17話 テンプレの波状攻撃とは・・試練が多すぎます・・・
本日2回目の投稿です。
予定よりかなり遅くなって申し訳ありません。
それでは!どうぞ!
先生とアングさんのやり取りが終わると、先生に叩きだされるように部屋を後にした。
「あ!マサト~!こっちこっち~!」
「あ!そんな大きな声で出しちゃったらテンプレが発動しちゃう・・・」
それは時すでに遅しと言うやつだった・・・、ギルドのカウンターは例に漏れず酒場も併設されており。今は昼過ぎだから質の良いクエストを取り損ねた連中や、まともに仕事もしようともしないごろつきの様な連中が残っているだけだった。そしてお約束通り、美少女であるマリナちゃんが見た事ない新入りに、大声をあげて手を振っている状況を鑑みれば。後はどうなるか火を見るよりも明らかだろう。・・・ああ~、さっそくぞろぞろと4人組のゴロツキ感満載のが来ちゃったよ・・・
「よう、楽しそうで良いじゃねえか」
「いやぁ、そうでもないですよ?」
「裏で待ってるから、後で面かせや」
「ええぇぇ~、・・・わかりました」
「マサトさ~ん、こっちですよ~」
ああ、こっちで起きている事なんてつゆ知らず、火に油を注いでるよぉ~。
俺も無視する訳にもいかず、苦笑い気味で手を振り返す。
「チッ!ヘラヘラ笑いやがって。クソが!逃げんじゃねえぞ!」
ああ、怒ってる。もはや何発かで済ませてやろうモードじゃなく、絶対ボロ雑巾にしてやんよ!モードに突入してしまった。これはマズイ!言うだけ言って行っちゃった・・・どうしよう。
「これは面白い事になりましたねぇ~」
先生が耳元で嬉しそうに言う。
「いやいや、誰がどう見てもピンチじゃないですか!このままじゃ俺、冒険できなくなりますよ!」
カウンターに向けて歩き出す。先生と話をしているのは誰にも気取られないように小声だ。
「良いじゃないですか!男を上げる良いチャンスですよ!」
「いやいやいやいや、俺、レベル1なんですよ?まだ戦い方も知らないレベル1の超初心者なんですよ?」
「ま、頑張って下さい!」
そうこう言っている間にカウンターに近づいてきた。
「マサトさん。あの人たちは知り合い?」
「ああ、まあちょっとね。」
「・・・そうなんだ、あの人達あんまり良い噂聞かないから気を付けた方が良いよ?」
ああ、はい。今、すでにもう詰んだ状態に陥っております・・・心の中で泣いて、表は笑顔ってホントに辛いんですね。あ!堪え切れない涙が、涙が滲んじゃう!だって、男の子ですもの!
「それじゃあ、こちらに記入をお願いできますか?」
あら、なんとも甘い感じの声で私に喋り掛けて下さる方がいるわ♪
「はい、わかりま・・のぁぁぁ!」
と、横を見ると昨日の美人受付嬢があぁ!一気に昨日の失態が脳裏に蘇ってきて大声をあげてしまった。
「あ・・あ、はい。あ、・・・すいません。」
「え??」
「あ!ごめんなさい!マサト女性がちょっと苦手みたいで」
昨日の事を覚えていてくれたのであろうマリナさんが、咄嗟に割って入ってくれる。
「ああ!そう言えば昨日の!」
なんとぉ!覚えておられませんでしたかぁ!ぐはぁっ、く、口から血が止まらない。
「いえ、私は何も・・・ふふっ」
ああぁぁぁ~!堪え切れずに下を向いて吹き出しちゃってる!昨日のあの後、俺、笑い者になったの決定~!もう次から顔合わすのが本当に困難になったの決定~!
「・・・失礼しました。通常の登録ですのでこちらに記入してください・・・ますか?」
あっか~ん!まだ収まりがついてない感じや~ん!もうどうしたらええかわからんやつや~ん!
「あ・・・はい・・・・・代筆でも大丈夫でしょうか?」
「え?あ、はい・・・」
あれ?肩がプルプルしてない?気のせいか声も上ずってプルプルしてるような・・・
「あ、私が代わりに書きますね!すいません!この人、まだ外国から来たばっかりで」
「ああ、そうですね。宜しくお願いします。」
帰りたい・・・帰れるものならすぐに帰りたい!俺の心はこれ以上の辱めに耐える事なんて出来ない!
「それではカガ・・ミ?さん?あちらの測定機に移って頂けますか?」
お姉さんのお笑い許容量がギリギリなのだろう、俺に向けている笑顔がヒクヒクしてる。
「はい・・・・」
俺の自尊心の底が割れてしまい。俺はもう下を向きながらトボトボと測定機のある所に移動した。
「あ!ごめんなさい。わたし・・」
さすがに俺の状態に気づいたのだろう、お姉さんが気を使ってくれている。
「いえ・・・これで良いですか?」
測定器は比較的簡単な造りで。両掌の形が書いてある石板があり、その上にはモニターの代わり?に使うような、二匹の竜が渦を巻くように絡み合い、全体的にも豪華な装飾が施された水晶があった。
「はい、それでは少々動かないでくださいね!」
とお姉さんが言い鉄板のようなカードを嵌め込むと、水晶が徐々にうっすら光はじめ。それは段々と強くなり
「え?ええ?お、おおおぉぉぉぉ」
辺り一帯をまばゆい光が埋め尽くすと、一瞬にして収まった。その光の強さは沈んだ俺の心を期待で一杯にするには十分だった。
「あれ?」
お姉さんが怪訝そうな顔で俺の顔と水晶を交互に見ている。
「ど、どうしたんですか?」
この出来事とお姉さんの様子は非常に期待を膨らませるのに十分で・・・
「一般男性のステータスとなんら変わりありませんね」
とお姉さんは済まなそうに苦笑い
「このステータスだとFランクですね。しかも一般人となんら変わりはありませんので、クエスト受注の際はくれぐれもお気をつけ下さいね」
「え!?あ、はい」
「それでは注意事項とマスターからの指示されている物をお渡ししますのでお戻り下さい。」
俺はお姉さんの一言で一気にさっきより落ち込み、どんよりした空気が魔族でも呼び出してしまいそうな程。おどろおどろしい空気感を纏って足取り重く元のカウンターに戻った。
それからはなんとなく覚えているが、諸注意とは
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ギルドランクとはギルドレベルを各範囲毎にランク付けしたのもである事。
ギルドレベルとはギルドに対しての功績に応じたレベルであり、各ランクの上位レベルにあがると次のランクとレベルに上がる為のランクアップ試験がある。
飛び級も出来るがそれはE以上のランクであり尚且つそれ相応の功績値が必要との事。(下記参照)
SSSのランキング制度とはSランク以上の保持者はその戦闘能力の高さから受ける事が出来るクエストが評議員からもしくはギルドマスターからの直接の依頼となる為、能力の高さを図る基準が実力主義となる為、上に上がる為には各条件のクリアと自分より上位のランカーに勝つ事で順位を上げることが出来る事。
SSS・・・評議員全員の認定+ランキング制度
SS ・・・ギルドマスター5人の認定+ランキング制度
S・・・・ギルドマスター一人の認定+ランキング制度
A・・・・16~18 LV
B・・・・13~15 LV
C・・・・10~12 LV
D・・・・7~9 LV
E・・・・3~6 LV
F・・・・1~3 LV
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●基本クエストには適性のランクが書いてあり、そのランク以上の物しか受けることが出来ない事。
(しかし、パーティに自分より上位のランクの者がいている場合により2つ上までのクエストなら受注可能である事。)
●クエストの途中放棄は必ず違約金が発生するので必ず遂行する事。
●ギルド所属の冒険者の証であるギルドカードは高性能なものなので、紛失すると再発行料が金貨1枚かかる事
等々
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「以上が諸注意となります。そしてこれがマスターからのお預かり物です。もう一度言いますが、貴方は一般人とステータスがなんら変わりありません。くれぐれも受注するクエストには気を付けて下さいね!」
お姉さんは一枚の羊皮紙とギルドカードを手渡すと。俺のステータスがあまりにも弱かったのだろう。今度は俺の顔を心配そうに見ていた。・・・この時ドキッとしたのは俺だけの秘密だ。
用事も終えたのでカウンターから離れ渡された紙を広げると。中にはアングさんからで、商業ギルドで口座を作る事と金貨が3枚だけ張り付けてあり。後は後日渡すと記されていた。
ああ、あの時の『負けて』ってこういう事だったんだな~・・・切ない!
「マサト!終わったの?」
「あ、ああ終わったよ!それで急で申し訳ないんだけど、今からちょっと野暮用があって先に行っててくれないかな?」
俺は嘘を付く後ろめたさと、これから起きるであろう現実に苦笑いを作るしかできなかった。
「そうなの?しょうがないなぁ。じゃあ、先に行ってるから出来るだけ早く来てよ?」
「あ、うん!本当にごめんね!出来るだけ早く行くから!」
「うん。じゃあ、また後でね!」
「うん!ごめんねぇ~」
と、俺達はギルドの前で別れた。マリナが見えなくなると裏手に移動しようとすると。後ろから刃物を突き付けられた。
「おいおい、逃げようってんじゃねえだろうな?」
「ははは、ま、まさか・・・今から向かう所ですよ」
「そうか、じゃあ行こうか」
(いやぁ・・・なんだろう?日常ってこんなに辛い物だったのでしょうか?・・・ツイてないです・・・)
今回も読んで頂いてありがとうございました!
1本である程度の話しにしようとすると、どうしても
長くなってしまいます。
まだまだ精進せねば!
次回は初のガチンコバトルです!
拙い文章力でどこまでできるかわかりませんがよろしくお願いします!
次回投稿予定は3:00以降を予定しております
どうぞ、お時間がございましたらご覧ください。




