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2-10話 ワイバーン討伐戦!なんか本当にすいませんでした・・・ ー其の2-

いつも読んで頂いてありがとうございます。

次話投稿は明日の17:00頃の予定ですので、よろしくお願いします!


それでは!どうぞ!

 さて、一難去ってまた一難!次はふんどし締めてかからんと命取られかねん!

 気合入れていくぞ!


「マサトー!気合入れるのは良いけど!一人で突っ込むのやめてよ!」

「いや、ちょっとアレには訳があってだねぇ」

「ワケ??」

「いや、今回だけはマリナは知らない方が良い事もある。因みにそれは知ると、先生にめちゃくちゃ怒られる事項に該当する」

「ええ!?それはイヤ!」


 マリナは顔が青くなっている!修行の間にちょこちょこ起こった、俺への執拗なまでの怒りの罰。あれを見ていた奴なら戦々恐々とする筈だ!クックックック!やっぱりこれは効いたか!なんかの漫画でやってたな。ニード・ナット・トゥ・ノー!と言うやつだよ!はーっはっは!っとこんな事ばかりしておれん、盗賊のアジト跡が見えてきた。


「よし!着いたぞ!皆、揃いましたか?」

「大丈夫!」

「・・・・・・・」

「それじゃあ、探索中に決めておいた作戦で行きましょう!」

「了解!」

「・・・・・・・」


 ん?なんか様子がおかしいぞ?


「お姉ちゃん?なんで黙ってって・・・まさか!?」

「どうした?」


 そう言えば、さっきからディアさん黙ってるな。


「お姉ちゃん!ダメだよ!」

「・・・・・・・」


 あれ?なんかマリナがディアさんの両肩を掴んで揺さぶっているゾ?


「お姉ちゃん!駄目だって!!」

「・・・もう我慢できん!」


 ああ!ディアさんが掴まれた両腕を弾くように振り払っ!


「え?」


 え?走った?


「あ、ディアさん走ってった・・・え!?走っていったぁぁぁぁぁ!?」


物凄い勢いで走ってるぞ!?Sランクの本領をココで発揮してるんじゃないか?


「マリナ!どういうことだ?あれぇ!あ!弓で攻撃してる!」

「あっちゃぁ~!お姉ちゃん。戦闘になるとああなっちゃうんだよねぇ~。いっつも一人なのもパーティに入らないからじゃなくて、パーティに入れて貰えないんだよ」

「な、な、な、なな、なんですとぉぉぉぉぉ!?」


 俺はその辺り一帯の木々をざわつかせるほどの大声で叫んだ。


「あ!でも、強さも腕も確かだから大丈夫だよ!ワイバーン程度だったら簡単に一人でやっつけちゃうから!」

「ほうほう、そっかぁ~!それだったら安心だね!ってなんも安心ちゃうわぁぁぁぁぁ!いやいやいやいや!問題はそう言う事じゃないでしょうよ!」

「あは、やっぱりぃ?」

「あらあら可愛い顔してからにもう・・・許しちゃうぞ♡ってなんでもそんな簡単に許されへんわ!ボケェェェェ!」


 俺は・・・いつの間にかスイッチが入っていたらしい。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。これは問題だぞ!?相手が駆け出し冒険者程度なら手はあるだろうが。Sランクのバーサーカーは誰も止められん!」


「はははははははははははは!ダメだ!この衝動と快感は止められんん~♡!」


 遠くの方で女の人の高笑いの声が聞こえてくる。


「・・・結局また嵌められたのか。アングのおっさんめ!覚えてろよぉ~!金貨一枚プラスさせてやる!」

「で、どうする?待ってても倒して来るだろうけど」

「そうだな・・・まあ、それでも俺はなんの・・・・ん?なんか聞こえないか?」

「え?お姉ちゃんの気違いじみた笑い声しか聞こえないけど?」

「それは、そうなんだが。なんかあっちの方からババババババってヘリのような音があっちから・・・・・ああぁぁぁl!」

「え?なになに?マサトもお姉ちゃんのマネって、それはダメだよ~!?」

「いやいやいやいや!あれをよく見ろ!」

「え??・・・・ええぇぇぇぇ!あれって!」

「ワイバーンの群れだ!1・2・3・・・23!?」


 そう気づいた時には既に逃げれるか逃げられないかギリギリの位置まで接近していた。


「ダメだ!ディアさんを回収しに行くぞ!」

「うん!」


 俺達はすぐさま森を抜けアジトに辿り着く。見た感じワイバーンの体力は大分削れ、そう時間も掛からず倒せそうな所まで来ていた。


「ディアさん!中止だ!ワイバーンの群れがこっちに近づいている!」

「はははははははははは!」

「ダメ!お姉ちゃん聞こえてない!」

「いやいや!ディアさん!このままだったら死にますって!」


 俺は止めようとディアさんの肩にタイミングを見計らって手をかける。


「痛っ!」

「触るな!今良い所なんだ!」


 ディアさんは予想していた以上の力で俺の手を跳ねのける。


「お姉ちゃん、ワイバーンの血でよけい興奮が解けなくなってる!」


 ディアさんの顔が狂気で歪む。


「血ってマジでバーサーカーじゃねえか!」

「お姉ちゃん!ダメだよ!このままだと、ほんとに巻き込まれて死んじゃうよ!きゃっ!」


 今度はディアさんを止める為に近づいたマリナを跳ねのけるように突き飛ばす!


「ヤバイ!もう時間がない!」


 俺は群れを視認すると。もう、すぐ近くまで迫ってきている。


「しょうがない!マリナ、ディアさん!許して!」


パァーンッッッ!!!


「え!?」


 俺は一瞬の隙をついて何とかディアさんの前に割り込み、その頬を力任せに叩いた!よし!ディアさんの目つきが驚きで一瞬正気に戻ってる!


「ディアさん、ごめん!聞いてください!ワイバーンの群れがココに向かっています。ディアさんがしっかりしてくれないと乗り切れない!正気に戻って下さい!」


 俺はこの機を逃すまいとディアさんの両肩を掴んで説得してみる。


「あ・・は・・ご、ごめんなさーー!?」

「マサト!危ない!」


 ギャアァァァァァァァァ!


 俺はディアさんを正気に戻すことに集中し過ぎた。後ろから聞こえた咆哮の瞬間、俺の背中は爪で切り裂かれた!


「グハッアッ!」

「え!?あぁ!ご、ごめ、ごめんなさい!!!」

「お姉ちゃん!マサトお願い!」


 次の攻撃を通さない為にも、マリナがワイバーンの間に割って入る。


「マサト君!マサト君!ごめんなさい、私!」

「・・・・・・・・だ、大丈夫ですよ」

「マサト君!」

「帰ったら親父さんにお礼言いに行かなくちゃ。あの目利きのお陰で背中がちょっと(えぐ)れる程度で済みました」

「ごめんなさい!私!」

「今はそんな事言っている場合じゃないです。俺は大丈夫ですから!気合いれて群れごと叩きますよ!」

「はい!」


「皆!森に一旦退却!追ってきた奴からディアさんが翼を集中攻撃!落ちた所を俺達二人で留めを差す!攻撃してきたら無理せず逃げ、森で攪乱。戦う場所は俺が選びますから、攻撃できるタイミングでディアさんの攻撃!それを皮切りに俺達で攻撃。乱戦になった場合は無理せず機を待って最初からの繰り返しです!これでどうでしょう?」


 自分が会社をやっていて役立ったと思える時はこんな時だトラブルが起こった時に全体の把握と今必要な事を指示する力。正しい判断を自分がしているかどうかは後になってみないと分からない。でも、今を乗り切ろうとする力は持ってる!


「「了解!」」

「俺は群れごと引きつけますから、二人は森で待機してください!行きます!3・2・1・ゴー!」


 俺の号令で、二人は今の戦線を離れ森へ移動する。俺は継続して戦うがすぐそこに迫っていたので、一太刀浴びせて俺も戦線を離脱する。

 それからは俺の睨んだ通りだった。戦っていた奴がすぐに追いかけて来る。俺が森に辿り着いた所で入れ替わり、ディアさんの弓攻撃の集中砲火で留めを差す。

次に一番で追ってきた奴は森の中に引き込んでから弓で翼を潰し、俺かマリナが攻撃。もう一人が次の警戒。あまり深追いはせず、引く所は引いての攻撃。これだけで5~8匹は仕留める事が出来た。

 武器屋の親父の選定眼は本当に非の打ち所がなく。今回、用立ててもらった武器・防具は魔石の付与魔法が紐づけで相乗効果を生み出し、俺達の身体能力は跳ね上がっていた。ワイバーンと言えど一撃で倒せる事も少なくなかった。

 森では木々が邪魔で戦況の様子を見ていた奴らが自由に動けない。奴らは空からの急襲で一気に仕留めてこようとする。そこをディアさんの弓で集中砲火。飛び上れなくなった所を俺達が周りを警戒しつつ攻撃。

 地上に落ちたら藻掻く(もが)だけかと思っていたが、意外に器用に走って攻撃してきたが、そこは俺とマリナの連携で手こずる事もなく数を減らせた。森の深さを利用する事が功を奏し、一気に襲って来てもそこまでの数での乱戦になる事はなかった。

 ワイバーンの予期せぬ動きで危ない場面もあったが、ディアさんのサポートは恐ろしいまでの精度で何度も助けられた。


 ディアさん。普通に出来ればこんな心強い事はない人なのに・・・この依頼が終わったら一度聞いてみよう。



徐々に数を減らしていく事が出来た俺達は、傷を負う場面もあったが。深手を負う事なく最後の一匹を仕留めるまで至った。

今回も読んで頂きありがとうございました!

ここまで読んで頂きあろがとうございました。


そして!もしよろしければ、

少しでも「なかなか面白い!」「なかなか楽しかった!」と思って頂けましたら。『評価(下にスクロールすると評価ボタン(☆☆☆☆☆)があります』を是非ポチっとして頂けると、今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。


どんな事でも構いません。同時に感想もお待ちしております。少しでもコミュニケーションを取れればと

思っております。

感想を下さった方、評価を下さった方。本当にありがとうございます!

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