5話
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今日の放課後はクラス交流ということでカラオケだ。
終了時間未定ということで、一応母親に連絡を入れておいた。返事は楽しんでこいだそうだ。
Dクラスは40人だったが、30人は来ていた。3部屋に分かれて数人が行き来する。
俺も適当に流行り物や懐かしい曲を歌ったがウケはそこそこよかった。庄司と同じ部屋だったが、やつははしゃぎ過ぎて喉をやられてダウンしている。
何曲か歌って休憩していると、交代と数人が入れ替わりで入ってきた。彼岸さんも交代要員で中にいたようだ。
男子は彼岸さんが来たとテンションが上り歌いまくってる。
俺は庄司の介護と適当にはぐらかしドリンクバーに行くと彼岸さんもついてきていた。
「交代で入ってきたばかりでよかったの?俺が持ってきてもよかったんだけど」
「いいよ、そんな歌うの好きじゃないし」
「そっか」
会話が続かない。何を話していいのかわからないな・・・
ファッション関連は興味がないからすぐ詰まるし、かといって勉強の話なんかしても絶対面白くはないし、ゲームの話・・・はなんかちょっと引かれそうな感じもする。
出てくる時頼まれた分を入れながら話題を考えていると
「ねぇ、アッシーってなんでAクラスにいたの?昼に少し聞いたから」
と彼女から話を振ってきた。
「医者目指してるんだ俺。親には無理して目指さなくていいって言われてるんだけど。というかアッシーってなんだよ」
あだ名に少し笑いながら返事をする。
「明日葉だからアッシー。いいじゃん? 医者は立派だと思うよ少なくとも・・・」
「ん?最後の方何て言った?聞こえなかったんだけど」
「別にー、んじゃあたし戻るね。勉強会の話はまた連絡して、なるべく開けておくから」
了解と返事をし部屋にいる人から頼まれた分を注ぐ。
その後は復活した庄司が鬱陶しい絡みをしてきたので一緒になってはしゃいで交流会は終了となった。
カラオケが終わるとお開きとなったので家へ帰る。
◆
「ただいま」
母さんは風呂に入ってるようだ。リビングのソファーで父がスマホを構っていた。珍しいなと思い覗いてみるとイベリスをやっていた。
「父さん・・・」
「っは!涼これはお母さんには内緒だからな!お前が悪いんだぞ!ずっとスマホ構っているから父さんも気になってだな!?」
「はいはい、いいよ。父さんは牧場要素にハマってるんだね」
「中々面白くてだな。エサの配合や交配とか奥が深くて・・・。ってそうじゃない。とにかく母さんには内緒だからな?」
「わかったよ、母さん風呂だから上がって来るまでに見きりつけときなよ」
といい部屋に戻る。
今日からイベントだし、前回のIDへ行くか。スマホを取り出しつぶやく。
今更だが俺のジョブ(職業)はホープという
役割はヘイトを集めたり、攻撃役に回れたりと、多彩だけど器用貧乏のせいか特化したスタイルのジョブには一歩劣る。他にも多数なジョブがあるが今回は割愛しよう。
ID前に到着してインベントリ(アイテム一覧)を開いて持ち物の確認をしていたら、ピコンとスマホから音が鳴る。
「ん?PT招待?」
見ると白奈という人からのPT招待だった。
前回の件もあるし、一緒にやってみるものいいかも、と思い招待から受理を選びタッチしてチャット画面を開く。何度も言うが俺のプレイヤーネームは野草だ。
野草:よろしくお願いします
白奈:よろしくねー('◇')ゞ
野草:そこまで戦力が整ってないので足引っ張るかもしれません
白奈:大丈夫!私もあんまり強くないから一緒にがんばろ(*´ω`)
野草;頑張りましょう!
顔文字多様する人だな、と思い装備を見ると一つだけレア装備を持っていたが、あとはほぼ俺と同じくらいの装備をしていた。
この人のジョブはフェンサー。手数と速さでかき乱すジョブだ。
ネットでこのジョブの評価をチラっとみたが早すぎて使いにくい。火力が低いとあまり良い話では無かった覚えがある。
これならあんまり迷惑をかけなくて済みそうかも。そう思った。間違いだった。
白奈さんは、滅茶苦茶上手かった。立ち回り、スキル選択どれを見ても無駄がないような動きで、反撃を許さない。まさに蝶のように舞い蜂のように刺すを見ているようだった。プレイに見とれてて俺がミスをして敵に絡まれても、すかさずフォローまでしてくれるイケメンっぷりだった。
なんとか着いていき最後のボスを倒す。戦利品は・・・なしと。
野草:お疲れ様でした
白奈:お疲れさまー('◇')ゞ
野草:白奈さんめっちゃ上手いですね。フォローありがとうございました
白奈:えへへありがとー(*'ω'*)
野草:最近始めたのでまだ慣れないところ多くてすみません
白奈:始めたてにしては野草さん上手だったと思うよ!私このゲーム結構やってるし(´艸`*)
野草:ありがとうw そろそろ風呂いくので一回落ちますね。誘ってくれてありがとうございました
白奈:はーい、またねー('ω')ノ
ゲームを終了し風呂へ入った。喉が痛い。完全に歌いすぎたな。
庄司に付き合って妙なテンションで歌いまくってたせいだと思う。でもそれなりにクラスには溶け込めたと思うし、そこは感謝だな。
それにしても今までイベリスはずっと一人でやってきたのに、この二日で二人の人に誘われるとは思わなかったな。
おまけに二人とも強かったし。
湯に浸かってゆっくりしたあと体を洗い風呂から出て少しだけイベリスをやったあとベッドに入って寝た。
また明日投稿します