2話 え?神様ってこんな扱いでよかったっけ?・・・
ネタ回になってしまいました。。。
プロローグとの落差が激しすぎて・・・なんかすいません。
あ~あ、ホントに今日はツイてない。。。
キー――――!ド――――ン!!
あ痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!
飛ばされたぁーーー!
今、めっちゃ飛ばされてる!
痛い!痛い!痛い痛い痛い!
やっぱり、めちゃくちゃ痛いじゃないか!
「ゴホッ」
そう言えばあの女の人は!あの女の人は大丈夫なのか!?
何処だ?何処にいるんだ!
俺の痛さなんてどうでもいい!
でも、あの人だけでも助かってくれてたら!
この後にきっとお礼イベントなんかが発生するはず!
このイベントだけは絶対に逃せられない!
「ゴホン!」
もう10年以上も彼女・・
いや!なんなら女性に触れたことすらない!
こんな残酷な事があって良いものだろうか!
「ゴホンゴホン」
そう!
前から思っていたんだがそもそも格差ってなんなの?
平等でいいんじゃないの?
格差社会なんてものがあるから、
俺がいつまで経っても成功出来ないんじゃ・な・い・で・す・か!!!
「ゴホンゴホンゴホン」
そもそもなんでこんな世界になった?
これはいわゆる根本・・
そう!神様が人間を作った事に端を発するのではないか?
「いや、こうなったのは君らのせいじゃよ?」
そう!俺らのせい!
それは確かにその通りだと思う。
でも、この理不尽はどうなの?
努力はきっと報われる・・・
報われた事なんか一回もないわぁ!
「いやいや、それはお主の努力がただ足りな・・・?」
あの時もそうだ!
初めて恋をした時だ!
あれなんかヒドイヒドイ!
「あれ?」
初めて恋に気づかされたのは、そもそも奇跡的な出会いだったから・・・
あんな奇跡的な出会いはないと思う・・・
あれはそう。
冬の寒空の中。
道を歩いていると向かいから、白い毛糸のぼんぼりがついた帽子。
白いふさふさが可愛い耳当て。
「あ、あれあれ?気づいてないのかの?」
これまた白い毛糸のミトンで完全装備の、可愛らしい顔をした女の子が。
温かい缶コーヒーを両手で包んでフーフーしながら歩いてきたんだ。
「完全装備って!しかも歩いてきたんだ。じゃてぇ?」
その姿は子供だった俺にとっては、奇跡の瞬間だったよ。
それは・・・そう天使!こんな汚い下界の寒空に舞い降りた。
たった一片の鼻びらのような天使!
「ねぇ、きいて?おーいこっちこっち!こっちじゃよ~、流石に長くなってきてるじゃヨ~。あと、花のイントネーションを間違えて鼻になってるじゃよ~」
てへへっ!そうじゃそうじゃ、鼻じゃない花だったじゃよ。
「聞こえてる!!絶対に聞こえてるよね!?返答から口調のものまねまでやってるよね?下手くそだけど。ねぇ、なんでず~っと目を瞑ったままなの?」
やかましい!
下手ちゃうわ!・・・ほんまにぃ。
・・・あの時に俺は奇跡的に恋に落ちた!
そうあれこそが初恋!
あれこそが全ての始まりだったんだぁ!
俺はそのままの気持ちで追いかけて告白!
そして汚物を見るような怯えた目で見られ・・
即玉砕!
その後すぐに通りがかった子にも奇跡的に心奪われ告白→汚物の視線→振られるを何度も繰り返したぁ!
「いや、キモイって!惚れたその場で告白ってキモイって。しかもめちゃくちゃ!何人もそんな目にあうなんて被害者友の会作られる!訴えられるってじゃよ?」
何度も何度も努力したのに、報われた事など一度もない!一度もないんだぞ!本当に神なんてこの世の中にいるのか!?否ぁぁぁ!神などこの世にいない!原初の時代より神などいないのだあぁぁぁ!・・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・」
「えええぇぇぇぇぇ!無茶苦茶!荒唐無稽!筋もへったくれもない!あまつさえ目の前に居てるのにまだ目を瞑って勝手な事しか言わない辺りが可愛そう!神が可愛そうじゃよ!」
はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・あれ?そう言えば痛くないなぁ?
「今更それかい!どうもありがとうございましたぁ!」
「 どうもありがとうございましたぁ!」
「どうもありがとうございましたぁ!ちゃうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「え?」
「ええ加減、目ぇ開けぇやぁ!!」
「あ、、、あれ?死んでない?」
「お主は一体なんなんじゃ!?」
「え?・・・・・目の前に白い一枚布だけの半裸がいてる~~!」
「今更気づいたフリすんなやボケェェェェェじゃ!」
「え?いや、本当に今気づいたんスけど・・・え・・え??ってそんな泣く事じゃないっスか!・・ご・・ごめんってごめんなさいって!」
※※※※※※※※※一時間後※※※※※※※※※
「もういいじゃよ、・・・もう無視しない?じゃよ」
「はい!しません!神に誓って致しません!」
「神に向かって誓うもクソないと思うんじゃが・・・・・それでは仕切り直して・・・」
三角座りで目の下を赤く腫らした爺さんが立ち上がる。
「マサトよ!死んでしまうとは何事じゃ!」
「え?ドラ〇エ?あ、はい」
「ふざけている場合ではないぞよ!」
「え?ふざけてるのは自分じゃ、しかもぞよって・・・あ、はい」
「まあ良い」
「良いのかよ!」
神から隠すように口を尖らせ、手で突っ込みを入れる。
「ここに呼んだのは他でもない。お前は死んだのじゃ!」
「えええ!俺死んだの?マジで死んだの!?」
「そうじゃ、証拠に周りをよく見てみぃ」
「あれ?ここは事故った場所?ってか全部止まってるじゃねえか!」
今まで神の爺さんを慰める為に、周りなんか気にしてなかったが確かに全てが止まっていた。
「そうじゃ、実際はお前の身体がもったいないので、轢かれる前に時を止めたのじゃ」
「身体って・・・えぇぇ~~、そっちが目的~??」
俺はなんかこの異常な状況にテンションが上がっていたのか、瞳をパチパチ、腰をクネクネ両手はイヤ~ンな感じにしてみた。
「そんなベタなネタはいらん!」
「ベタって・・・」
「神と神の軌跡を前にふざけてばかりしおってからに、この状況を望んだのはお主じゃろう?」
「え?俺?」
「そうじゃ、電車の中で汚物のような顔をして叫んでおったではないか」
「お・・汚物って」
「今更そんなことぐらいで涙目になった所で同情なぞ誘えんぞ」
「クソッ!自分もそんなに変わらないじゃねぇか!」
「それしきの罵り、神である儂には通用せんよ」
あれ?杖を持っている反対の手で自分の太腿つねってるじゃね~か!
「何をニヤニヤしとる!」
「い~や~?別に~?」
「もうよい!話がちっとも前に進まんわ!もう用件だけを言うことにする!今回のお主の願いを聞き入れたのは他でもない!死者のゾロ目記念によるものじゃ!」
「ゾロ目記念?」
「そうじゃ、神々の世界の中でもちょこちょこある異世界に転生させるくじびきみたいな制度があるんじゃがお主は今回それにあたったのじゃ」
「え?それって・・・なんか軽くない?」
「軽い重いの話ではない!神も暇なんじゃ!」
「あ今、ホンネ言った」
「神にとっての異世界転生など造作もないこと、お前にアレコレ言われる筋合いはないわい!」
「いやいや、神様にこんな事を言うのも恐れ多いことだとは思いますけど・・・」
「なら恐れ多い!」
神様が発言を被してきやがった!そして杖を持ち上げ床に一突きする。
「え?」
すると、俺の床にはすっぽりと丸い形に底が見えない穴が開き
「お主と話をするのに疲れたわ・・・」
「神様がそんな事言っていいのかよおぉぉぉわあぁぁぁぁ・・・」
落ちた。
「向こうに着いてもすぐに死んだりしないように初心者パックやら規定のサービスやら色々付けておいたからのぉぉ!・・・・・今度こそ幸せになるんじゃぞ~~!」
遠くなっていく神爺の顔を憎たらしく睨みつけ
「やっぱりツイてないぃぃぃぃひぃぃぃぃ」
次回は出来れば明日の更新を目指します!
更新時間は未定です。