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16話 異世界の契約って便利なんですね。怖いけど・・・

本日1回目の投稿です!

少し遅れてしまい申し訳ありませんでした。

今、書き終えたのでご覧ください。

「では諸君!細かい話は明日の昼一番に集合!それでは、解散!」

         ・

         ・

         ・

 異世界生活3日目の夜。

 俺はなかなか寝付けずにいた。まだ何も分からないので夜で歩くのも怖い気がして外に出る気にもなれない。先生は早々に自分の寝床を確保すると寝てしまった・・・やることがない・・・テレビもない、ラジオもない、携帯もない、ネットなんてPCもないから当たり前にない・・・現代文明がいかに便利でいかに自分を堕落させるものかがわかる気がする。


 昔は『暇なんて言葉は知らない』とばかりに本を読んだり仕事の企画書を書いたり、事業計画を練ったりしていたが、慣れた頃からかどんどんそんな事からは遠ざかって飲みに行ったり、携帯で遊んだりアニメ見たり、ゲームしたりラノベ読んだり・・・そんな時間にもっと自分を磨いたり努力をするなりしていたら成功してたのかなぁ?ラノベでもよくあるもんな、皆が寝静まった時間に薬品作ったり呪文の練習したり・・・俺もちょっとずつでも頑張ってみようかなぁ?


「・・・・・・・・、ぐご~!ぐが~!」


 先生と寝るのも初めてだが・・・先生、イビキ五月蠅(うるさ)いんだな。と、寝ている先生の寝顔を見ながら一人小さく笑った。

やる気になったが吉日?とばかりに、俺はストレージの中から眼鏡を取り出し唱える。


「【起動(スタート)】・【ステータス】」


 ステータス画面が目の前に広がる。

変わっているはずもないステータスを眺めているとある事に気づいた!


「あれ?INTが200から211に増えてる?カリスマ値が321から318に変わってる!?あれ?CON?CONの項目が増えて21になってる?あと・・・称号キモイ男が増えてる・・・(ひげじい)コロス!!・・まぁ、それはそれとしてレベルもあがってないのになんでINTが増えたんだろう?カリスマ値の改善も気になるなぁ・・・・・・まあ!考えても分からん時の先生様だな!明日聞けばいっか!」


 こうして俺の異世界生活3日目の夜は更けていった。




ーー次の日の朝ーー


 ポカッ!


「いったぁぁぁぁ!」


 昨日はあのままの状態ですぐに寝てしまっていたようで、起き抜けに先生も起きていたので。聞いてみると。先生は何も言わず、俺がインナーを着ようと顔が隠れたタイミングにご自慢の杖で一発やられた。


「はぁ・・・寝静まった後に努力をしようとする心がけは少し成長出来たのかな?とは思いますが、殆ど考えもせずに聞くとはどういう事ですか?」

「だって、分からないものは自分で考えるより聞いた方が早いじゃないですか~」

「上辺だけはね」

「上辺だけってどういう事ですか?」


 40にもなって後から考えると、恥ずかしいが身体が若返ると思考も若返るようで。昔、上司に同じ事を言われたのを思い出す。


「君がやっていることは、ただ頭の表層に入れただけの事でしょう?吾輩が言っているのは自分で導き出した答えは間違っていても、後々の考え方にも繋がり後の問題の正解を導く訓練に繋がり尚且つ記憶にもしっかりと刻み込まれる事を言っているんです。馬鹿者がぁ!」


 ポカッ!


「いっだぁぁぁぁ!朝から何度も殴らなくたっていいじゃないですか!」

「馬鹿には言って聞かせるより体に言った方が伝わるでしょう!?」


 コンコンコン。


「あ、誰か来たようですよ?早く出て下さい」

「クソッ!わかりましたよぉ~」


 まだ納得のいってないながらもしょうがないので、まだ着かけたままの服を着直して扉を開ける。


 ガチャッ!


「はーい、どなたですか?」

「おはようございます!迎えに来ました!」

「あ!ああ、ご、ごめん!もうそんな時間かぁ。先生行きますよ!」

「吾輩はもう準備は終わってますよ」


 と肩に乗る。まだ、まぁまぁ気が引ける所もあるのだが。昨日の帰り道にパーティ結成と言う事もあって改めて挨拶をした後、距離感が遠く感じるので名前は呼び捨てで(先生は先生)呼び合う事と敬語は使わない事を決めた。


 ギルドへの道すがら、今日の予定は俺の装備を買い揃えに行く事と、明日からに備えてポーションなどの備品を揃えに行く事が決まった。昨日の話しもそうだが、大体がマ、マリナ(言いにくい)が先導して発言。俺がそれに同意。先生は終始無言で進んでいった。


 ギルドへ到着すると、受付嬢がギルドマスター室に行くよう案内してくれた。


「よう!諸君、昨日はぐっすり眠れたかな?」

「はい!」

「ええ、まあ」

「・・・・・」


 と個々それぞれの反応を見せる。


「そうか!では、私も暇ではないので今日は簡単な注意事項とこの後の予定について言っておく!」


 これには俺も、昨日の話しの時から少し気になっていたので、少し緊張からか背筋が伸びる。


「まず、マサト君。昨日言った事に詳細と追加なんだが、君はウチのギルドとの特別専属契約と言う事になる。よって君の直接の上司は俺だけとなる。

今回の事は内容が内容なので評議員の方達にも折を見て話す事にしたから、俺以外の人間には他言無用を貫き通して貰いたい。

もし、()れた場合はペナルティを()す事とするがそれは許して欲しい。

べレニーチェに関してはここで話している内容に関する事がそれに当たるからそう思っておいてくれ。」

「はい!」

「そして君たちは基本自由ではあるが、俺が呼んだ時は必ず応じる事。まあ、少々の事じゃ呼ばないから、そこは安心しておいてくれ。

あと、これが一番重要なんだが。マサト君昨日の君からの条件なんだが・・・一枚()からない?」

「負かりません!」

「そうかぁ、それはしょうがないなぁ~」


アングさんは何故か少し涙ぐみながら、しぶしぶ承諾していた。


「それじゃあ、今回の事は契約になるから契約書にサインを貰いたいんだが良いかい?」

「はい。」

「じゃあ、話は以上になるから。べレニーチェはカウンターで通常の登録の準備を進めるよう受付嬢に伝えといてくれるかい?」

「了解しました!」


 マ、マリナは(心の声でも緊張するもは許して欲しい)やはり今日も緊張していたのだろう。昨日と同じようにいつもと違う様子ではあったが、体育会系のようなバシッとした返事をするとキビキビと扉から出て行った。


「さて、本題なんだが。パーティを組ませておいてなんだが、べレニーチェにも君たちの素性の事は内密に願いたいんだ。」

「おっしゃる事はわかりますが、何故ですか?」

「まず、あの子を危険な目に合わぬよう。いや、あったとしても助かるようにだ。この世界には自白させるような精神魔法も存在するからね、本当に何も知らないに越したことはない。二つ目にあの子の潜在能力には期待する部分が多分にある。それを存分に生かしてはやりたいのだが、こちらの事情に巻き込みたくない。以上の2点だ」

「・・・分かりました!俺も最初からそのつもりでした・・・案外優しいんですね」


 俺はすかさず、意地の悪い目でアングさんを見た・・・


「・・・じゃあ、この契約書にサインしてくれるかい?最後に行っておくがこれは、魔術を介しての契約となる。破ると場合によっては命を落とすことになるかもしれないが。いいんだね?」


 スルーされた上に重たい話を振ってきた。


「ええ、一度口に出した事ですから」

と、書面にきっちりと目を通しサインする。書面となると前の職業病なんだろう。これだけはしっかり読むクセがついているようだ。


「え?ええ?ええええぇぇぇぇぇぇ!?うわ!うわぁぁぁぁ!」


 書類にサインし終えると、契約書に書かれていた魔方陣が羊皮紙から抜け出て二つに分かれると、光の塊になって俺とアングさんの胸に吸い込まれた。


「まったく、五月蠅いですねぇ。そう言う所も叩き直さないと」

「やっぱり熱い!」


 俺は熱くなった場所を見ようと衣服を捲り上げた。すると、元々あった魔方陣に追加するように読めない文字が周りを囲んでいた。


「おお!それは!」

「ああ!見られてしまいましたか?」


 とシドはマサトから見えないようにアングに向けて口に人差し指をあてた。それを見たアングは誰にもわからない程度唇の端を釣り上げた。


「これ!文字の部分が赤くなっていますけど大丈夫なんですよね!?」

「いつまでも五月蠅いですよ!情けない!いつまでもここに居ててはあの子に不審に思われてしまいますから。我々ももう行きますよ!」


 と言いながら先生は宙に飛びあがると杖の柄を俺に引っ掛けてドアへと促す。


「では、また何かあったら呼んで下さい」

「畏まりました。ありがとうございます」


 先生とアングさんのやり取りが終わると、先生に叩きだされるように部屋を後にした。


(・・・先生って人を雑にしか扱わないんだよなぁ~ほんとツイてない・・)

今回も読んで頂いてありがとうございます。

本日2回目の投稿予定は

20:00頃となっております。

またよろしければご覧いただければ幸いです。

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