さる園が見え、そこから薬王院まで歩くことにした

朱色の紅葉が風に乗って宙を舞う。とても綺麗だった。

薬王院には天狗の言伝、立派な本堂などがある高尾山の象徴とも言える神舎。

茉莉は風に舞う紅葉を見ながら横を歩く晴斗を見た。

そして旭も知らない晴斗との二人だけの秘密の思い出を思い出していた。



つづく


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