2-8話 初めてのクエストは二重依頼?・・・-其の2-
本日の投稿になります!
今、一日一回の投稿と物足りないとは思いますが。
宜しくお願い致します!
それでは、どうぞ!
それからどれ位の時間が立っただろうか。何回目かの焚火の薪の追加が済む。。辺りは虫の声や風の音ぐらいしか聞こえない。なんの変化もない筈の夜中、音も無く急に霧が辺りを覆い出した。
「霧が深くなってきたな」
パチパチと薪の爆ぜる音、どんどん見えなくなっていく視界に危険な物を感じた俺はそっと小屋の戸締りがちゃんと出来ているかを確認する。
「うん。これなら何かあっても多少の時間稼ぎぐらいは出来るだろう」
「・・・・・・・・・」
「ん、何か物音がしたかな?」
火の番は慣れた物だったので、敏感に反応はしたが。なんの気配もなく、獣の足音や魔物の襲撃のような音ではなかったので、そこまでの警戒はしなかった。
「・・・・たい・・」
「まただ!?・・・人の声?」
声のような音が聞こえた!?・・・気がしただけだが、急に緊張感が俺を襲って来る。
「・・・・・たいよぉ・・・」
「あっちか!」
今度は何となくだがはっきり聞こえた!俺は声の正体を確かめるべく剣を鞘から抜いてゆっくりと動き出す。
「グスッ・・・痛いよぉ~」
(ん?子供の声?・・・ヤバい!これ・・・よくある怪談とかじゃないよな!?)
どんどん悪くなる視界、声を頼りに進んで来た俺は。怪談の事を思い出すと怖い気持ちの方が緊張をあっと言う間に追い抜きビビッて後ろを振り返った!
「あれっ!?」
そう!後ろの視界も真っ白だった!俺の恐怖心はそれにより増長!歯がカタカタ言い出し膝がカクカク震えだす!下半身は催しだし漏らしてしまいそう!これ・・・詰んだってヤツだな・・・
「グスッ、痛いよぉ。誰か助けにきてよ~」
こんな時は男の子とも女の子ともつかないこの声は本当に恐怖の対象でしかない!
(よし!周りは見えないが、帰ろう!当たり前でしょ!?視界が良好!相手は実態のある敵!これなら何とかなりますよ!でもね。でも相手は幽霊かも知れないんですよ?俺は闘えません!?闘える訳がないでしょうが!もう帰ります!いや!もう帰る~!俺こんなのが一番苦手なヤツなんだよぉ~。)
この時、俺はミスを犯していた。自分の気持ちの整理に集中するあまりに本当に大事な事を見逃してしまっていたのだ。それは、俺が足を一歩前に踏み出した時。
「グスッ・・・いた・・え?」
「え?」
「に・にんげんんんんん~~~~!」
「で、でたぁぁぁぁぁ~~~~~!」
そう、声の大きさがかなり近くにあったことに気づかなかった。もしあの時に気づいてさえいればこんな事にはならなかったでしょう。この拍子に、俺の股間周辺から温泉が噴き出すことも・・・
ー数分後ー
「グスッ、グスッ」
「なあ、兄ちゃん。黙っといてやるから泣き止めよ~」
妖精の子供に慰めて貰ってました。
「だって、だってぇぇぇぇ、俺40にも〇×△☆#♭●□▲★※」
「え?なんて?わ~かんないって!もう人間だったら大人なんだろ?ズボンはすぐに乾くって!」
「そんな事言ったって、背負っちゃったもん!十字架背負っちゃったんだもん~~~!!」
人ってやらかしちゃうと、幼児帰り=恥も外聞もなくなる するんですね。
「わかった!十字架って何の事かわかんないけど、俺が洗・・イテ!」
「ん?」
「あ・・洗ってきてやる・・よ」
「お・・おい、なんかやたら顔色悪くないか?」
「だ、大丈夫だから、ほら!か・・」
「い、いや。大丈夫じゃないだろ?どうした?何処か痛むのか?」
「あ・・足が・・」
「お前!片足が千切れてるじゃないか!どうしよう!そう!そうだ!薬草!薬草があれば!」
俺はその足を見たとたんに居ても立っても居られなくなり、薬草を探しに走り出そうとすると止められた。
「ま、待って!兄ちゃん、薬草じゃ俺らは治らないんだ。」
「え?そんな!俺は今何も持ってないぞ?」
「いや、魔力。俺らは魔力を糧に生きてるんだ・・・だから、魔力を少し分けてくれないか?」
「お?そんな事で良いんなら幾らでも良いぞ!ほら!早く治せ!」
俺は何が何だか分からんが取り合えず、採血してもらうように両腕をつきだした。
「ありがとう、助かるよ」
妖精の子供はそう言うと俺の額まで飛び上がり手を当てると、何か光る物を取り出し、それを口に頬張った。その行為を何度か繰り返すうちに身体が光り出した。その光がなくなっている足に収束していくと形を作り・・・見事に足が元通りに戻った。
「兄ちゃん。おいらの声が聞こえ、姿が見える辺りからおかしいとは思ってたんだが、兄ちゃん何者だい?」
「ん?俺はただの人間だが。それでもう体は大丈夫なのか?」
「ああ、ありがとう!本当に助かったよ!」
「そうか、こちらこそありがとうな。それで・・・さっきの事なんだが・・」
「ああ!誰にも言わねえよ!命の恩人を笑い者になんて出来ねえさ!」
「そうか!ありがとう!後はズボンを洗って乾か・・そういえば。お前、なんでそんな事になった?」
「ああ、ワイバーンだよ。最近この森に住み着いたんだ」
「おお!」
「親父が言ってたんだけど、この辺り一帯を何年もワイバーンが狙ってたらしいんだけど、人が大勢住み着いてたから、この近くに巣を作りにくかったけど」
「ん?あ、うんうん・・・」
(ん?話が思ってたのと違うゾ?なんか聞き覚えのある内容が?)
「ここ数カ月でその人間がどんどん減っていったらしくて」
「そ、ソウナノカァー」
「まったくいなくなったら、それを機に住み着いたらしいんだよ」
(お、俺らのせい!?それ、俺らのせいです!だが言えん!この事は絶対に口が裂けても言えん!)
「ちなみに、ワイバーンはドコニスミツイタノカナ??」
「ん?人間達が住処にしてた鉱山跡だよ。あそこは広くてデコボコしてるから巣にするには丁度良いみたいなんだ」
(ビンゴォォォォ!確定です!完全に俺達です!俺達が盗賊狩りした跡地です!ごめんなさいぃぃ!)
「ん?兄ちゃん?どうかしたのか?」
「い、イヤ。ドウモシナイゾ!ウンウン。」
「ん?そうか、ならいいんだ!腹でも痛いのかと思ったぞ!」
(いえ、腹は大丈夫だが、ココロの方がヤバイ危ない!どうも顔色に出ていたみたいだな!コレハキヲツケナケレバ、バレテシマフ・・・)
「ハ、ハぁ!大丈夫大丈夫!丁度良かった!俺達はそのワイバーンを討伐しに来たんだよ!」
「え!?そうなのか!俺からも頼むよ!あいつら俺らの事を食い物としてしか見てなくて。仲間も何人かやられてるんだ!」
「そ、そうだったのか!?大変だったな。俺達が必ず倒してやるから安心しろ!」
(ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!本当に倒しますんで許して下さい!)
「そうか、何から何までありがとう!この礼はいつか必ずするからな!」
「ああ!期待してるぞ!」
「じゃあ、頼んだぞ~~!俺の名はシノン困ったときは俺の名を呼んでくれ~~!」
シノンと名乗った妖精の子供は、元気よく空に舞い上がると嬉しそうに飛んで行った。
それと同時に辺りを覆い隠していた霧が更に濃くなり俺の視界は完全にホワイトアウトした。
今回も読んで頂きあろがとうございました!
ストックは順調に増えて行ってますので
もう少々お待ちください!
また、放出時期が来ましたらちょこちょこ
放出していきます!
次回更新は明日の20:00頃の予定となっております!




