2-30 日常。執事のお仕事 -いざ!アラクネ討伐!!-
明日からは作者都合により二日に一回の投稿となります。
大変ご迷惑をお掛け致しますが、見捨てないでください(TT)
調子が良い時は連日投稿も予定しています!
投稿は17:00の投稿予定です。
それでは、本日もどうぞごゆっくりご覧下さい。
魔の森に入ってから2週間がたった。
先生の指導法は前にも増して酷い物で、LVが上がって敵を倒しやすくなってきたら場所移動。
またLVが上がって来て、倒しやすくなってきたら場所移動。
それも、俺達が今のLVや連携方法で、倒せるギリギリのLVのモンスターがいる場所を何故か知っていて。
そこを指定してくる。
五日を過ぎた頃からはどのスキルを使え!だの。
この魔法をつかえ~!だの指定してくるようになっていた。
お陰で、パーティメンバー全員から鬼の教官的な見られ方までするようになっていた。
「取り合えず、時間も無くなってきましたので。今の訓練は今日までとします。」
「本当ですか!!やったぁ~!!!」
これはこの日の朝の先生の一言だった。
この時の俺は忘れていた。
そしてその夜中の俺の火の番の時。
「明日は全員で最終試験です」
「え?!最終試験ですか?」
「はい。明日は皆でアラクネの討伐に向かって頂きます」
「え?アラクネって・・・まさか!あのシェイド様のアラクネですか?」
「はい。しかも条件付きです」
「ええ~?!また条件つきですかぁ~?」
今回の訓練で、先生からの『条件付き』に散々苦しめられた。
最早、嫌とかそんなレベルではなく。
忌避感まで生まれて来ていた。
「そうです。今回の条件は今までに比べると簡単なものです。それは、アラクネを正気に戻す事です」
「ええ?!倒すんじゃなくて、正気に戻すんですか?!俺、そんなやり方。知らないですよ?」
「ええ、分かっています。ちゃんと説明しますから。これは、その為の2週間であり、その為の最終試験なのですから」
「また、そんな簡単に言ってぇ~」
俺はその後。
みっちりと先生から真夜中の集中講義を受ける事になった。
翌日。
俺は朝から、全員に昨日の集中講義の内容を自分の言葉として一部を話す事になっていた。
なぜなら、全員何も知らないからである。
納得できないと今回のアラクネ戦に支障が出てしまうから、ちゃんと説明してから行く事になったのだ。
朝食を食べ、各自支度を済ませると俺が口を開く。
「さて、皆には修行に集中して貰いたかったので、黙っていたんだけど。この小屋近辺の魔物の中にここでは見ない高LVの魔物が混ざっていた件についての謎が解けたんだ」
「ええ?!いつの間に」
「そんな所までちゃんと考えてたんだ」
「マサト君だったらちゃんと考えてますよ!」
三者三様。
俺に対する考え方が透けて見えるような返答だな。
そして俺はシェイド様に聞いたアラクネに関する内容を皆に伝えた。
隠さないと色々バレてしまう内容は隠したままだ。
「・・・そこで、今回考える事が出来るのが。このまま放置してしまうとアラクネが狩場を広げた時に、そこの魔物は生息地を変え、広がるように次のエリアに逃げ込む。次のエリアの魔物は次のエリアにと押し出されるように、行き場を失った魔物たちが森の外へと出てしまう。そこで餌を欲する魔物たちは街道の人々を襲い。村を襲う事になるだろう。だから、被害が予想出来る今の内にアラクネの討伐をしようと思う」
「そうだね!賛成!」
「理に適っているね。僕もそれで良いと思う」
「リーダーはマサト君なんですから、私はマサト君に従います」
どうやら、ちゃんと説明出来たようだ。
「それじゃあ、危険な一日になると思うけど。今の俺達なら十分に対応出来る!油断せずに頑張ろう!」
「「「おー!」」」
それから、俺はアラクネの巣の場所を知らないので。
先生に戦闘を飛んで案内してもらう。
先生は今回、俺達を放置している間。
この森の様子と原因を探っていてくれていたようで、この森の内情が手に取るように把握しているそうだ。
ん?
と、言う事は今回の修行の敵の選別方法もそれって事?
・・・ほんっとうに、抜け目の無い人だなぁ~!
先生に付いて行く事数時間、そこは魔の森を抜けた先。
かなりの標高があり、竜が住み着いていると噂の山々の麓。
さっきまで晴れていた空も、今は泣き出しそうなくらい暗い雲に覆われている。
そんな中。
俺達の目の前には不気味な洞窟が今にも俺達を飲み込まんと大きな口を開けていた。
「マサト・・・ココ?」
天候の悪さも相まってか、マリナが明らかに不安そうな顔をして。
俺の後ろに隠れるように洞窟を見ながら言う。
「ああ、此処みたいだな。神に挑むも破れ、闇落ちした蜘蛛の化身。『アラクネ』の巣だ」
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