~プロローグ~
風と申します。
あらすじでも書きましたが、僕の夢見た物語をココで叶えさせて頂きます!
誤字・脱字等至らない点が多々あるとは思いますが、どうぞ生温かい目でみてあげて下さい。
よろしくお願い致します!
それでは風劇場開幕です!
「「「ゆーびきーりげんまん、うそつーいたらはーりせんぼんのーます!ゆーびきった!」」」
気持ちの良い風が、辺り一面にそよぐ春の季節。草原に立つ一本の大きな桜の木の下で子供達が楽しそうに指切りをして遊んでいる。
「これで3人だけの秘密ね!ぜったいにやぶったらダメだからね!」
少女が右手の人差し指を立て、左手を腰にやりながら少年二人にお姉さん気取りで言い聞かせようとしている。
「うん!」
「・・・しょうがね~な~!」
上品そうな服装の金髪の少年は少し頬を紅く染め。少女を真っすぐに見つめ、嬉しそうに返事を返す。もう一人。快活そうな黒髪の少年も、何処か照れ隠しをするように両手を頭の後ろで組みながら明後日の方向を向き、気恥ずかしそうに返事を返す。
「これで私達は〇〇〇〇〇〇〇だよ!」
二人の男の子には満面の笑みで嬉しそうにする少女が幼いはずなのに、とても綺麗に見えた。
「あ!いけない!もうかえらないと!」
ふと、辺りの夕焼け色に気づいた少女が残念そうに口にする。
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
「きょうのばんごはんはなにかな~♪おなかへったな~♪」
「〇〇ちゃんのお母さんが作るご飯、美味しいから楽しみだね」
上機嫌にスキップする少女、頬を赤らめながら隣を歩く金髪の少年。
「あれ?なんかむらのほうがうるさくね~か?」
少し先を行く黒髪の少年。
「え?何かそう言えばそんな気がする・・・」
金髪の少年は、その様子を怪訝そうに道の先の臭いを嗅ぐ。
「おれ、ちょっとみてくる!」
黒髪の少年が手に持っていた棒を投げ捨て走り出す。
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
「なんで・・・・・・」
村の門前にたどり着いた3人は、自分達の村が炎に包まれている現状に茫然と立ち尽くしている。
「お・・・おかあさん・・・」
膝から崩れ落ちた少女は、今にも泣き出しそうな声でつぶやく。
「おい!そんなことしてるばあいじゃねーぞ!みんなをたすけにいかないと!」
黒髪の少年は、少女を立たせようと両肩を持ち引き上げる。
「そ・・そうだ!僕も家族を助けに行かないと!」
金髪の少年もハッと気づいたように目の焦点をあわせた。
「いくぞ!」
「ちょっと待って!どうなるかわからないし、後でいつもの場所で落ち合おう!」
「ああ!あとでかならずおちあおうな!」
「う・・・うん!」
立ち上がった少女と少年二人は、お互いの顔を見合わせると走り出す。
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
ゴオオオォォォォォ!
家の扉を開けるとそこには、燃え盛る壁面や家具。床一面におびただしい量の血溜まりの中倒れる二人の男女の姿が目に入った。
「とうさん!とうさん!・・・かあさん!かあさん!」
中に入った少年は、母親を庇うように倒れている父親の姿が目に入る。背中には剣を突き立てられ、二人もろとも串刺しになっている両親の傍に駆け寄り声をかける。
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
隣の家から少女の叫び声がする。少年は目の前の両親を置いて、溢れ出る涙を拭い、自分の家から隣の家へ駆けだす。扉から出た村の火の手は更に燃え広がており、火の勢いは増すばかり留まる所を知らない。どんどんと熱くなって行く顔にかかる熱風にも構わず、隣の声がした家に飛び込む。
「だいじょうぶか!」
少年は今しがた別れたばかりの少女が、火の手が勢いを増していくばかりの血飛沫が広がる部屋の中心でへたり込むように崩れ落ちている背中見つけると、少女の無事を確認するように真横に駆け寄りしゃがみ込んだ。
「いや・・・ママ・・パパ・・・いや・・・」
既に両親の死体を、焦点の合わない目で見続ける少女がブツブツと呟いている。
「〇〇ダメだ!まにあわなかった・・・・ここはあぶない、とりあえずさくらのきにいくぞ!・・・・」
少年は少女の両親の遺体を確認すると、へたりこんでいる少女を後ろから掴んで立たせようと力を入れる。
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
「え?・・・」
少年の体から急に力が抜け、持ち上げようとした少女ごとその場に倒れ込む。
「え??〇〇?」
少女は急に倒れたことにより正気を取り戻し、少年の方を見る。
「仕留めたぞぉ!こんな所にいやがった!女の子供も一緒だ!」
玄関の外から盗賊のような身なりの男が下卑た声で叫ぶ。
「〇〇?〇〇?どうしたの??え?」
少女は現状を把握できないまま少年の背中をみる。
(あれ?なんでちからがはいらないんだ?せなかとむねがあつい・・)
少年は力が入らないながらも自分の胸に視線をやると、胸を貫く粗末なつくりの鏃と徐々に広がっていく自分の血に気づく。
「お前はこっちにくるんだよ!」
男は少女に近寄り、片方の腕を掴んで引き摺るように立たせようとする。
「いやぁ!はなして!はなしてよぉ!」
「うるさい!そいつはもう死ぬんだよ!お前はこっちだ!」
(しぬ?おれ、しぬのか?)
※※※※※※※※フラッシュ場面転換※※※※※※※※
(はなせ!はなせよ!そいつはつれていかせない!!)
感覚が無くなり、震える右手を少女に向け伸ばす。
ゴオオォォォガタン、ゴトン!
崩れ落ちだす梁や家具。
「そいつはもう助からねぇ!オーーイ、こっちだ!!思った以上に上玉だったぜ!こいつは良い金になるぞぉ!」
「いやぁ!!はなして!はなしてよぉ!〇〇!〇〇!」
泣き叫ぶ少女、下卑た高笑いを上げる盗賊。
(〇〇!〇〇をはなせ!〇〇をはなせよ!)
「〇〇!〇〇!」
泣き叫びながら必死に藻掻き、少年に手を伸ばす少女。声にならない声を唇で形取り、その手を掴もうと手を伸ばす少年。
(はなせ!はなせよ!まだしねない!たすけないと!まだやくそくもはたしてない!〇〇ーーーー!!)
今回も読んで頂きありがとうございます。
読みずらい点が多々あり申し訳ございませんでした。
主人公と共に成長して参ります!
〇〇の部分に関しては意図的なものによるものですのでご容赦下さい。