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前略、枷とお願いと

「やっぱりー、こっちで合ってたみたいですねー」


 あたしたちは話し合った。もしも『召喚術』が完成しているのなら、あの状況で魔力切れと言って退きはしないだろう。


 それならどこかで力を蓄えてるはずだ。ポムポムは森をぬけた山々、そのどこかだと言った。

 ならそこを見つけて、叩こうと言うわけだ。

 案の定、それを防ぐためにトカゲが放たれていた。


「リリアン、それじゃあ作戦通りにお願いできる?」


「…………」


 リリアンはポムポムの部屋からここまで、一言も話さずについてきていた。

 何か迷うように、自分の手枷と鎖を見ながら。

 その迷いがとても深刻なものに感じたので、あたしも話しかけなかった。


「リリアン?」


「…………」


 反応がない、もしかしたら具合が悪いのかな?


「……すみません、少し考え事を、三つほど伝えておきます」


 なんだろう、もし不調なら休んでほしいけど。


「もし……もしもの時は、最悪の事態になる前にこの枷を外します」


 ……今なんて?それ外れるの?

 ありがたい話だ。でも、リリアンがその枷を疎ましく思っていないのは知っている。むしろ大事に思っているのも。

 自分の力の大半を封じてもこれまで外さなかった、そしてこれからも外したくないはずだ。


「ありがとう、でもそうならないように頑張るよ」


 リリアンの大切なものなら守ろう。難しくても、頑張ることはできる。


「あの娘をお願いします。きっと見た目よりも幼いはずですから」


 あの娘……シトリーのことだろうか、このまま進めばまた会うことになるだろう。

 一度戦ったリリアンは何か思うことがあるんだろか、幼いという言葉は気になるけど。


「りょーかい、任せて。もう一つは?」


 トカゲたちも少しづつ距離を詰めてくる、あまり時間はない。


「死なないで下さい」


 一言残してリリアンは別方向に走っていった。相変わらず足枷と鎖を感じさせない速さだった。

 リリアンはラルム君がいるのはどの山なのか、そして目的の山に張られているだろう結界を破りに行った。


 なぜ魔術師のポムポムではなくてリリアンなのか。それはポムポムが『壊すのは得意ですけどー、探すのは苦手なんですー』なんて言うからだ。


「だってさポムポム、死ねないね」


「死ぬ気はないですよー、それにだれも死なせる気もー」


 大きな杖をくるくると回しながら、感情を感じさせない声で言う、格好いいセリフを。


「よし!ならいこうか!……そういえばポムポムはどんな魔術が得意なの?」


 ポムポムも魔術師なら、得意な事や自分だけの魔術があるだろう。

 あたしに魔術をかけて強化とかしてくれないだろうか、もし後方支援が得意なら最初からその考えで動こう。


「今から見せますよー」


「なるほど、楽しみに……」


 してるよ、そう続ける前にポムポムはトカゲに向かって走り出した、超スピードで。


「……ポムストライク」


 何かを呟いて、大きな杖を大きく振るいあげる。

 そして振り下ろされた杖は、トカゲを吹き飛ばした。跡形もなく。


「………………」


 言葉がでない。あぁ、壊すのは得意ってそういうやつね……

 魔術(物理)……あんなに詳しかったのに……

 っと、いつまでも固まってるわけにはいかないね。あたしも戦わなくては。


「そんじゃあいっちょいきますかー!」


 あたしもカラフルな魔術師(物理)に続くことにした。

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