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前略、家事と決起と

 あのなんとも言えないお料理教室が終わり。続いて掃除、洗濯、裁縫といろいろな授業がラヴさんの指導のもとにおこなわれた。

 なんていうか……花嫁修業って感じかな?


「悪くないですね、この1日だけでかなり高みに近づけた気がします」

 

 元からかなり完璧に近かったですけど。胸を張って言うリリアン。

 あれから全ての授業で、ラヴさんから悲鳴を引き出したとは思えない晴れ晴れとした表情だった。


「悪くないか……」


 悪くない……確かにそう思っている自分がいるのも事実だ。

 ここは心地がよかった。痛い思いも辛い思いもせずに隣人と笑い合える、平和がそこにあった。


「リリアン。ごめんね、あたしはやっぱりやりたいことがあるよ」


 この地下を気に入ってるような、リリアンには伝えづらいこと。

 あたしはやっぱりここが正しいとは思えない、やりたいこと、伝えたいことがあるんだ。


「なに言ってるんですか、当たり前です。むしろここにいたいといったら殺してます」


「うん……そうだよね」


 内心、物騒だと思いつつ。ありがとう、ハッキリと口にする。目的は同じだ。


「まずは武器庫を襲撃して装備の奪取だね」


「それから脱出ですね。油断せずに」


 なんだかお家に帰るまでか遠足みたいだ。

 さてと今後の方針も固まったところで……


「リリアン、足は大丈夫?掃除中に何度かぶつけてたけど……」


「問題ありません。私に立ち塞がったタンスや掃除機は始末しました」


「リリアン、肌荒れは大丈夫?洗剤とかがとんでもなく溢れてたけど……」


「問題ありません。言うことを聞かない洗剤や洗濯機は始末しました」


「リリアン、手は大丈夫?盛大に針が刺さってたけど……」


「問題ありません。私に歯向かった針と布は始末しました」


 うん、次は頑張りましょう!


「あなたは……まぁまぁといった出来でしょうか、及第点です」


 おぉっと?ラヴさんからもそこそこに褒められたけど、リリアン的にはまだまだみたい。

 きっと自分は対象外なんだろう、集計対象外。


「『青の領地』についたなら、あなたをメイドとして雇うのもやぶさかではないですよ」


 なぜリリアンが雇うと言うのだろうか、自分だって雇われの身のはずなのに

 でも、褒められているんだろう。まだあたしと一緒に過ごしてもいいと思ってくれてるんだろう。


「ありがとう、でもあたしは届け物をしたら元の世界に帰るよ。リリアンも最初からそのつもりだったでしょ?」


「……そうでしたね。」


 リリアンはなんだかハッとしたような、それとも思い出したくない事を思い出してしまったような。

 どちらにせよ、あたしの見たい表情とは違う暗い面持ちで会話を終わらせてしまった。

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