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前略、魔術と適正とだと思ったよ!と

「だと思ったよ!!!」


 人生とはままならないものだ。

 いや、それにしてもネオスティアはあたしに厳しすぎじゃないだろうか?


「なんでよ!他の世界から来たなら高い適正があるって言ったじゃん!」


「「………………」」


 リリアンとポムポムも言葉がでていない。そりゃあそうだ、あたしもビックリだ。

 別に本気で怒っているわけではないが、ちょっとこの扱いはネオスティアという世界に文句が言いたい。


 話は遡る、つい数分前に。


「やっぱりここもボロボロですねー」


 ポムポムの部屋……だった場所に着いたあたしたちだけど、そこも例外なく瓦礫の山だった。


「別にここに思い入れがあるわけじゃないんで、いいですけどー」


 そういうものだろうか。たとえどんな場所でも、寝泊まりしているなら多少の思い入れが生まれると思うんだけど。


「そういうものですよー、ポムポムはこの学園自体、あんまり好きじゃないんですー」


 そう言って瓦礫の中から何かを探しながら、ポムポムは学園について話してくれた。


 聞けば『アロロア』はその美しい見た目とは裏腹に、とても閉鎖的な学園らしい。

 閉鎖的で、とても窮屈な。


「ポムポムも最近きたのでビックリですー」


 ネオスティアの学園はあたしの世界でいう大学のようなものだろうか、年齢も人種も無視して学びたい人が集まる、それは構わないのだが。

 

「自由がないのは勘弁だね」


 自主性は認められない。その上、最初からいた人間と後からきた人間、その2つの間には大きな隔てりがある。

 それもそうか、新しいことを学びたい人、変化を認めない人。その2種類の人がいる、うまくいかないものだ。


「全くです」


 リリアンも同じ気持ちみたい。リリアンはその見た目とは違い、縛られる事に否定的だ。


 ラルム君はどちらだろう、新しいことをしようとしていたから外部から来たのだろうか。

 そしてその夢は、学園の人からしたらあまり気分のいいものではなかったのだろう。


「ありましたよー」


 学園に対して考察を重ねている間に、ポムポムは目的のものを見つけたらしい。


「なにそれ?」


 率直な質問。ガラス玉……いや、水晶玉?

 ポムポムは占い師が持ってるイメージの大きな水晶玉を持っていた、よくぞこの崩壊で壊れなかったものだ。


「適正チェッカーですー、その人がどんな魔術が得意か分かるんですよー」


 ほう、それは便利なものだ。だがリリアンから聞いた話だと、あたしは全ての魔術に高い適正があるらしい。


「まぁでも、見ておくのはいいことだよね」

 

 ここからあたしの本当の冒険が始まるのだ、魔術を使いこなし、この世界を無双する…………


「「………………」」


「あれ?なんで黙ってるの?」


 本当の冒険が始まる……んだよね?

 待って待って、嫌な予感がする。よく当たるやつ、いやそんなはずはない。


「適正、ないですねー」


「……なるほど、思ってたよりない、ってことね」

 

 残念だけど、そんなのよくあることだ。べつにあたしは自分が優れた人間だとは思わない。

 別にそれくらいじゃへこたれない、人並みにあるだけで儲けものだ。

 あるよね…………?


「いえ、全然ありません。一般人以下です」


「いや待ってよ、そんなわけないでしょ」


 嫌な……予感が……

 後ろ向きな考えがよぎる。たまには格好いい冒険を……


「残念ですがー、適正なしですねー、魔術に向かないですー」


「これは……残念以外の表現が思いつきませんね」


「………………」


「あ、でも風なら少しー、前衛の戦士くらいならありますねー?」


 か、風?風属性?よ、弱そう……


「そもそもネオスティアに来てから今まで、魔力に目覚めない時点で怪しかったです」


「だと思ったよ!!!」


 人生とはままならないものだ。

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