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2-23 日常。初めてのクエストボード・・・伯爵邸で執事のお仕事!?ー其の8-

明日も17:00の投稿予定です。

それでは、本日もどうぞごゆっくりご覧下さい。

 まるで、時が止まった様に思える程一瞬で永い時間。

 お互いの息遣いが聞こえてくる。

 そしてその息遣いが止まった・・・


 刹那の一瞬互いが反射した鏡を見るように動き出す!


「そこまで!」


 場外からの急な掛け声にお互いの体が動きを止める為に働きだす。

 俺の喉元に刃が突き付けられ、エドモンドさんの喉元にも刃が突き付けられた状態でピタッと止まる。


「「「「「「おおぉぉぉぉぉ~~~!」」」」」」


 その様子に全員の歓声が巻き起こり、拍手が俺達二人を包みだす。

その歓声に乗じる形で、二人とも構えを解いて伯爵の方に身体を向ける。


「二人ともお疲れ様でした!実力の程はもう十分だろう。今回のカガミに対しては皆の反応を見る限り、火を見るより明らかだろう。まさかエドモンドと互角に渡り合う程とは私も思ってもみなかった。ロッテンマイヤーよ。これで異論はなかろう?」

「・・・・・・はい・・・」

「「「「「「おおおぉぉぉ~~~!!」」」」」」


伯爵の言葉にロッテンマイヤーは肩を落とすように渋々頷くと、全員が再び歓喜に沸く。

それは、新人の異例の抜擢に対する物ではなく。

自分達も実力を見せれば、今回のような事があるかも知れないと言う期待に胸を弾ませた物であった。


「やったぁ~!マサト!良かったね!」

「マサト君!良くやりましたね!」


マリナとディアさんが喜び、俺に駆け寄って来て俺に祝いの言葉を掛けてくれる。

ふと気配を感じ、上を向くと。

先生も嬉しそうに拍手を向けてくれていた。


「マサト!やったね!これで晴れて僕のヴァレットだ!」

「ああ!色々ありがとうな!」


俺達は周りに声が聞こえないように喜び合い、握手をした。

すると、今度は伯爵様とエドモンドさんが近づいてくる。


「おめでとう。これで誰も何も言えなくなった。ご苦労だったね」

「ありがとうございました。まさかの連続で困惑はしましたが何とか形になったようで良かったです」

「カガミ君お疲れ様でした。まさかこれ程の実力をお持ちだとは思いませんでした」


エドモンドさんが右手を差し出して来てくれる。


「エドモンドさんもありがとうございました。僕もエドモンドさんが滅茶苦茶強い事に本当にびっくりしました」


俺は満面の笑みでその手を掴む。


「まだお若いのに、それ程の力をどうやって手に入れられたのですか?」

「これは、名前は言えませんが。とある方に師事させて頂く事が出来たからです」

「そうですか。是非お名前を伺いたかったのですが」

「すいません。本人に固く口止めされておりますので、ご勘弁下さい」

「そうですか、それは残念です。でも、本当に久々に楽しい試合が出来ました。ありがとうございます」

「いえ!こちらこそ胸を貸して頂き、ありがとうございました!」


俺はエドモンドさんに尊敬の念を込めてお辞儀すると、話がある程度終わるのを待っていたかのように伯爵様が俺に話しかけて来る。


「それで、カガミ先刻にも話していた事だが、君にもう一つやってもらいたい事なのだが・・・」

「あ!はい!」

「シンに剣の稽古をつけては貰えないだろうか?」

「え?」


唐突な伯爵様の言葉にシンの方を見ると、ニコニコして頷くだけ。


「どうだろうか?」

「ありがたいお話なのですが。何故、急にそのようなお話になられたか、伺ってもよろしいでしょうか?」

「そうか。まだ内容も話していないのに話を受けろとは、私とした事がとんだ失態だな。シンには1か月後に同じ伯爵家の子息との御前試合が決まったのだよ。本当ならエドモンドに稽古をつけてもらうのが良いのだが、私の護衛でもあるのでそれは出来ない。そこで誰か実力のある者を探していたのだよ」


伯爵は困り顔で俺の目を見て来る。


「そうですか・・・重責ですね。そのような重責、私のような者に務まるとは思えませんが・・・」

「これは、シン本人からそうして欲しいと願い出て来た事なのだよ」

「え?!」


俺はもう一度シンを見ると、やはりニコニコしているだけで何も言わない。

シンのヤツ、このまま伯爵の権力で押し切るつもりだな?そうれならこっちも・・・


「そうだったのですね。ただ、私も修行中の身ですので師に確認を取らないとお返事する事が出来ません。お時間をーー」

「良いじゃないですか!」

「え!?」


急に吃驚して空中の一点を見つめだす俺に周りは怪訝な表情を浮かべる。


「カガミ?どうしたんだね?」

「あ!いえ、師から通信が入りまして」

「通信とは何かね?」

「あ!申し訳ありません。通信とは遠方より魔力を使って言葉を伝える事が出来る魔法です」

「なんと!君の師は遠方より魔力で言葉を話す事が出来るのか?!それは是非会って伝授して頂きたいな」

「申し訳ございません。先程も申しましたが、師は誰ともお会いになりたがらなくて」

「そこを何とか頼む事は出来ないか?」


うっかり通信なんて言葉を出してしまったがゆえに、伯爵様が食いついてしまった。

それそうだろう。こんなもの一大発見レベルの魔法だからなぁ。とは言え、どうしよう???


「先生?どうされますか?」

「あなたが適当な事をしてこうなったんですから。適当に会わない方向で答えておいて下さい」


クソッ!分かっていたけど、こういう時は相変わらず冷たいなぁ!


「はい、畏まりました。やはり、お会いにはならないそうです。そもそもこの魔法は修得に長い年月を要する上に10000人に一人と言う才能の持ち主でないと修得できないそうですので。生産性もない物ですので、ご安心下さいと仰っております。申し訳ありません」

「そうか、確かに初めて聞く魔法であるし、今回はシンの方が先決なのでしょうがない。して、シンの事はどう仰られているのかな?」

「面白そうですし、是非やらせて頂きなさい。しかし、納得のいく結果でないと許しませんがね」


前門の虎、後門の狼とはよく言ったものだ!まさに今の状態がそれだろう。

結局、断る事なんてできる状況じゃないじゃないか!


「・・・お受けしなさいと仰っております・・・」

「そうか!それは良かった!なぁ、シン!」

「はい!お父様!ありがとうございます!」


クソォ!こんなことなら最初から受けててもなんら変わらなかったじゃないか!

シンにも嵌められるなんて、俺の周りにはドSしかいてないのだろうか?・・・



今回も読んで頂き、ありがとうございましたm(_ _)m


そして!もしよろしければ、少しでも読み続けて行こう!

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今後も本作を書いていくモチベーションとなります。

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どんな事でも構いません。同時に感想もお待ちしております。少しでもコミュニケーションを取れればと

思っております。

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