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2-12 精霊王と予知・・・

今日は17:00更新できました!

昨日は2:00頃の更新になりましたので、今日の分は

今日の分で更新できました。明日も17:00更新を目指して頑張ります!

それでは、どうぞ!

 シノンの結界を抜けた俺達は妖精族の村に来ていた。

 妖精族の村はその体躯の大きさから推測できるが。各住居においても、人間族の何倍も小さい造りになっており。敷地面積にしても広くなく。村の人数も住居の数から100人もいればいい所だろう。

 こんな所に狼型の魔獣が一匹でも迷い込んだら全滅は免れない事は容易に考え付いた。さっきの結界にしても、ワイバーンに襲われた時のシノンの行動にしても。警戒力の高さはこの村の現状を見れば納得できる。

 そんな小さな村だから何処かの家に入れる訳もないので。村の中央にある広場に案内された。

 そこには村人である妖精達が集まっており、真ん中に白髪の長い髭を蓄え永い帽子にローブと小さな魔法使いのようなおじいさんがゆっくりと歩いて、俺の前までやってきた。


「これはこれは、マサト様でございますね」

「はい、この度はお招きありがとうございます」

「いえいえ、わざわざお呼び立てして申し訳ありませんでしたじゃ。私めはこの村の村長をしておりますサンザと申しますじゃ」


 村長は自己紹介を終えると一礼をしてくれる。


「ご丁寧にありがとうございます。カガミ マサトと申します」


 この場はちゃんとしないといけない気がしたので俺も一礼を返す。


「この度は、ワイバーンの討伐ご苦労様でしたじゃ。図々しくもシノンの申し出を快諾して頂いたお陰様で、この村は大変な脅威から脱することが出来ましたじゃ」

「いえ、それはこちらも別件で同じ依頼を受けてましたのでそんなに畏まらないで下さい」

「それだけではないですじゃ。シノンの命まで救って頂いた事もありますじゃ」

「あ・・ああ、それはそれでケースバイケースと言うか・・」


 俺はあの時の事を思い出し、ムズムズする股間の恥ずかしさとバツの悪さで何となく頬をポリポリ。シノンはそんな俺をみて意地の悪い笑みを浮かべている。


「村を代表してお礼を申し上げますじゃ。本当にありがとうございましたじゃ」


 村長が俺に頭を下げてくれると、村人全員も一緒に頭を下げてくれた。


「いえいえ、当たり前の事をしただけですので」


 こんな事、今までに一度もなかったので、嬉しくも思いながらも気恥ずかしさが表に出る。


「本当なれば宴席の一つも設けたい所なのですが、我らの食する物と人族が食する物違いから設ける事も難しいと思い。お礼だけでもと思いお呼び立ていたしましたじゃ」

「お心だけで良かったのに、ありがとうございます」


 これはもちろん建前と言うやつだ。


「お礼を渡す前にもう一つ。我らが主も貴方様にお会いしたいと言う事で、ここに参っておりますじゃ」


 村長がそう言うと、村人達が真ん中から左右に広がり真ん中に道を作りだす。


「主様、お待たせいたしましたじゃ」

「やれやれ、やっとかい」


 すると、男性とも女性ともつかない声が頭に直接響いてくると、村人たちの一番後ろから拳大くらいの光の玉がふわふわと飛んで近寄ってきた。


「君がマサト君だね。初めまして、僕はウィル・オー・ウィスプ光の精霊王さ。本体は今動くことが出来ないから、こんな形で現れたことを許して欲しい」

「え?あ、は、初めまして。カガミ マサトです。そんな!お気になさらないでください」

「今回は我が眷属の村のみならず命を救ってくれてありがとう。心から感謝するよ。」

「いえ、そんな大それた事はしてません」

「いやいや、今回の事は感謝しているよ。君がいなかったら僕としても大事な眷属を失う所だったよ。ありがとう」


 光の精霊王の言葉に呼応するように、またも村人全員が頭を下げてくれる。


「今回、どんなお礼をするのが一番良いのか考えたんだけど、シドの子と言うのもあるから。特別に僕の加護を与えようと思う」


その言葉を聞いた途端、村人達がざわつき始める。村長までも顔をキラキラさせながら、感嘆の声を上げている。そんなに凄い事なのだろうか・・・


「ありがとうございます」

「詳しい内容に関しては後で、ステータスで確認してね」

「はい!・・・あの、シド精霊王様。先生をご存知なんですか?」

「ああ!知ってるも何も、古の時代からの盟友って奴だよ」

「そ、そうだったんですね!先生、自分の事は何も話してくれないので、存じ上げず申し訳ありません」

「ははは!そうだろうねぇ。あ、君は親戚の子みたいなもんだからもうちょっと気安く喋ってくれると嬉しいな。呼び方もシドと同じウィルで良いよ」

「え?良いんですか?・・・それじゃあ、そうさせて貰います」


 俺は何か自分が知らなかった年上の親戚と初めて対面したみたいな気分になって何か嬉しい気持ちが込み上げてくる。


「シドは元気?」

「はい!元気すぎていっつもボロボロにされてます」

「そうか!シドが・・・君には目をかけているみたいだから、頑張るんだよ」

「はい!ありがとうございます!でも、どうして目をかけてるなんて・・・」

「おお~!なかなか良い所に目を付けるね。君には一つ伝えておかないといけない事があるんだ」

「あ、・・・はい。なんでしょうか?」

「今も言ったけど、君に目をかけているっていうのは見たわけじゃないんだ」

「はぁ・・・」

「この前、君【ゲート】を使ったよね?」

「はい!そんな事も知ってるんですか!?」

「うん。シドからどんな話しを聞いてるか分からないけど。あれは特殊な力なんだよ。」

「特殊ですか?」

「そう、ここに居る皆も分かっている話だから隠さず話をするけど。あれは魔法でもスキルでもなく、伝承者しか使う事の出来ない力、神の力なんだよ」

「え!?」

「やっぱり聞いてなかったんだね。神の力と言っても一端でしかないんだけど。力の特性ゆえ特殊な波動があってね。あれを使うとわかる者には分かってしまうんだよ。まぁ、分かる者と言ってもこの世界中でも僕ら精霊王とか魔王ぐらいだと思うけど」

「先生、そんな事何も言っていませんでした」

「そうだろうね。その理由は僕からは言えないけど。・・・・・・君は、近い内に世界へと旅立たなくてはいけなくなる。それは辛く厳しい旅になる。でもその前に大いなる災いが君に降りかかる事になる」

「世界に旅?大いなる災い・・・」

「そう、サンザ。あれを持ってきて」

「はい畏まりましたじゃ」


 ウィルの指示と共に村長は紫き色の座布団に乗った。ピンポン玉くらいの大きさの赤い球を一つ持ってきた。


「その災いで君は命を落としかける事になるだろう。今回呼んだのはその時の為と言っても過言ではない。その時の為にまずは僕からの加護」


 俺の周りが気持ちの良いあたたかな光で包まれる。光が消える頃、自分の中にある新たな暖かな力が芽吹いた事を感じる。


「そして、この玉はこの村の宝だ。これはこの村からのお礼だよ」

「どうぞ、お収め下さいじゃ」

「え?そんな大事な物、貰える程の事してないですよ!」

「いや、これは必要な事なんだよ」

「お収め下さいじゃ」


 村長の言葉に村人達もうんうんと頷いている。


「これは、その災いの時に必ず必要になるものだよ」

「じ・・・じゃあ、ありがとうございます」

「これは必ず必要になる物だから絶対に無くさないでね」

「は・・はい」


 何かざっくりとした現実味のない話にピンとこないまま貰った物を見る。


「それと、もう一つ聞きたいんだけど。そのボコボコの顔は大丈夫?」


 まだあるのか!?と急いで顔を上げたのだが。急な話の展開に付いていけていないが、玉の姿のウィルがニヤニヤしているように見える。


「そう言う所、先生となんか似てますね」


「ははははは!それは嬉しいね!・・・そろそろ時間が来たようだ。僕が小屋の所まで返してあげよう」

「え?急ですね!?」

「そろそろ君の連れが起き出す頃じゃないかい?」

「あ!確かに!」

「マサト・・・何かあったらこの子達を頼るんだよ?」

「はい!ありがとうございます!皆さん、ありがとうございました!」


 俺の身体が光に包まれ始める。


「マサト殿!お元気で!」

「マサト~!また会いにいくからな~!」


皆が笑顔で手を振ってくれている。シノンが心配そうに近寄って来る。


「ありがとう!シノン!また会おうなぁ~!」


とそこで俺の視界はブラックアウトする。

      ・

      ・

      ・

「・・・マサト・・・マサト!」


 ん?誰かの声が聞こえる。


「マサト起きてよ!またディア姉に怒られるよ!?」

「ん?」


 いつの間にか寝てしまっていたようだ。


「マサト!寝ぼけてないで早く起きて!」

「ん?大丈夫!ディアさんはまだぁ~」


何か良いのか悪いのか分からないが何となく良い夢を見た気がする。そう言えばシノンにまた会った。ああ、結構鮮明にまだ覚えてるなぁ~。


「まだ寝ぼけてるの?もう明け方だよ!」

「わかった!わかったって!」

「わかったら良いけど。マサト、蜂にでも顔を刺されたの?」

「んん~?なんでだ~?」


 俺は起き抜けの身体を起こすように伸びをする。


「顔・・・ボコボコだよ?」

「え?あ!・・・・・現実だったのか・・・」


今回も読んで頂きありがとうございました!


今回も読んで頂きありがとうございました!

ここまで読んで頂きあろがとうございました。


そして!もしよろしければ、少しでも読み続けて行こう!

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今後も本作を書いていくモチベーションとなります。

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思っております。

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