2-36 日常。執事のお仕事 -マサトの行方-
投稿は明後日の17:00の投稿予定です。
いつもご愛読頂き、ありがとうございます!
急ではございますが、近々この物語の最終回を予定
致しております。
これは、作者の悔しい想いからによるものです!
次の物語も今のキャラクターを出演しての描き直しをします!
あと、数話となりますが、頑張って書いてまいりますので、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m
それでは、本日もどうぞごゆっくりご覧下さい。
ベースに戻った3人は話し合いの末、時間が許す限り探しに行こうと言う事で纏まった。
期限は2日。
5日後に御前試合が迫ってきている。
2日前には伯爵との約束で戻る事になっている。
移動に1日かかると考えるなら、残りは2日。
この二日で何とか手掛かりを見つけないと、捜索隊を出す事もままならなくなる。
そして翌日から再度の捜索が始まった。
洞窟の前に到着すると、どれだけの崩落だったのかを再確認させられる。
洞窟は完全に崩れ落ちていたのだ。
三人はこの洞窟を目の前にして役割の分担をする事にした。
マサトが生きているならアラクネの巣だろうが、そこまでの道のりは数キロ。
シンとマリナは瓦礫の中から、何とか通れる隙間やまだ使える道が残っていないかの探索。
それと、洞窟自体があそこが行き止まりの様に見えてはいたが。
実は、隠し通路や違う洞窟と繋がっているか、地下の水脈の入り口や出口が近辺の川と繋がってて、そこから中に侵入する為の通路の探索。
マリナとシンは魔物を警戒した上で、戦闘になっても二人なら対処できるだろうから事から二人一組に。
ディアはパーティの中でも最高レベルで単独行動にも長けているので、その役を担う事にする。
「じゃあ、何か見つけたら合図の魔法で知らせる事。そして絶対に無理しない事。良いですね?」
「「了解!」」
マサトがいない今、Sランク冒険者であるディアがリーダーを務める事となった。
全員、その指示に従い返事をすると持ち場に着くべく行動を開始する。
シンとマリナは洞窟の入り口へ。
ディアは周辺地域へ探索へ。
探索しだして10分が過ぎ・・・30分が過ぎる。
マリナとシンの表情は真剣そのもの、言葉を交わす事も無く作業を進める。
ディアからも合図が上がる様子はない・・・
探索から2時間誰も収穫は無く、合図は上がらない・・・
探索開始から数時間・・・もう日も沈もうとしている。
ディアが引き返して来た。
一度、作戦会議を開く事になる。
互いの収穫はゼロ。
このままでは時間が勿体ないので、今夜はここで洞窟の作業を一人が続け、一人がサポートと監視、一人が就寝、この体制を朝まで交代で続ける事で作業効率を上げる事にした。
それでも、大した収穫はなく翌朝を迎える。
皆、必死で作業を進める。
効率はあがれども収穫がない時間が続き、
時間が迫って来る・・・
気ばかりが焦る・・・
このままではマサトの死を認めざるを得なくなってしまう・・・
いつの間にか目から流れて来る涙・・・
それでも手を動かし続け、足を動かし続けた。
その夜は誰が口を開く事も無く、誰も睡眠をとる事も無く作業を続けた・・・
夜が明ける
約束の時間
誰も何も話す事はない
ただ、脱力感と無力感と後悔だけがここに残る。
誰かが無理やり止めてくれれば、まだ納得も出来たかも知れない。
強烈に後ろ髪を引かれる思いを胸にしながら、自らの足でその場を後にする。
自分達の役割を遂行する事だけで足を動かす。
心はまだ洞窟に残ったまま・・・
伯爵邸に辿り着くまで誰も口を開く事は無かった。
「今日は身体を休めましょう・・・」
ディアがマリナに向かって疲れた顔を隠そうともせずに言う。
「・・・うん・・・」
「明日は伯爵様とギルドマスターに報告をしないといけないから・・・」
「・・うん・・・」
二人は焦燥感と言うよりも洞窟に残してきた心が戻ってこない。
今直ぐにでも、戻って作業を始めたい。
でも、シンの御前試合を見届けなくてはならない仕事が残っている。
何をしなくてはいけないかは分かっている。
でも、洞窟に残してきた心がどうしても自分を強く呼び寄せてしまう。
葛藤に次ぐ葛藤が自分を苛む・・・
このまま考えていたら動き出してしまう。
今日は疲れもあるからひとまず寝よう・・・
ディアがそんな事を別れ際に考えていると、マリナもまったく同じ事を考えていたようで、お互い目が合う。
今にも泣き出してしまいそうな顔を必死にこらえて、お互い頷き合う。
二人は振り返ると、お互いの宿屋に向けて歩き出した。
今回も読んで頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
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