2-25 日常。執事のお仕事 -お坊ちゃまと冒険者の差-
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「そうじゃなくて、何をするんだよ?」
「やっぱり気になるよなぁ~。本当は着いてから言うつもりだったんだけど・・・ま、いっか!俺達がこれから行くのは・・・『魔の森』だよ」
俺が考えた剣術指南の内容はこうだ!
模擬戦の結果は優秀の一言。
でも、ブーストはLV1のまんまだし、やはり学生ってだけあって生の戦闘経験の差は個人戦にとって非常に不利に働くだろう。
これは、エドモンドさんとの戦いで学んだ事だ!
なら・・・やる事は一つ!
実戦で経験を積みながら、LVを上げる!
ブーストも上げる!
そして、あわよくば魔法のLVも上げる!
これぞ!『一石3鳥も4鳥も5鳥も6鳥も大作戦!』
・・・まあ、裏を返せば普通に戦って強くなるだけなのだが・・・
シンが装備を整えて戻って来ると、その場の全員の口が開いた。
「シン・・・それって、全部最高級品だよな?」
「え?そうだよ?最近買った物なんだけど」
シンの装備は基本剣士用の装備ではあったのだが、どのパーツを取ってみても綺麗に磨き抜かれ。
装飾も豪華、色もワザワザ染色したのだろう冴え渡るようなコバルトブルー。
そこに魔石が各パーツに散りばめられている。
何処からどうみても戦場での若大将が着ていそうなフルプレートメイルだった。
それから、シンには森で修行する為の軽装な俺達と同じような装備を整えて貰い。
俺達は『魔の森』向かう。
街の入り口にある、乗合馬車に乗り込みこの街を出発。
途中、いくつかの街を経由して食料や調味料を確保する。
最後の街からは馬車が出ていない為、徒歩で目的の場所まで進む。
行きは1日半の移動もシンは文句一つ言わずに付いて来る。
「マサト・・・ここ?」
「おう!俺達の修行と言えばここしかないんだ!」
シンは森の入り口に着くなり、辺りの様子を見て呟く。
そこには、木が何本も抉れ。
不自然な場所に不自然な空間が出来ていたりする森。
そう、マサト達の修行場だった。
「マサト・・・修行は良いんだけど。この前にも来たばっかりだよね?」
「おう!そうだよ?でも、今回はシンには悪いが俺らの修行にも付き合ってもらおうと思っている」
「修行ですか?ここにそんな場所ってありましたっけ?」
「ああ!先生には近寄るなって最初の頃は言われていたけど、今ならディアさんもいるし。シンもいるから大丈夫だろ?」
「え?それってまさか?・・・」
「そう!山の麓辺りが今回の俺達の修行場になる!」
と言いながら、チラリと先生の方を見る。
先生は何も言わず、満足そうに一つ頷くだけだった。
今回の俺の考えは間違えていないようだ。
「あそこかぁ~」
「私も聞いた事があります。あの山々には竜が住み着いていて、麓の森はそれに合わせるように、なかなか強力な魔物が住んでいる森だと」
「そんな所に実戦経験のない僕が行っても足手纏いになるんじゃ?」
「大丈夫、大丈夫!戦闘は経験していかないと話にならないし。ディアさんもいてるから何とかなるでしょ!まあ、こんな所で話していても始まらないから進もう!まず目指すのは俺達の小屋だ!ここからは魔物の領域になるから、各自いつでも戦闘出来るように準備してて!」
「しょうがないか!」
「頑張って行きましょうね!」
「お、おぉ!」
初めてだらけのシンは、ここに来て初めて苦笑いで気遅れしている様子を見せる。
そんなシンを察知した二人は、次々に声を掛けながら進みだす。
「よし!あともう一息で俺達のベースキャンプだ!一気に進もう!」
そして森に入った俺達は洗礼を浴びる。
俺達が数歩進むとラージボアが行く手を阻んだのだ。
ラージボアは体調3m程の大猪だが。
口の脇から上に掛けて伸びている牙は3本程。
前から後ろに向けて大きくなり、先端も尖っている。
突進力も通常の猪の3倍程ある。
Cランクの魔物である
一般人からしたら脅威としか言いようのない魔物である。
「早速のお出ましだな!シン!こいつとは戦った事はある?」
「いや、こんな野生の魔物は初めてだよ!」
シンの学校でも魔物との戦闘訓練はあるらしいのだが。
訓練場は特殊な魔方陣で守られており。大怪我をしてもすぐに治癒魔法が掛けられる。
大怪我をさせた魔物にはすぐに魔力の網が発射され、行動不能になるという安全装置付きなのだそうだ。主に貴族の子息や子女達が多く通う学校ならではの温室訓練だな。
「そうか!やれるか?」
「あ、ああ!少し緊張するけど大丈夫!」
「じゃあ、前衛を頼んだ!危なくないようにブーストは使って行ってくれ!」
俺達は小手調べで、シンに前衛で実力を見せて貰う事にする。
俺は危険が少ないように真横で同じように前衛。
中衛をマリナ。後衛をディアさんにお願いする。
前衛でシンがやり合ってる最中も、ちょこちょこ俺とマリナが代わりで致命傷を避けた攻撃をし。
後衛からディアさんが同じような要領で屋を放つ。
ものの数分もしないうちにラージボアが倒れる。
「やった!野生の魔物を仕留められた!」
「おう!案外簡単だっただろ?」
「ああ!思っていたよりも弱かった様に思うけど。それは皆の連携があったじゃないか?」
「そうだな。ラージボア程度のCランクモンスターなら、この森にはごろごろいてるから。まずは、慣れて行ってくれ。そして第一の目標は一撃で倒せるようになる事!」
「ええぇ~?!一撃で?!そんな事できるの?」
「ああ、おあつらえ向きにもう一匹出て来たな」
今いる場所から10数m先に今のと同サイズのボアが歩いているのが見えた。
「俺達3人の中で攻撃力が一番弱いのがマリナだ。とは言ってもその辺の騎士は足元に及ばないぐらい強いが。マリナ、頼めるかな?」
「いいよ~♪」
何か物でも取りに行くかの如く、軽い感じでお出かけしたマリナちゃん。
「とぉあ!」
ボアまで軽い足取りで近づくと一閃の元に首を飛ばした。
「ただいま~!食料げっとぉ~♪」
「ナイス!マリナありがとう!」
「いえいえ♪」
「な?」
シンの方を見ると、無言で大口を開けて驚いていた。
「シン?大丈夫か?」
「・・・凄い!僕も頑張ったらあれぐらい出来るようになる?!」
「ああ!マリナはあれでも本気なんか微塵も出してないぞ!シンもあれぐらいはすぐに出来るようになって貰うさ!」
「マサト!俺、頑張るよ!」
どうやら、思った以上にスイッチが入ったようだ。
学校では出来ない体験がここにはゴロゴロある!
危険はあるが、生きる為の実力を上げるには持って来いの場所がここだ!
それから、小屋に着くまでに18戦はした・・・シンは小屋に着くなりへたり込んでしまう。
初めての冒険でいきなりの18連戦はなかなか堪えたようだ。
それにしても、なんだろう?
獲物の多い森ではあるがこんなに多かったかなぁ?
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