VRMMOで学園中の女子の憧れの美少年の彼とデート(交際ばれたらのぶ美は袋叩き!)
夏休みが終わった。
藤堂君はのぶ美との交際を隠すつもりは無かったが、との子が反対して公開するのはやめた。
「中学部女子部の大山のぶ美に向くであろう全女子の反感と妬みを甘く見ないことよ」との意見からである。
藤堂とのぶ美の交際は非公開となった。
「そのかわりに私のVRMMOで好きな時にデートすればいいよ」とのジュノの意見に、藤堂君「なっなに?!VRMMOだって?!」と大興奮。
のぶ美は「との子ちゃんも来ない?」と義理で誘ってみた。
「わたくしは新学期のお勉強があるから、ノーサンキュですわ」と断られたので、腹中にっこり。夏休みが終わり明日から学校で、みんな学生寮に帰ってきている。
「のぶ美、宿題は終わってる?」とのジュノの質問に、「……いや、ぜんぜん」とののぶ美の言葉に、ジュノはいきなり時間を止めると、鬼の形相で、のぶ美に「さあ、がんばること!」と新聞を丸く丸めて、それでのぶ美の頭を「ぱしっ!」と叩いた。
その夕方、どれほど時間がかかったかは分からない。とにかく、のぶ美はジュノの監視で、完全に宿題を終えるまで、何もさせてもらえなかった。そして、ようやく宿題は終わった。ジュノは時間を戻した。
女子寮に夕食を知らせるチャイムが入った。「なんだ、まだ6時か」とのぶ美。
ーーそりゃ、ジュノが時間を止めてくれてたんだからーー
きょうの夕食の定食はサンマの塩焼きと豆腐の冷奴に、枝豆と大根おろしに味噌汁。
のぶ美はご飯を大盛4杯お替りした。味噌汁も
夕食がおわってシャワーを浴びて、でも今日は自室に外出着のまま。
すぐに藤堂君から、のぶ美にメールが来た。
「ジュノちゃんとお前の用意はOK? こっちはOKだぜ」
きょうは、藤堂君の希望で『スキーへGO!』MMOのゲームをジュノの力でVRMMOツクールで実体化する。
特設ゲームダウンロードサイトを開き、自分のアカウントを呼び出して、スキーへGO!をダウンロードしてスタンバイ。ジュノが自分の携帯電話でなにやら操作していた。
「いくよ」「OK」
瞬く間に、あたりは白銀のゲレンデに変わった。
しかし、のぶ美はまだ来ない。まだキャラメイクの画面で、スキーウェアを決めかねているらしい。
藤堂君は、黒のスキーウェアで決めている。「自分の好きなスキーウェア選べるのもゲームの通りで嬉しいな」と藤堂君。
「夏にスキーしたくてたまらなくなったら、オーストラリアに行ってたんだけど、これからわざわざ行かなくても済むな」
ーーセレブでよろしゅうございますねーーと苦笑いでツッコむジュノ
ジュノは黄色のスキーウェアで統一。のぶ美は真っ赤なスキーウェアーに決めてきた。
白銀のゲレンデ
辺りには、普通に大勢の人がいる。「この人達は、NPCかい?」と藤堂君。「いいえ、これはMMOのほかのプレイヤーたちですよ。私たちだけがこのゲームの中に入ったんです」「画像はリアルになってるぜ」「メガロコンピュータの補正です」「あっそうかよ」
「しかし寒いな?!」「それも感覚AIによるサービスです」「へえっ、たいしたもんだぜ」
ゲーム内のおでん屋とか、たこ焼き屋やお汁粉屋もリアルである。いい匂いがする。
のぶ美は鼻をヒクヒクさせる。さっき夕食食べたばかりなのに。
「ここで食事するには、たしか、野生動物とエンカウントしてそれを倒さないと、お金が手に入らないんだね?」とのぶ美
「いいえ、リフトに乗るお金を最初から5000円持ってますよ」とジュノが言うやいなや、のぶ美と藤堂は走り出し、おでん屋からイカ焼き、焼きそば、ホットカルピス、ホットコーヒ。
「リフトに乗れなくなりますよ」ジュノの言葉は空しかった。二人はたらふく、スキーラウンジの前の屋台広場で、有り金全部、屋台で食べ物を食べるのに使ってしまった。
「げっぷ」とのぶ美。「心配すんな」と藤堂君は言うと、ジュノに教えられた通りに上手にコマンドを出し何か操作していた。いきなり3人の所持金が10万円になり、リフトフリーパス券を3人は手に入れた。
「俺、このゲームはやり込んでるんで、隠しコマンド知ってるんだよ」
「たよりになるわね」とのぶ美。「当然さ」と藤堂君「さあ、ストーリやろうぜ」
「ストーリやるの?」「クリアしないと全部のエリアでスキーで遊べないだろうが」
このゲームはぜんぜんスキーが上手く滑れないのぶ美でも、上手に滑れる。そこはVRMMORPGである。
リフトフリーパス券でリフトを乗り継いでスキー場の奥へ行く。
3人は直滑降からパラレルターンを連発し、見事なシュプールを描いて、粉雪の降りしきるゲーム世界のスノーモンスターを上手に避けていく。谷底でイベントが発生し、雪女の幼い女の子が泣いている。
彼女のクエストを受けて、氷の塊からスキーとピッケルを作ってあげる。女の子は喜んで雪の魔法の粉をくれる。これで雪男や氷の女王と戦っても、凍らされる心配がなくなる。
彼女を仲間にして、雪女の雪ん子は氷のスキー板と氷のアイスピッケルで器用に滑っていく。三本杉の雪の原で霧が発生すると、雪男と戦闘開始。無事に倒して、レベルアップ。
それから、隠された洞窟から、雪の女王の城へ行き、スノーモンスターたちを倒しながら、迷路を通り抜ける、藤堂君は迷路も、スイスイ。のぶ美が藤堂君が指示してるのに、もたもたして迷いかける。
のぶ美の首根っこをつかんで引きずっていく。ジュノはほとんど、用無しだ。
とうとう、雪の城の奥で雪の女王と出会う。
「さあ、良くここまで来たね。お前たちの息の根を止めてあげるよ」と言われて、戦闘開始。
雪の女王が現れた
雪の女王は怪しい瞳で三人を見つめた。
しかし、雪ん子が大きなガラガラを鳴らした
その音で三人は眠らなかった
雪の女王は氷のブレスを吐いた。
しかし、雪ん子の雪の粉で凍らなかった。
三人は温かいおでんを食べたのでダメージを受けない
藤堂は火炎放射器を使った
雪の女王に1000のダメージ
ジュノは火炎放射器を使った
雪の女王に1000のダメージ
のぶ美は火炎放射器を使った
雪の女王に1000のダメージ
雪の女王を倒した
エンディングテーマが流れて
雪ん子から感謝される
「これから妖精の世界の雪の野原も自由にスキーで遊んでいいですよ」と言われて、妖精の雪の野原へ
しかしMMOなので、先にクリアした人は普通に大量にいて、大混雑していた。
藤堂君は「おもしれー」
「なんで最強武器の火炎放射機を最初から持ってるの?」とのぶ美
「さっきの隠しコマンドですでに装備済みさ」
妖精の雪の野原は格別に美しいグラフィックである。そして同じように色々なゲレンデがあり、リフトは無料である
3人はそこで、散々スキーを楽しんだ。
「じゃあ、きょうはこれまでね」とジュノ
「じゃあ、またな」
「ああ、藤堂君、他のプレイヤーのいないタイプのVRMMOにしたら、プレイ中は時間が止まってて、いくらプレイしても時間たたないんだよ」「まじか?!」「はい、そうですね」とジュノ
「なんでそれを最初から教えてくれないんだよ。次回からそれでたのむ。じゃあな、今日はさすがに疲れた。お休み。のぶ美、それからジュノちゃん」
「ありがとうね、ジュノ。藤堂君と初めてゆっくりデートできたよ。ほんとになにやってもカッコいいね。藤堂君は」とのぶ美。
「また新学期からよろしくね、のぶ美」
明日から二学期だが、宿題の提出の準備も万端に、のぶ美は枕を高くして眠りについた。




