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前略、杖と友達と

 『アロロア』を覆う森を歩く。道中にポムポムといろいろな話をしながら。

 これから始まる戦いは、例えば自称正義の賞金稼ぎに襲われたり、山賊に襲われたりのような小さな戦いじゃない。

 命をかけることになる。だからその緊張をほぐしたくて、雑談を続ける。


「杖にもランクとかあるの?」


 前から気になっていたことを聞いてみる。もしあるのなら魔術師はポイントの燃費が悪い。

 普通に武器で戦うあたしも、まともに上のランクの装備スキルを習得できてない。

 それに加えて魔術自体にもポイントがかかる、ちょっと追いつかない。


「ランクですかー?うーん、セツナはまだそこなんですねー」


 んん?まだそこ?よくわからないな。

 装備のランクは当たり前のことだと思ってたんだけど、相変わらずネオスティアは謎が多い。


「ありますよー、魔術師は燃費が悪いんですー」


 新しい疑問をぶつける前に先程の答えが返ってきた。

 やっぱりか魔術師じゃなくてよかった。

 …………いや、魔術師だったら9999ポイントでいろいろできたのでは?


「エセ天使、許すまじ……!」


「???」


 ポムポムは不思議そうな顔をしている。それもそうだ、ポムポムはあのエセ天使に会っていない。

 エセ天使は上がった評価をすぐに落としてくるのだ。あたしも次こそは容赦しない。


「魔術……魔術……どうしようかなぁ」


「砂煙でも巻き上げてー、目くらましとかどうですかー?」


「ショボすぎる、却下だよ」


 杖の話から魔術の話へ。初魔術が目くらましとか嫌すぎる。

 いや、いざとなれば使うけど。どうせなら、もうちょっと格好いいのが使いたい。


「セツナは魔力総量が少ないから難しいんですよー、うーん、どうしましょー?」


「そこをなんとか、お願いしますよ先生」


 しばらく話しているとポムポムからいいアイデアがでた。

 それは……格好いい!


「それいいね!なんというか、ちょっとすぐにはできないけど」


「ドラゴン退治が終わったらー、ポムポムもお手伝いしますよー」


「ありがとう、楽しみにしてるよ!」


 もしそれがうまくいくなら、いろんな事ができそうだ。

 きっとあたしの必殺技も喜ぶ。


「……ポムポムはさ、ラルム君と知り合いなの?」


 もう少しで森をぬける。すぐに戦いが始まるかもしれない。

 その前にどうしても聞いておきたかった。魔術師たちに対する感じでは、ポムポムはラルム君を知っている。


「知ってますよー、ラルムはポムポムの友達ですー」


 友達……あたしも友達だと思っていた。

 でも、今のあたしは彼を友達とは呼べない。胸の引っかかりがそれを口に出させない。 


「……あたしもさ、ラルム君とは友達だったんだ」


 話す。『ラックベル』での事、再会と分かりあえなかったこと。

 なんと呼べばいいのか分からないこと。


「セツナは優しいですねー。普通、あんなことしでかしたら問答無用で敵だと思いますよー」


「優しくなんかないよ、中途半端なだけ」


 そうだ、中途半端だ、どうしようもなく。

 昨日はあんなにも怒りを感じたのに、今はなんとかしたいと思っている。

 リリアンにも言われたが、やはり心がブレている。


「ラルム君からは学園の話を聞かなかったから、ポムポムと友達だっていうのは意外だったよ」


「知り合ったのは最近ですからねー、ポムポムはセツナのこと知ってましたよー」


「どう?実際に会ってみて」


「聞いていたとおりの人でしたー」


 ラルム君からどんな事をとか聞きたかったけど、森を抜けてしまった。

 無数のトカゲがあたしたちを出迎え、雑談の時間は終わった。

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