9話 少しの成長、隠されていた真実・・・ ー其の1-
本日の1話目の投稿となります。
よろしくお願いします!
「来るのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。すぐに癒しますからもう大丈夫ですよ」
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「・・・あ、あれ?ここは何処だ?」
意識を失っていた俺が次に目を覚ましたら知らない天井が見えた。
「あ痛っつう!・・・」
身体を起こそうとすると上半身に鈍い痛みが走る、辺りを見回すと知らない部屋の中。自分はフカフカとはいえないまでもベッドの上で横になっている。
「起きましたか!」
部屋の開け放たれたままのドアから先生が入ってくる姿が見えた。
「先・・生?俺、なんでこんな所で寝ているんですか?」
「まだ頭が混乱しているんですね。ゆっくりで良いですから思い出してみて下さい。あなたは昨日兵士たちの屯所から助け出されたのですよ?」
俺が起きているのを確認すると、こちらに飛んで来て肩に乗る。
「あ!そうだ!俺、捕まって拷問の様な事されてたんだ・・・でも、なんで先生がここに?」
「助け出したのは私達だったからですよ。間一髪でした、あともう少し遅くなっていたらあなたは殺されていたかも知れませんでした。申し訳ありません。」
「なんで先生があやまるんですか!俺がバカでした、40にもなっているのに現実を現実とも見ようともせず先生や神様・・」
「神様とお呼びしなさい」
「あ、はい。神様に何とかしてもらう事ばかり考えていました。それは見放されてもおかしく無い考えでした。申し訳ありませんでした」
「見放す?」
「え?」
「見放してなどいませんでしたよ?」
「ええ?」
「私はあなたに言った通り、この世界ではなんの力を使う事も許されていません。故に助けを求めに行っていたのです」
「えええ!そうだったんですか!?」
「はい、私は一度引き受けた事を簡単に放棄したりなどしませんよ?」
「そうか・・そうだったんだ・・・でも、よがった・・よがったぁ~~!」
俺は先生の言葉で胸の中で何かが急に解けていくのを感じると共に、プツンと何かの糸が切れる音がした。すると安心したのか急に涙が溢れ出してきた。
「まぁ、懲らしめる意味もありましたがね。あそこまで事態が悪化するとは思ってもみませんでした。一度でも様子を見に行くべきでしたね。申し訳ありませんでした。何はともあれ、体の傷はほぼ完治していますが時間が少し必要でしょう。今はゆっくりして下さい」
それから少しの間、俺は泣き続けていた。先生は何も言わずに一緒にいてくれた。
◇◇◇◇◇◇◇数分後◇◇◇◇◇◇◇◇
「・・・お見苦しい所をお見せしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「・・もう大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございました」
「では、次のステップに進みましょうか。ギルド登録です!」
「おおお~!とうとうやってきましたか!テンプレ再登場~!」
「・・・成長はまだまだ先のようですね」
先生の言葉でテンションの上がった俺の姿に先生はあきれていた。
「ですが、その前に二つ程やっておかないといけない事があります。一つ目は貴方の身体に関わる事です。」
「え!?な・・・何か悪い事ですか?」
「いえいえ、悪いことではありませんが重要な事です。この事を今になって話せるのも一つ重要なステップが一つ達成出来たからです」
「・・・ステップですか・・・・まさか!?あの地獄の取り調べって、イベントとかだったって事ですか?」
「いえ、あれはイレギュラーの一つではありますが、あながちその発想は間違いではありません」
「ええ!?っていう事はあんな地獄を何度も経験していかなければ生きていけないんですか!?」
「まぁ、あそこまでとは言いませんがそれに近いかも知れません。それは・・・」
「それは・・・」
「『成長』です。今回この話が出来るのも実はあの一件を通して貴方は少しではありますが成長出来たからなんです。それと言うのもあなたの身体は実は神様からの頂き物なんですよ?」
「ええ!?ただ若返っただけなんじゃないんですか?」
「そうです。実は貴方の身体は通常の人間の成長限界を優に超えることが出来る器なんです」
「おおぉぉぉぉ!そんな真実が隠されていたんですか!?それならそうと最初に言って下さいよ~!」
「あの時に言ってしまうと、貴方みたいなバカは有頂天になってなんでも出来ると思ってすぐに盗賊とかに殺されていたでしょう?」
「あ・・・はい。たしかに・・」
「成長とは一概に言っても、貴方の身体は複雑に作られている上に努力が必須になってくる器なんです。ただレベルを上げていけば誰よりも強くなれる訳ではありません、貴方の心も一緒に成長していかなければステータスが伸びて行くことはありません。
要はバランスです。貴方の器(身体)にはあらかじめ限界の設定がなされています。ただただレベルだけを上げようとしてもちゃんと必要な項目のパラメーターを上げていなければ例えばレベル20が上限になるでしょう。
人助けをしカリスマのパラメーターも上げて行くことも上限を伸ばすことに繋がるでしょう、それにレベルだけを上げても剣術をちゃんと修得し経験を積んで使いこなせるようになっていなければただの力が強いだけの人になってしまいます。要は貴方が元いた世界となんら変わることはありません。
違うのは上限をなくすことが出来る事とやりようによっては成長速度を何倍にも速める事が出来る事です。この世界をこの世界でしか出来ない生き方をしたければ考え、経験して強くなってください。普通の人生で良ければこの街で仕事を見つけ日々を過ごして行って下さい。全ては貴方の自由です!」
「・・・・・・・・」
「黙り込んで、どうしました?」
「いや、神様・・」
「か・み・さ・ま」
「あ、はい神様やるなぁ~と思って」
「なんか上からの発言が気になりますが・・・それともう一つ、貴方にはここで決めて頂かなければなりません。冒険をして生きていくのか、普通の人として生きていくのか。よく考えて下さいこれはその体を持つが故の定めです。」
「今、決めないといけませんか?」
今回も読んで頂きありがとうございます!
本日も予定通り2本目の投稿が出来る予定ですので
お時間がございましたらご覧頂けると幸いです。




