2-19 日常。初めてのクエストボード・・・伯爵邸で執事のお仕事!?ー其の4-
誤字・脱字報告ありがとうございます!
今、手直し中ですので助かりました^ ^
明日も17:00の投稿予定です。
それでは、本日もどうぞごゆっくりご覧下さい。
そして30分も掛かる事無く薪割り完了!!
終わった俺は、ロッテンマイヤーさんが再度見回りに来るまで放置していた。
その空いた時間は何もすることもなかったので、やっぱり間取りを確認する事にした。
ちょこちょこと動き回っているとまた見付かりかねないので、オートマップで全体像の把握をする事にした。
いつも通り眼鏡を取り出し、掛けて起動する。
すると、最近は起動画面も無くなっていたのだが。今回は再度、起動画面が立ち上がり、初めて起動したときと同じぐらいの時間がかかる。
最後にLEVEL UPバージョン2を起動。
バージョン2への移行に伴って各機能もlevel UPされます。
の文字が浮かび上がってきた。
相変わらず、感覚的な作業性能と言うやつなのだろうか、説明の一つも出て来なかった。
「相変わらず親切設計ではないんだな。まぁ、初めも今も操作しながら覚えて行くのは変わらずか・・・」
俺は嬉しい半分、溜息も半分な気持ちで操作を続ける。
最近は声での操作以外での視線による操作にも慣れて来たので、声を出して独り言を呟いているおっさんを卒業。
眼鏡をかけて頭が不規則な動き方をしているおっさんを襲名する事になった。
これはどういう事かと言うと、ファミコンを初めてやった人は十字ボタンを押すのと一緒に身体もそっちに反応してしまうあれである。
たまに口が開きっぱなしで涎が垂れているのはご愛敬と言う事で。
「おおおぉぉぉぉぉ!これはヤバイ!本当にレベルアップしてるじゃないか!」
歓喜の雄たけびを思わず上げてしまったのは、今までは近辺のマップだけを表示していただけのただの地図だったのだが。
そのマップの中にいくつもの青い点がごき回っていたのだ。
「これは、俺のラノベ知識によると。味方が青色になっているんだな?」
そう、実際に窓から中を覗いて確認すると。
窓を拭いている人はマップでの同じ窓の位置で小刻みに動き。
歩いている人はマップでも同じ場所で歩くように動いていた。
余りにも面白いので、色んな部屋や廊下を見ていると一つの部屋で物凄い速さで動く点を発見した。
余りにも激しく動き回るのでその様子を見ていると吹き出しが出て来て『ディアーナ・フェルナンデス』と書かれてある。
「おお!点を凝視してたら、名前まで分かるのかぁ!これは便利だなぁ。・・・ディアさん、Sランクの力を存分に振るい過ぎなんじゃ・・マリナは何処だろう?」
マリナを探し出すとすぐに見つかった。
それは、やっぱり一般人とは比べ物にならない速さで部屋の中を動き回っているから・・・やっぱり姉妹なんだなぁ~。
あ、マリナの動きが急に止まった。ん?なんかおろおろしてる?・・・なんか壊したな?あ!窓の方に高速で移動してる!これは証拠隠滅疑惑が発覚したな・・・後でイジッてやろう♪
「それにしても、高性能になったな。これは他の機能も確認しておかないと!」
俺はその後は、眼鏡のアップした性能を探し出すのについ時間を費やしてしまった。
「こ・・・これは?」
眼鏡の画面でマップを開いた状態で他の機能を探していると、ロッテンマイヤーさんの姿こちらに向かっているのが分かった。
俺は今終わりました!の感じを出す為に残しておいた薪を割って待っていたら、着くなり顎が外れるんじゃないかと思う程開けて吃驚し出した。
「誰かに手伝って貰ったんじゃないですか?」
「いえ、誰にも手伝って貰ってませんよ?」
「この量をこの短時間で終わらせる事が出来る筈ありません!何か不正でもしたんでしょう!」
「いえ、不正なんてとんでもない!俺は冒険者ですから。これ位の事はちょっと本気を出せば終わらせる事は出来ますよ!」
「そ・・そうですか。貴方を見くびっていたようですね。今日は時間も時間ですので、これ位で結構です」
よっしゃ!勝ったぁ!その言葉を聞いた俺は腰の辺りで小さくガッツポーズを取った!その日の仕事は本当にそのまま終わりを迎えた。
そして俺達はいつもの酒場(あの事件以来、常連化した)に立ち寄り。自分たちの宿向かった。
それからの数日間は、ロッテンマイヤーさんと俺との壮絶な戦いが繰り広げられた。
内容は頼まれた仕事を制限時間内に終わらせれるか終わらせれないかの勝負!
裏庭全面の草毟り。〇
屋敷全体の廊下のモップ掛け。〇
屋敷全面の窓拭き。〇
厩舎一棟の建て替え。×
大量の芋の皮むき。×
5戦3勝。
ロッテンマイヤーさんとの戦いの要求も段々と理不尽になっていったが少しずつ楽しく思えるようになってきた。
ロッテンマイヤーさんの悔しがる顔が何とも言えない物が自分の中に出て来たように感じる。
そんな中、ロッテンマイヤーさんに外壁全ての清掃作業を頼まれ、内側の壁を掃除している時だった。
「シン様お気をつけて行って来て下さいませ」
「ああ、いつもの事だから大丈夫だよ」
ランド・スチュワード(家令)のエドモンドさんがシンを送り出している。
そして、シンが何処かに出掛けようと馬車に乗り込んでいる時だった。
「【エアーブレイド】」
何処からともなく聞こえた声と共に、大門が開けられたと同時に邸内に侵入する不審者の姿が見えた。
そいつは黒いフード付きのローブで全身をすっぽりと隠し、懐にナイフを構えシンに一直線に向かって走る!
「シン!危ない!【ブースト】」
俺はモップを持ったままブーストを掛け、シンに刃を向けるソイツ目掛けて全力で踏み出す!
「シン様!危ない!」
エドモンドさんが両手を広げてシンの前に進み出て盾になる。
ガン!
「キャッ」
その勢いのままエドモンドさん切りかかった不審者の刃に何とか追いついた俺のモップが相手の手首ごとナイフを叩き落した。
「え!?」
俺は聞こえた悲鳴の声が女だった事に驚き動きが固まる。
その隙を突いた不審者はとっさに落としたナイフを拾い上げ、もう一度シンに狙いを定め距離を少し開けて隙をタイミングを合わせようと構える。
「さがって下さい!」
俺は二人を一刻も早く危険から遠ざける為に二人と不審者の間に躍り出ると、不審者と対峙する形で声を掛けた。
「お、お願いします!」
エドモンドさんがシンを庇うように、ジリジリと不審者との距離を開けて行く。
エドモンドさん達から気を逸らせるように、不審者との距離を一気に詰めた俺は、上段からの一太刀をけん制代わりに浴びせかける。
「邪魔をするな!あ!待て!」
「おっと!君の相手は俺なんだよ。これ以上あいつを狙わせはしない!」
相手は俺のモップを受ける事も無く軽々躱すと、そのタイミングで屋敷へと逃げ出す二人を追いかけようと動きを見せるが。俺はそれを封じるように動きを合わせる。
「何があったかは分からないが、諦めた方がいい。俺があいつを殺らせない!」
「クソッ!【サンドストーム】」
「あ!うえっぷ!クソッ!前がみえない!・・・逃がしたか・・」
勘が良いのか、自分と俺のとの力量の差が分かったのか、不審者の女は急に諦めた様子を見せ、砂嵐を発生させると逃げ去ってしまった。
「マサト~!」
「マサトくーん!」
追いかけようかどうしようか迷っている俺に屋敷の方から呼ぶ声が聞こえる。
「まったく。また一つ欠点が露見してしまいましたね」
「え?先生!?」
真上から声がしたので見上げると、先生が音も無く降りて来る。
「あ、シド先生も?!大丈夫だった?」
「ああ。大した事なかったよ」
「シン様が襲われていて、新人が応戦中だって屋敷中大騒ぎでしたよ?」
「そうでしょうね」
「マサト。後でお説教ですよ」
「え゛ぇ゛~!」
「え?今度は何をしたの?マサト戦ってたんじゃないの?」
「その戦いの内容についてですよ」
「はぁ~い」
人助けをした筈なのに、先生に怒られるなんてツイてない・・・
今回も読んで頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
本日2話の手直しが完了しております!
宜しければそちらもよろしくお願いします。
そして!もしよろしければ、少しでも読み続けて行こう!
と思って頂けましたら。↓にある(☆☆☆☆☆)を是非ポチっとして頂けると、
今後も本作を書いていくモチベーションとなります。
『評価(下にスクロールすると評価ボタン(☆☆☆☆☆)があります』
どんな事でも構いません。同時に感想もお待ちしております。少しでもコミュニケーションを取れればと
思っております。
感想を下さった方、評価を下さった方。ブックマークして下さった方。本当にありがとうございます!




