2-20 日常。初めてのクエストボード・・・伯爵邸で執事のお仕事!?ー其の5-
明日も17:00の投稿予定です。
それでは、本日もどうぞごゆっくりご覧下さい。
翌日、俺は使用人控室に着くなり。
ロッテンマイヤーさんに、フォルテ伯爵から直々に呼び出されている事を聞かされる。
伯爵の執務室に向かう道すがら。
ロッテンマイヤーさんからは、耳にタコが出来る程に失礼な事はするなとか、口を慎めだとか、散々聞かされた挙句。執務室に着くまでずっと嫌味を聞かされ続けた。
そして最後に、出来るだけ使用人達の印象が良くなるように計らえと言われた。
やっぱりいけ好かないババアだ!
コンコンコンコン
「・・・入りなさい」
執務室に到着すると。
入り口に立っている衛兵の人に一礼し、ロッテンマイヤーさんが前に立ちドアをノックする。
少しの沈黙の後、中から聡明な感じのする落ち着いた声が返事をした。
「失礼致します」
「失礼致します」
ロッテンマイヤーさんが、先に入室するとドアから少し入った所で立ち止まった。
「お呼びになられておりました。ホールボーイのカガミ マサトを連れて参りました」
やはり主の前だからか、ロッテンマイヤーさんの声に緊張が感じ取れる。
部屋の中には、フォルテ伯爵であろう金髪に口髭を蓄え、髪を綺麗にオールバックにした40代位の男性が執務机に向かい。
その横にはこれまた金髪のシンが笑顔をこちらに向けて立っていた。
「ありがとう。君は職務に戻ってくれたまえ」
「はい、畏まりました」
二人の会話が、いつも通りのやり取りであるのだろう。
スムーズにロッテンマイヤーさんが退室する。
いつもは嫌いなロッテンマイヤーさんだが。
この時ばかりは独り残された不安感からか、まだ残っていて欲しかった。
「君がカガミ マサト君だね」
フォルテ伯爵がペンを走らせるのを止め、顔を上げ俺を一直線に見て来る。
「はい。そうでございます!」
「今回はシンが助けて貰ったそうだね。まずは親としてお礼を言わせておくれ。息子の命を救ってくれてありがとう!」
フォルテ伯爵は、そう言うと立ち上がりお辞儀をしてくれる。
「え!?いえ!そんな大した事はしてませんので!ど、どうか表をお上げください!」
俺は物凄く焦った!この時代の貴族の偉いさんは、傲慢で横柄な人ばかりだと思っていたので。間違ってもこんな頭を下げられるような事は予想していなかった。
「ありがとう。君がいてなかったら今頃はどうなっていたか分からない。何かお礼がしたいのだが、何か欲しい物とかはないかね?」
「いえ、この度の事に関しましては。使用人として当然の務めを果たしただけです。どうぞお気遣い無く」
「それは、ロッテンマイヤーから言われたんだね?」
「え?いえ・・そんな事はございません」
「嘘を付かなくて良いんだよ。ロッテンマイヤーなら言いそうな事だ。今回の事は伯爵として言っているのではなく、シンの父親として言っているんだよ」
「!?っつぅ!!」
フォルテ伯爵の言葉を聞いた直後、急に激しい頭痛に襲われた。
「マサト!どうした?大丈夫!?」
「あ・・・ああ、大丈夫大丈夫・・・!?あ!・・・」
俺の様子を見たシンが、今までの笑顔を消して駆け寄り、体を支えてくれる。
俺は頭痛のせいか、伯爵の前で立場を忘れた振る舞いをしてしてしまい、気づいた頃にはもう遅かった。
「そんな顔しなくても大丈夫。君の事はシンから聞いているから。それよりも大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。ご心配をお掛けしました」
頭痛は瞬間的な物だったようで、直ぐに痛みは引いて行った。
「そうか、なら良いんだが。気になるようだったら後でちゃんと診て貰うんだよ?」
「はい。ありがとうございます。シンもありがとう」
「辛いようだったら、無理しなくても大丈夫だよ?」
「ああ、もう大丈夫」
シンは再度俺の様子の確認するように顔を覗き込むと、一安心したように少し離れる。
「君はシンの友人になってくれたそうだね?」
「はい・・・でも、大丈夫でしょうか?主人と使用人が友達など恐れ多い事ではありませんか?」
「ははは!そんな事を気にしていたのか。それは大丈夫!だが、人の目がある時は気を付けて貰いたいが、二人の時は友人でいてあげてくれないか?」
「本当に良いんですか?」
「ああ。シンの友人でいてあげて欲しい」
「はい!ありがとうございます!」
俺達は互いの顔を見合わせ、ガッツポーズを取る!
「それではもう一度シンの友人であり命の恩人である君に聞くよ?お礼をさせてくれないか?」
「・・・・・・お気持ちは嬉しいのですが、友人であるなら尚更いただけません。当然の事を下までですから」
「お父様」
「ん?どうした?」
「私は自分の友人が下働きと言うのも気が引けます。今回の事もありますし、私のボディーガードも兼ねての専属の執事にしては頂けないでしょうか?」
シンがニヤニヤした顔で伯爵に話しかける。
「おお!それは良い案だな。聞けばマサト君は冒険者としてもなかなかの腕前との話だ。私としてもそうしてくれれば安心なんだが。どうだね?」
伯爵もニヤッとしながら俺に確認を取って来る。
「お二人にそう言って頂けるのでしたら、慎んでお請けさせて頂きます」
「よし!これでロッテンマイヤーの新人いじめからも解放だね!」
「え?知ってたの?」
「ああ、わかっていたよ!何回か働きかけたんだけど、尤もらしい事を言われてね」
「そうだったのかぁ~、まあ、あれはあれで面白かったから良いんだけどな」
「あんまり面白そうには見えなかったけどね」
「それでは、ロッテンマイヤーに伝えないとな」
そう言うと伯爵は机の上にあったハンドベルを鳴らす。
ガチャッ
「はい、お呼びでしょうか?」
扉を開けて入ってきたのはランド・スチュワードのエドモンドさんだった。何処にいたんだろう?
「今日からシンのヴァレットを務める事になったカガミ君だ。身支度を頼む」
「畏まりました。それでは参りましょう」
「はい!ありがとうございます!」
俺は、伯爵とシンの顔を交互に見ながらお礼を言うと。エドモンドさんの後に付いて執務室を出た。
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