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前略、久しぶりと装備変更と

 さて、再び倉庫にきたんだけど……


「やっぱりいるよね……」


「そりゃそうだろ嬢ちゃん」


 鍛冶師のチュウテツさんがそこにいた、前と同じくあたしの武器を背にして。

 前と違うのはその武器が完璧に直されていることだ。


「お仕事はいいんですか?」


 とりあえず聞いてみる、答えは大体わかってるけど。


「嬢ちゃんを止めんのも仕事だよ」


 だそうだ、ままならないものだ。


「仕方ないですね、みんな正しいと思う事の為に戦ってる」


 だけどもう負ける気はない。

 そして今は立ち止まる気も、構え、駆け出す!


「せいっ!」

 

「ふんっ!」


 木刀は弾かれる。軽々と振るわれるハンマーだけど、その威力はあたしの木刀とは比べ物にならなかった。


「やっぱり速さしかないのかな、あたし」


 まぁ取り柄があるだけいいか、なんだかこころなしか木刀も軽く感じる……軽く?

 なんだか前にもおんなじような事があったような……


「折れてるぅぅう!!!」


 ポッキリ。激戦を共に歩んだ木刀は、持ち手だけを残してその姿を消していた。


「て、そりゃ折れるか」


 今回はセルフでツッコミ、うん、武器は折れる。

 今は直っている剣と、くすねてきた木刀が教えてくれた、こうしてあたしはまた1つ賢くなった。


「あれ?」


 スカッスカッと、前に倉庫に来たとき木刀があった場所に手をあてる。

 おかしいな。ここは木刀の街、手を伸ばせばそこに木刀があるのが当たり前だ。


「この倉庫なんにもないよ!?」


 よくよく見渡せば、比喩でもなんでもなく本当になんにもない。

 あたしとチュウテツさんとあたしの武器だけだ。


「嬢ちゃんが使っちまうからな」


「ごもっともです!」


 まずい、こんな状況になるとは思わなかった。これは普通にピンチだ。

 頭を抱える……それならぶん殴ろう!


「だったらぶん殴ります!」


「女の子のセリフじゃねぇな……」


 今更だ。走る、あと1歩のところまで、近づければこっちのもんよ!

 轟け、あたしの新スキル。

 

「セツナストレートぉぉおお!」


「なんじゃそりゃ!?」


 ただの右ストレート。リリアンがいたらまたダサいだの何だの言われてしまうのでその場限りの名前。


 当たる!そう確信したとき、チュウテツさんはヒョイ、と半歩下がってあたしの拳を躱した。


「えぇっと……ごめんなさい?」


「オラっ!」


 逃げる!地面に転がりながらハンマーの直撃を避けて!

 踏み込むのに大分神経をつかうから、連続で使えないんだよ!


 逃げるあたしの背後から扉の開く音、援軍かな!

 ①リリアンが来てくれる。

 ②ラヴさんが来てくれる。

 ③ギンが来てくれる。

 ④これまで出会った人たちがきてくれる。

 さぁどれだ!!


「おぉ、チュウテツ。助けにきたぜ。」


「敵かい!」


 でてきたのはタイザンさんでした。これは……ピンチですね。

 冷静な分析をしているともう1人……


「ギン、お前も来たのか」


 少し前に戦ったギンもそこにいた。

 タイザンさんは、自分と一緒にチュウテツさんの助けに来たように見えるだろうが、あたしは違う。


「よかったよ、③だ」


「さん?何言ってんだセツナ」


 タイザンさんには分からないみたい、それもそうか、でもあたしはなんとなく分かってた。

 だって。


「そっス、俺も来たんですよ」


 晴れ晴れとした、迷いを振り切った表情で全員に宣言するように。


「俺、セツナを助けに来たんですよ!」


「やっぱり、だと思ったよ」


 信じてた、だって友達だから。


「久しぶりだな、セツナ。手ぇ貸すぜ?」


「ありがとう、それあたしの真似?」


 似てないよ、そう伝えると、うるせぇ!と返ってくる。

 数分ぶりだけどなんだか懐かしく感じる、お互いになにも知らなかった頃に戻ったような。


「コイツを使え!もう馴染まないなんて言わせないぜ」


 投げられる木刀。回転の加わったその持ち手を軽々と掴む。それはまるで使いこなしているような、古くからの相棒のような。

 短い経験だった、でも場数は踏んだ、それならこれはもう───


「もちろん!これはもうあたしの武器だ!」


「技術の向上によりユニーク武器【木刀】を習得しました」


 久しぶりのアナウンス。準備は整った。


「いこうか!【ウエポンチェンジ】!!!」


 初めて叫ぶ気がした。装備していた木刀は即座にその姿を愛用の片手剣に変えていた。

 久しぶりだね、相棒たち。


「そんじゃあいっちょいきますかー!」


 高揚感。正直なところ負ける気がしない!!!

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