2-11話 シノン再び・・・
投稿時間の変更ですが。コロナの終息により作者の仕事も再開となりました。
毎日の投稿時間を17:00に固定してしようと思っていますが。
状況により変更を余儀なくされてしまう場合がございます。その時は
活動報告にて投稿予定時間に変更案内の記事を出させて頂きます。
ご不便をお掛けして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいませ。
毎日1話は出来る限り継続していきます!
ディアさん。普通に出来ればこんな心強い事はない人なのに・・・この依頼が終わったら一度聞いてみよう。
あの後、疲れ果てた俺達はもう一泊する事にした。
俺とマリナは体力を使い果たし、這う這うの体で昨日の小屋まで戻ってきていた。
ディアさんは戦闘終了後すぐに俺の手当をしてくれ、全員の夕食まで用意してくれた。焚火の周りには豪華な肉料理の数々が並べられ、今日の色んな意味を込めて作ってくれたようだ。
本人は照れていたが、味の方もなかなかの物でこの世界の食堂ぐらいならすぐに開ける程だった。
今日の火の番はディアさんがやると言ってくれたのだがそれは流石に男の仕事と断ろうとしたのだが今日は疲れているからと、ディアさん→俺→マリナの順で交代する事で話が落ち着いた。
ディアさんの番が終わり、俺の番になる。
ゴトン・・・
ディアさんが変えてくれたであろう焚火の火が燃え尽きようとしていた。
「そろそろ交換か・・・」
薪の交換をする為に、立ち上がり小屋裏から新しい薪を取って来ると、一陣の風が俺めがけて吹き荒ぶ。
「うおっ!」
急な強風に煽られ、持っていた薪を風に持っていかれそうになる。
「かなり強い風だったけど、明日は嵐とかにならなきゃ良いけど」
「・・・・・・ト」
「ん?なんか聞こえたような・・・」
何か身に覚えがある感じだが念の為、辺りを警戒する。
「・・・マ・・・・ト・・・」
「やっぱりなんか聞こえるーー!ヌオォ!」
微かに聞こえた声のような物を確認し直そうとした瞬間、後頭部に衝撃が走り頭が前に勢いよく折れ曲がる。
「いってぇぇぇ!誰だぁ!」
「マサト!」
「ん?誰なんだってぇ?」
「こっちこっち!」
「ん????」
自分の胸の高さぐらいの位置から聞こえる声に目を凝らしてみる。
「んんん???見えないぞ?やっぱり何処だ!」
「マサト・・・おいら達妖精は心が汚れている人間には視えない。たった一昼夜だったけど、心が汚れてしまったんだね!」
「やかましいわい!誰の心が元々汚れきっとるんじゃい!」
俺は先程声が聞こえて来た辺りの空間にビシイッ!を左手で突っ込みを入れる。
「いや、おいらはそこまでは言って・・・」
「冗談だよ!急に蹴飛ばしてくるから、仕返しをしたんだよ!」
「ハハハ・・・最初は本当はミエテナカッタクセニ・・」
「いやいや!そんな事より、大丈夫なのか?こんな所に現れて」
「ああ!そうそう、ワイバーンを倒してくれてありがとう!長がお礼を言いたいから連れて来いって!」
「長?村長みたいなのか?」
「そう!」
シノンが小屋とは逆方向の真っ暗な森の方へ向けて指を鳴らすと、暗い筈の森の中に奥へ向け、街灯が次々と燈るように青白い炎が道を作って行く。
「これって・・・なんかヤバい所に連れて行こうとしてないか?」
「おいおい、ナニ失礼な事言ってくれてんだよ!これはおいら達しか作る事が出来ない特別な結界なんだゾ!」
「そ、そうなのか。スゴイナー!」
「まだ、微妙に信じてないだろ?」
「イヤイヤ!ソンナコトハナイゾー!」
こっちに来てから色々な事があったが、その中でもより一層不思議色が強い。若い子達みたいにわぁ~!とか言って、簡単に信じられない。おっさんの性質がビンビンにビビってる。
「そっかぁ~、そんなに信じられねぇってんなら、長の事も信じらんねぇだろうから渡したい物ってのもなしだな!」
「ん?」
「長がお礼に渡したい物があるって言ってたけど。もういらないよな?」
「いや!いる!」
「信じられねぇって言ってただろ?」
「そんな事一言も言っていないだろう!」
「いやいや、今更現金なーー!」
「行かせてください!」
ここで俺は奥の手を出す!
「ええ!?!ジャンピング土下座!?」
そう!ジャンプした挙句、自分の膝の心配など顧みない捨て身の必殺技!ジャンピング土下座。
「わかったよ!そこまですんなよな!」
決まった!ここまでやっておちなかった奴はいない・・・
「じゃあ、これもそんなに長くは保たないからさっさと行こうぜ!」
そう言うとシノンは結界に足を進める。結界とは便利なモノで距離を短縮する事が出来たり。魔物から姿を隠しながら進む事が出来たり。実際に結界に入ってから何体かの魔物の間近を通る事もあったが、そばまで行ってもこちらを気配を察知したり視認する事もなかった。
因みに、この結界。外界からの情報は取り入れる事が出来るが、結界内の情報はシャットダウン出来ると言う事になる。それ故、さっきの俺の行動に相当腹を立てていたであろうシノンがニヤニヤしながら妖精族の秘儀『妖精乱舞』を俺の隙を突いて仕掛けてきたことは・・・外界に漏れる事はない。秘密の出来事だ。
今回も読んで頂きありがとうございました!
今回は実は内容ももっとご用意していたのですが、データが飛んでしまいました!
言い訳にしかなりませんが、お許しください(TT)




